大國 眞明 院長の独自取材記事
大國歯科・矯正歯科クリニック
(板橋区/上板橋駅)
最終更新日:2025/06/13

上板橋駅から徒歩5分の川越街道沿いに開業した「大國歯科・矯正歯科クリニック」。入り口を進んだ左手側には、デジタルコンテンツ制作会社と提携してつくったキッズスペースが現れる。南に面した窓から日が差し込むため、院内は明るく開放感がある。院長を務めるのは、エネルギッシュな明るい性格で院内を活気づける大國眞明先生。出身地の地域医療に貢献するためにこの地に戻り、一般歯科、小児歯科、予防歯科、歯列矯正、インプラント治療などを行っている。また、甲子園常連校の野球部出身でもあることから、スポーツをしている患者のサポートにも注力。同院の特長は昼休みを設けず、土日も休まずに診療していること。「今診てほしいという患者さんのためです」と話す大國院長に、開業の経緯や診療方針、スタッフへの想いなどについて話を聞いた。
(取材日2025年4月8日)
多くの人を救うために土日も診療し、昼休みも設けない
開業の経緯を教えてください。

実家は祖父の代から上板橋で医師をなりわいとし、現在は父が内科と小児科を標榜するクリニックを営んでいます。私は野球のために茨城の常総学院高等学校へ進学するなど、この地を離れていた時期もありましたが、ずっと父の背中を見て育ちました。そして、地域の人たちに健康になってほしいという祖父や父の思いを引き継ぐために、上板橋に戻ってきたのです。以前この場所は、昔から家族ぐるみでお世話になっていた「ゆたか歯科クリニック」でした。運営する医療法人の理事長である豊川竜多先生が、私の母校である日本大学松戸歯学部の先輩にあたるという縁で、事業承継という形式で開業することになりました。歯科衛生士をはじめとしたスタッフは、クリニックの理念に共感し自ら応募してきてくれました。理想のクリニック像を一緒にめざしてくれている心強い存在です。
診療の理念や特徴について教えてください。
「歯科診療を通じて心身ともに健康な生活を送る」を理念とし、0歳の乳児から100歳を超える高齢者まで、多くの人の健康を守ることをめざしています。治療方針はできるだけ歯を削らずに残し、痛みに最大限配慮することです。そして、患者さんが選んで良かったと思えるような治療を心がけています。例えば、どうしても歯を抜かないといけない場合はその理由を説明しますが、それでも患者さんが抜きたくないのあれば、今後定期的に通院してもらうことを前提に抜かないこともあり得ます。もちろんその際のリスクも説明して、患者さんに納得してもらうことが最も大事です。力を入れているのは予防歯科で、痛くなってから歯科医院に行くのではなく、年2~3回は受診することを習慣にしてほしいです。そのためにも通院しやすい環境をつくっています。
休診日は祝日だけと聞いて驚きました。

家庭や仕事の都合で歯科を受診するのが難しい人を救いたいという理由から、私が休むのは祝日だけです。加えて、仕事の昼休みに来たいという人のために昼休みも設けていません。もちろんスタッフはきちんと休日を取っていますし、昼は交代制で休んでもらっています。前職は埼玉県の歯科医院に週5日勤務し、並行して先輩の矯正歯科医師に同行するアルバイトとして週2日働いていました。少しでも早く、より多くの技術や経験を身につけるために週7日働いていたのです。先輩は複数の歯科クリニックを勤務先にしていたので、院内のシステムや患者さんの流れ、スタッフの働き方など、さまざまなことを学ぶことができ、その中で良いと思ったことを取り入れたのが当院です。
スタッフ全員で一人の患者を診るチーム医療をめざす
設備や院内のデザインなどに特徴はありますか?

ユニットは4台あり、大型モニターを設置しているので、治療内容を患者さんにわかりやすく伝えることができます。また、歯や顎の状態を3D画像で確認できる歯科用CTがあるので、インプラント治療や歯列矯正、歯周病や根管の治療などを、より精密に行うことができます。内装で最もこだわったのはキッズスペースですね。デジタルアートなどのテクノロジーを駆使したコンテンツで知られる制作会社と提携して、子どもたちが楽しめる空間になるようにつくったものです。私は歯が生えた時点から予防したいと考えていて、そのために保育士の資格を持つスタッフが3人います。お母さんが受診したい場合も、お子さんの歯を診てほしいという場合も、保育士がいるので安心して通ってもらうことができます。
歯科衛生士をはじめとしたスタッフにも強みがあるのですね。
当院では保育士の資格を持つスタッフなら受付事務を兼任し、歯科衛生士なら助手と受付事務を兼任するといった具合に、必ず2つ以上の職種を担当してもらっています。視野を広く持って院内の状況を理解することができますし、お互いへのリスペクトも生まれます。当院のスタッフは、自発的かつ積極的な行動力が大きな強みです。インカムを活用し、受付時から診療後に至るまで患者さんの状況をリアルタイムで共有。診療室で異変があっても、呼ばれる前にスタッフが連携して対応できる体制です。そのため、「呼ばれたらすぐ駆けつける」フットワークの軽さによって、一人ひとりに寄り添った丁寧な対応が可能になります。私が別室にいても、スタッフ全員が状況を把握しているので安心感がありますね。
診療で大切にされていることは何ですか?

歯科医師だけではなく、歯科衛生士、助手、受付事務といったスタッフ一人ひとりがチームとして患者さんの対応をしているんだという気持ちを忘れないことです。「患者さんのためにはどう動くべきか」を各自が考え、診療後には気づきを共有。毎月の初めには前月の振り返りミーティングを行い、より患者さんに満足してもらえるような取り組みへとアップデートしています。患者さんにも、当院のことを「診療内容もスタッフも含めて全体が良い」と感じてほしいですからね。スタッフみんなが“患者さんのために”という思いを持つことを大切にし、その気持ちを日々の仕事やチームのルールにしっかりと反映していきます。一丸となって“より良い医療”をめざすチーム力を、これからも大切にしていきたいですね。
スタッフから信頼される歯科医師であるために
歯科をめざした理由をお聞かせください。

甲子園常連校の高校を卒業し、大学には野球の特待生のような形で進学しました。しかし私は歯ぎしりがひどく、食いしばりで奥歯の一部が欠けるなど、歯の状態は決して良くありませんでした。また野球は、硬式のボールが口に当たって前歯がなくなるといった危険性も隣り合わせのスポーツです。そのような経験から、改めて歯の大切さを認識し、歯科医師をめざすために大学を辞めて歯学部に入り直したのです。そして、お世話になったスポーツ界に恩返しするために、現在はスポーツ用のマウスピース事業に力を入れています。リスクの少ない状態でプレーしてほしいという願いと、マウスピースをきっかけに歯の健康に興味を持ってくれればという思いを込めて取り組んでいます。
先生が掲げる理想の歯科医師像はありますか?
今治してほしいというときに治療することができる歯科医師など、めざす理想像はさまざまです。その中で一つ挙げるとすれば、スタッフから支持される、信頼される歯科医師が理想ではないかと思っています。私は歯で困っているたくさんの人を救いたいので、祝日以外は休みなく働いていますし、患者さんの要望にはなるべく応えてあげたいと思っています。ですので、患者さんは大事ですが、同じくらい大事なのが一緒に働いてくれるスタッフです。理念などの基本的な考え方は私がつくっていますが、その理念を実現するためには具体的にどうすべきかといった細かいことについては皆で意見を出し合って、常にアップデートしています。チーム医療を推し進めるにあたって、スタッフは仲間というか、家族のような存在だと思っています。
今後の展望について教えてください。

野球を通じて恵まれたご縁によって、今まで多くの人たちに助けられてきました。ですので、まずは野球に限らずスポーツ界にマウスピース事業を広めたいと思っています。そして、地域医療をさらに進めていくつもりです。父のクリニックと連携し、例えば、生活習慣病と歯周病を患っている方を診るなど、地域の人たちの口腔内を含めた全身の健康を守れるような取り組みをしていきたいです。実は、他県で働いている医師の弟がいるので、長期的には祖父と父の思いを2人で受け継ぎ、上板橋の地域医療に貢献できる歯科クリニックにしていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは成人矯正/82万5000円~、インプラント治療/35万円~、スポーツ用マウスピースの作製/2万2000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。