津田 憲志郎 院長の独自取材記事
つだ皮膚科クリニック
(四日市市/保々駅)
最終更新日:2025/06/04

およそ30台が駐車可能な広い駐車場と、クリーム色の美しい外観が目を引く「つだ皮膚科クリニック」。2025年3月18日、保々小学校前交差点の角地に開業した同院は、皮膚科およびアレルギー科を標榜している。津田憲志郎院長は、質を重視した治療の提供をめざし、新しい治療法も積極的に導入している。勤務医時代から取り組んできた、生物学的製剤を用いた治療に注力。また、導入から治療までをワンストップで行えるよう、エックス線検査機器などの医療設備を整えた。「患者さんが喜ぶ姿を見るのが一番の喜び」と語る津田院長に、開業の経緯や診療のモットー、患者への想いなどたっぷりと語ってもらった。
(取材日2025年4月24日)
医師としてのキャリアを育ててくれた四日市で開業
最初に、開業までの経緯をお聞かせください。

出身は名古屋ですが、三重大学医学部に進学してからは、ずっと三重で暮らしています。大学院で基礎研究をした時期もありましたが、臨床の方が肌に合うと感じていましたし、いつかは開業したいと考えていました。勤務医時代の約半分にあたる時間を四日市で過ごしてきましたので、担当してきた患者さんが多く住まわれている四日市で開業することで、少しでも恩返しができたらと思いました。この地区は小学校や農協、消防署の分署、交番などが集まる行政中心地です。昔から住んでいらっしゃる方々だけでなく、新しく転入されてきた世帯も多いのですが、人口に対する医療機関の数が少ない地域ですね。ちょうど新名神高速道路が通って、インターチェンジからのアクセスが良くなったことも決め手となり、この地で開業することに決めました。
どのような患者さんがいらっしゃいますか?
四日市市内のみならず、東員町、菰野町、朝日町、いなべ市、鈴鹿市といった近隣市町からも患者さんがいらっしゃっています。年齢層も生後数ヵ月の赤ちゃんから90代の方まで幅広いです。さまざまな皮膚疾患の治療に対応していますが、中でもイボやニキビにお悩みの方が多いですね。ニキビは若い世代だけでなく、30代や40代でできることも少なくないですし、以前にできたニキビ痕の治療を希望される方もいます。今まで仕事などが忙しくて通院できなかったけれど、年齢を重ねて生活が落ち着いてきたので治療を始めたい、という方もいらっしゃいます。当院では塗り薬や飲み薬はもちろんのこと、自由診療の治療にも対応しています。高齢の患者さんは、しみや皮膚のかゆみに関するご相談が多く、乳児に対しては湿疹や先天性のあざのほか、血管腫瘍の治療も行っています。中には基幹病院と連携しながら治療にあたるケースもあります。
新築するにあたり、外観や内装で重視した点はありますか?

色味は、明るく清潔感がある白を基調としました。純白だと目が疲れてしまうので、少しグレーも混ざった色調に。設計面では、スタッフが部屋を移動する際に待合室を横切ることがないよう、動線は裏で完結するようにしました。お子さん連れの方が通院しやすいクリニックにしたかったので、院内はバリアフリー設計に。ベビーカーのまま入っていただいても大丈夫です。待合室にはキッズスペースを設けており、絵本を読んだり動画を見たりできます。化粧室はユニバーサルデザインで、おむつ替えベッドを備えています。僕自身、2児の父ですし、スタッフも子ども好きな人ばかりですので、お子さんが来られると皆、喜んで対応しています。皮膚科は待ち時間が長くなりがちな科なのですが、少しでも快適に過ごしていただきたいと思って、待合室には電源を備えたカウンターデスクと無料のドリンクサーバーも設置しました。
先進の治療法に対応するため、医療設備を積極的に導入
エックス線検査機器を導入されているのはなぜでしょうか。

近年、乾癬やアトピー性皮膚炎、じんましんなど、皮膚科の領域で生物学的製剤を用いた注射薬が使えるようになりました。昔は治療が難しいと言われていたこれらの病気を、かなりコントロールしやすい時代になってきているのですが、この薬を使うにあたって、投薬前のスクリーニング検査として胸部エックス線検査またはCT検査が必要になります。治療によっては免疫に対する働きかけが強く出るものもあるため、結核や悪性腫瘍のリスクがありますし、まれに間質性肺炎が起こることもあります。そういった副作用が起こっていないかを適宜確認するためにもエックス線検査を行います。従来であれば、検査機器がある他院へかかっていただく必要がありましたが、エックス線検査に対応している当院ではワンストップで導入から治療まで行うことが可能です。
ほかにも超音波検査機器やエキシマライトなど、医療設備がとても充実していますね。
さまざまな皮膚疾患に対応できるよう、一通りの医療設備を整えました。超音波検査では、表面からは確認できない炎症やむくみ、血流などを調べることが可能です。異物が刺さったときにも超音波を当てて音波の跳ね返りの有無を見ることで状態を確認できます。エキシマライトは乾癬や円形脱毛症などの治療に適しています。有害な波長を除いた紫外線を患部に当てることで症状の改善をめざします。部分用と全身用の両方を備えています。アレルギーの検査では、患者さんの指先から1滴の血液を採取するだけで、複数のアレルギーを調べることができます。結果が出るまでおおよそ30分ほど。花粉症の時期には検査を希望される方が多かったですね。
診療方針についてもお聞かせください。

皮膚疾患は慢性化しやすく、我慢してしまう方も少なくないのですが、放っておけばおくほど、ほかの問題も出てきやすいんですね。治療が長引くこともある中で、治療の必要性を理解してもらうことは、患者さんのモチベーションに大きく関わることなので重視しています。その薬を使うにあたっての意図や注意点を理解していただくことに注力しています。例えば、ニキビの薬を処方するときには、薬を塗る前にする洗顔の方法なども含めて、できるだけ丁寧に説明しています。
患者が喜ぶ姿が見られることがやりがい
先生が医師をめざし、皮膚科を専門とされたきっかけを伺ってもよろしいですか?

私が小学生の時に家族が大きな病気にかかったのです。家族を治療してもらったという経験は僕の中でとても大きなことでした。その後、三重大学医学部に進学しました。実は、医学部時代の途中までは整形外科の医師を志していました。日曜大工が好きで、骨折の治療や整形外科の手術に日曜大工と同じ要素を感じていたのです。皮膚科に決めたきっかけは、恩師の存在が大きかったです。皮膚科の教授が熱心に誘ってくださいまして、知識が豊富で、厳しいながらも面倒をよく見てくださり、「この先生について行きたい」と思いました。加えて、皮膚科は外科的なことも内科的なことも一通り携われる科であること、治療の過程を直接目で見ることができる科であることに面白みを感じました。皮膚を診るだけで、内臓の悪いところまで気づけることもあって、そういう点にも惹かれました。
日々の診療でも、そういったところにやりがいを感じていらっしゃるのですね。
そうですね。皮膚の病気を抱えていて、精神的に落ち込んでしまう方も多く診てきましたし、引きこもりのような状態になってしまう人もいます。そういった方たちに対して「少しでも力になれたら」と常々思っているのですが、先ほどお伝えした生物学的製剤によって、それまで治療が難しかった症状にも対応できるようになってきました。皮膚の状態は患者さんの性格にも大きく影響することもあるのです。患者さんが笑顔になってくれる過程に立ち会えたら、とてもうれしいですね。
今後の展望について、お聞かせください。

開業にあたり、実現したかったことはひとまず形にできたので、ここからさらに広げていくよりも、まずはより多くの方に当院を知ってもらいたいですね。美容皮膚科の領域についても、ニーズに応えられるよう努めていきますが、診療の軸は保険診療である一般皮膚科に置いています。皮膚に関することは、お悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。多くのお悩みに対応できるよう、治療の質をさらに上げていきたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはニキビの自費治療/3300円~