村山 翔太郎 院長の独自取材記事
ムラヤマ皮フ科
(三条市／北三条駅)
最終更新日：2025/12/19
2025年2月に三条市荒町に開業した「ムラヤマ皮フ科」は、湿疹や水虫といったありふれた疾患から手術が必要な症例まで幅広い領域の皮膚科診療を提供している。院長の村山翔太郎先生は、富山大学を卒業後、柏崎総合医療センターなどで長年研鑽を積み、急性期疾患から慢性期疾患まで数多く診てきた皮膚科のスペシャリストだ。プライベートでは3人の娘の父親で、休日は家族と過ごす時間を大切にしているという。「患者さんの不安を解消することを重視しています」と、穏やかに語る村山先生に、診療方針を中心に話を聞いた。
（取材日2025年11月22日）
湿疹から手術まで幅広く対応するクリニックを開業
開業してもうすぐ1年を迎えられます。
柏崎市を中心に10年間勤務医を務め、いずれは開業をという思いがあったところに、縁があってこの地に開業したのが2025年2月です。聞いたところによると、ここには3年前までは別の皮膚科クリニックがあったそうです。そのクリニックが閉院したことでこの地域に皮膚科がなくなったので、今回の開業で地域医療に貢献できたらと思っています。勤務医時代に培ってきた医療技術を提供するのはもちろん、患者さんとのやりとりを大切にするクリニックでありたいと思っています。皮膚科医としてできることは全力で行いながら、日進月歩で進化していく医療を今後も学び続けていきます。
開業までの歩みをお聞かせください。
2011年に富山大学医学部を卒業後、同大学附属病院で2年間研修医を務めました。その後2014年から柏崎総合医療センターの皮膚科で医長を務めながら、国立病院機構新潟病院や柏崎厚生病院、新潟西蒲メディカルセンター病院、また同関連施設の特別養護老人ホームなどでの勤務を2024年末まで兼任し、10年間勤務医の経験を積みました。勤務医として勤めた10年の間には、来る者拒まずで患者さんの訴えのすべてに対応してきました。また、非常勤先であった国立病院機構新潟病院、厚生病院、特別養護老人ホームでは高齢者はもちろん、寝たきりの患者さんの皮膚トラブルにも多く関わってきました。それらの経験が開業からの日々の診療に生かせていると思います。
御院ではどのような治療を受けられますか？
皮膚に関するトラブル全般に対応しています。湿疹やニキビ、水虫などのよくある疾患から、アトピー性皮膚炎や乾癬、酒さ、脱毛症、アレルギー疾患など難治性の病気にも対応しています。さらに、ほくろやイボなどの良性腫瘍や基底細胞がん、有棘細胞がん、メラノーマなどの皮膚悪性腫瘍の診療も行っています。手術については患者さんが希望される場合、可能な限り当日に行うように努めています。時間を作って来院いただいた患者さんの悩みをなるべく早く解決したいという考えからです。自由診療で行っているものとしてはしみに対する外用薬を用いたケア、AGA（男性型脱毛症）の診療、巻き爪治療、ピアッシングなどがあります。さらにインフルエンザや帯状疱疹の予防接種も行っています。また当院では対応できない疾患の場合には、提携病院や近隣病院をご紹介しています。
一人ひとりの患者を大切に、信頼関係を築いていく
患者さんの年齢層や主訴、また得意な治療分野を教えてください。
特にどの世代が多いということはなく、お子さんからご高齢の方まで幅広い年代の患者さんに来院していただいています。さまざまな疾患を診ているため、特に特化した分野があるわけではないのですが、手術は好きであり得意分野でもあります。手術はイボなどの小さなものから皮膚悪性腫瘍まで幅広く行っています。また、当院は保険診療の患者さんが多いことも特徴です。
診療方針をお聞かせください。
医師と患者のやりとり＝人間同士のやりとりと考え、患者さん一人ひとりを大切にすることが当院の基本理念です。当院のホームページに書いてある「『きいて、みて、さわって』を丁寧に行う」というのはまさにそのことです。患者さんの疾患によっては、原因や治療法などの正解が一度の診療では見つからない場合もあります。そうなった場合でも医師と患者の間に信頼関係があれば、再診に来てくれた患者さんとともに解決の糸口を探っていくことができるのです。診療に来られた患者さんが症状、疾患について理解し、納得した上で治療を行うことを重視しております。
医師になってうれしいと思うのは、どんな時ですか？
勤務医であった頃から、患者さんの不安を全力で解消できるように努める点は変わりません。そのせいか勤務医時代の患者さんが遠方から当院まで来てくださることもあり、とてもうれしくありがたく思っています。このクリニックを開業してからまだ1年ほどですが、再診の患者さんが増えていることもうれしいですね。医師の仕事をして最もうれしい時は、通院されていた患者さんが治療を終え、終診となった時です。治療が終わった時、喜んでくれた患者さんを見ると医師をやっていて良かったと、最も強く感じます。
患者の不安を解消し、地域医療に貢献していく
医師をめざし、皮膚科を選んだ理由をお聞かせください。
医療もののテレビドラマを見て漠然と医師に憧れたのがきっかけです。自分の中でやりたいと思えるものが芽生えた時に、その道に向けて努力できる環境づくりをしてくれた両親には感謝しています。自分も娘に対し、近い将来そういう姿勢を示していかないとなと思っています。皮膚科を専門としたのは、学生時代、研修医の時に人として素晴らしい恩師たちに出会ったことが理由ですね。皮膚科は内科と外科両方の側面がありますし、疾患の症状は患者さんごとに異なります。どうアプローチして治療するかを常に考えるため、やりがいがあります。今では天職に就けたと思っています。
印象に残るエピソードはありますか？
三女が誕生してすぐに疾患があるとわかり、大学病院に運ばれた後そこで1年半ほど入院生活を送りました。その際、担当の先生の真摯な対応に胸を打たれました。十数時間に及ぶ手術の執刀を行うだけでなく、私たち家族に対し納得のいくまで病気や治療について丁寧に説明してくださいました。患者である三女と私たち家族に常に寄り添う形で向き合ってくれたことに、とても感謝しています。三女を担当した先生の診療科と皮膚科では取り扱う病気は異なりますが、同じ医師として患者さんに対しこのような姿勢を見せなくてはならないと、この出来事で深く学ぶことができました。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
三条市は初めての土地だったので地域に受け入れられるか不安だったのですが、皆さん優しい方ばかりでうれしく思っています。先ほどお話ししたように、遠方からわざわざ通ってくださる患者さんや、再診で来てくださる患者さんたちに対し、治療も接遇も満足できるものを提供するように努めていきます。大きな野望はありませんが、患者さんに来ていただき、診療ができる環境を維持し、地域に根差したクリニックにしていきたいです。患者さんを大切にするという理念をクリニック全体で共有しながら、スタッフも大切にし、この職場で良かったと思ってもらえるところにしたいですね。とてもいい地域に開業できたと思っているので、その感謝を診療という形で地域に還元していきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはAGA（男性型脱毛症）の診療／6000円～、巻き爪治療／7500円～、ピアッシング／4500円～、しみに対する外用薬を用いたケア／2500円～
