古賀 武 院長の独自取材記事
きただ歯科医院
(北九州市小倉南区/安部山公園駅)
最終更新日:2025/04/15

2025年1月、サンリブシティ小倉内にある「きただ歯科医院」が、継承され新たに診療をスタート。内装は、ハワイアンムードたっぷりに印象を変え、リラックスした雰囲気の中で診療を受けられるようになった。同クリニックを継承したのは高齢者や障害者の歯科治療について学んだ古賀武院長。現在も高齢者や障害者の治療ニーズに応えている他、ショッピングモール内という場所柄あらゆる世代の診療に取り組んでいる。また、古賀院長には格闘家としての顔もあり、キックボクシングで全日本チャンピオンになった経歴を持つ。「歯科クリニックは怖い場所というイメージがあるかもしれないが気楽に来てほしいです」と、豪快に笑う古賀院長に、クリニックの特徴などを聞いた。
(取材日2025年3月18日)
人の縁に導かれて歯科クリニックを継承
まずは先生のご経歴について教えてください。

福岡歯科大学を卒業後、福岡歯科大学病院の高齢・障害者歯科学教室に入りました。学生時代にキックボクシングを始めたのですが、その先生に「自分より弱い立場の人たちに優しくできることが大事」という教えをいただき、皆さんの力になりたいと思って選んだ道です。高齢者は有病者であることが多く、使用できる薬が制限されていたり、治療にも制限がかかってしまったりするケースが多々あります。また、体が不自由な方は治療中の体勢など気をつけなければならない点が多くあり、そういったやや特殊な領域で技術を磨いてきました。その後は福岡市や鳥栖市の歯科クリニックに勤務し、一般歯科全般の技術を学びました。
どのような経緯で継承されたのですか?
実は、開院しようという気持ちはもともと持っていなかったんですよ。実際、祖父も父も歯科医師でしたが、家業は継いでいませんからね(笑)。ですがあるときご縁をいただいて。正直なところ、自分に1歩踏み出す勇気がなくて自問自答する日々だったのですが、50歳で節目の年齢ということもあり、断ったら一生後悔するかもしれないとお引き受けすることにしました。自分の子どもたちが受験などで頑張る姿を見ていましたし、家族の応援もあり、2025年1月に「きただ歯科医院」という前クリニックの名前は残したまま継承し開院しました。
継承から2ヵ月がたちましたが、どのような患者さんが多いですか?

継承前からの患者さんも継続して来ていただいていますし、若い方からご高齢の方までお買い物のついでに来てくださる方もいらっしゃいますよ。スポーツ用マウスガードの相談にも対応しているので、そういったご相談も多いですね。以前勤めていた歯科クリニックでは分院長として分院を任せてもらった経験もあったので、想像していたほどの苦労はなかった気がします。現在は前院長の奥さまも一緒に働いてくださっていますし、在籍していたスタッフの方も続けてサポートしてくれているので、あまり不安要素は感じていません。
ハワイアンテイストの雰囲気で患者の緊張を緩和
ハワイアンテイストの内装も印象的ですね。

大学病院に勤めていた頃ですが、キックボクシングの選手としてピークを迎えていた時に大けがをし、入院、引退を余儀なくされました。非常に落ち込み人生に対して悩んでいた時、妻がハワイに連れて行ってくれたんです。ハワイで過ごすうちにその空気感に感化され、人生に対する価値観が変わりました。それ以来、毎年ハワイに旅行するようになったほどです。患者さんにもそのリラックスした雰囲気の中で診療を受けてもらいたいと、ハワイアンテイストの雑貨や絵画を院内に飾っています。クリニックを手伝ってくれている妻にお任せではありますが、当クリニックは怖い所ではなく安心できる所なんだと感じてもらえる一助になればと思います。
特に力を入れている診療はありますか?
何か特別な歯科診療をやっているというわけではありませんが、なるべく緊張しないで受診していただけるようコミュニケーションを積極的に取っています。主訴も虫歯や歯周病、あるいはメンテナンスなどの一般診療が中心だからこそ、クリニックの雰囲気づくりに力を入れています。あとは経験を生かし、体の不自由な患者さんも受け入れています。体勢などに制限がある方が受診できる歯科医院は多くはないので、大学病院時代に診ていた患者さんや前の勤務先で治療していた患者さんが引き続き来てくれているのはうれしいですね。
スポーツ用マウスガードの相談も受けつけているそうですね。

私自身、格闘技をやっていたので、マウスガードには詳しいんですよ。自分の体で人体実験してきたようなものですから(笑)。どんな材料が良いかやどれくらいの厚みが良いかなど、細かい調整も可能です。衝撃から歯を守る、力を入れるなど、用途に応じてスポーツ用マウスガードの作製も可能です。格闘技やバドミントン、ラグビー、柔道などのスポーツをする方からのご相談もありますね。
前向きに受診できる歯科クリニックをめざして
患者さんと向き合う際に心がけていることはありますか?

当クリニックは、「自分の家族にしてあげたいような治療」を掲げています。もちろん歯科クリニックは緊張する場所かもしれませんが、リラックスして笑いを交えながら受診できるような所にできればと考えています。その一つと言えるかわかりませんが、スタッフは私のことを「先生」とは呼ばないんです。皆さんも家族のように私たちに接してもらえると、もっと楽に過ごせるのではないかと思います。
それでは、実際に処置を行う時に気をつけているポイントをお聞かせください。
少しマニアックかもしれませんが、心拍数を上げないように気をつけています。心拍数や血圧は、不安、恐怖、痛みなどから上がってしまいます。高齢・障害者歯科での経験からも、診療時に全身の状態を管理するという点は気をつけていきたいポイントです。そのためにも積極的に声をかけて、不安や恐怖を緩和できるように配慮しています。また、英語での診療にも対応しているので、海外から日本に旅行でいらっしゃっている方や日本語に不安がある海外の方なども安心して受診していただけると思います。
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

歯科クリニックは治療のために行くから不安を感じるものです。ですから、定期的に受診をして予防に努め、そのままトラブルがない状態を継続していくことが理想です。当クリニックはショッピングモールの中にありますし、買い物のついでにご家族で一緒に検診を受けてみてはいかがでしょうか。人との縁がつながって継承した当クリニックですから、この場所から皆さんとの縁もつながっていければうれしいです。最初に受診する時は不安もあると思いますし、一歩踏みだす勇気が必要かもしれませんが、気楽に来ていただければ大丈夫です。私のモットーは「明るく、元気に、楽しく」です。患者さんにとってもスタッフにとっても、「今日は歯医者の日だ」「今日は仕事の日だ」と暗くならず、遠足の時のようにワクワクして目が覚めるような、前向きな気持ちで来ることができる空間をめざします。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツ用マウスガードの作製/3000円~(年齢や競技によって費用が変わることもあります)