鎌田裕院長の独自取材記事

やよい歯科口腔クリニック

(福岡市早良区／藤崎駅)

最終更新日：2025/05/14

2025年2月、福岡市地下鉄空港線藤崎駅より徒歩約3分の場所に開業した「やよい歯科口腔クリニック」。院内は白を基調として、天井の高い空間が特徴で、リラックスできる雰囲気となっている。これまでに大学病院などの歯科口腔外科に長年勤務してきた鎌田裕先生が院長を務める。親知らずなどの難しい抜歯や口腔内の粘膜疾患、顎関節症、インプラント治療などに幅広く対応。専門性の高い歯科口腔外科の診療で、地域医療への貢献をめざす。また、それぞれの患者の状態を丁寧に診察し、治療方法だけでなく費用面についても希望を考慮した上で提案することを心がけているという。「精密に、再治療の必要がない治療を心がけています」と、優しい笑顔が印象的な鎌田院長に、同院のことや歯科診療への想いなどを聞いた。

（取材日2025年3月27日）

可能な限り精密な再発を防ぐ治療をめざす
長期的な視点で考え、治療法を提案していきたい
円滑な診療を支えるスタッフとのコミュニケーション

可能な限り精密な再発を防ぐ治療をめざす

これまでのご経歴を教えてください。

福岡歯科大学卒業後、九州大学大学院に進学しました。在籍中は九州大学病院で勤務、鹿児島県にある大隅鹿屋病院の歯科口腔外科に2年間出向し、九州大学病院に戻って2年間勤務しました。その後は、博多区にある歯科医院で3年ほど勤務しています。開業するまでの経験で特に役に立っているのは、鹿児島県の病院での経験です。歯科口腔外科があまりないエリアだったので、本当にいろいろな症例を経験しました。患者さんのバックグラウンドもさまざまで、それぞれの患者さんに合わせた治療を提案できたことがとても勉強になりました。大学病院では救命救急にも携わったので、歯科だけではなかなか経験できないような患者さんに対応できたことは貴重な経験でした。

診療の際はどのようなことを心がけていますか？

特に心がけているのは、患者さんへの説明です。しっかりと説明し、理解していただくことで、自分の口の中に関心を持ってもらえると考えています。結果的に「あれはどうなっていますか？」など、患者さんから質問していただくことで自発的なコミュニケーションにもつながり、良い関係が築けると思っています。患者さんに納得して治療を受けてもらいたいという気持ちは、以前勤務していた歯科医院での経験が大きいですね。説明に時間をかけ、30分から1時間ほどかけてじっくり話すこともありました。患者さんとの対話が生まれてすごく良いなと感じたので、自分のスタイルに取り入れようと思ったんです。それから、僕の人生のモットーとして「関わる人を少しでも幸せにしたい」という気持ちがあります。歯科診療を通じて実現できたらいいなと思い、日々診療にあたっています。

患者さんへの説明で意識していることはありますか？

ご高齢の患者さんの中には、「先生に任せるよ」という方もいると思いますが、私のポリシーとして、治療前には説明するように心がけています。お子さんの場合は、歯医者さん嫌いのお子さんが多いので、まずは仲良くなることを意識していますね。私自身も子どもがいるので、自分の子どもと接するときと同じように、少し声のトーンを上げて楽しく話しかけるようにしています。お子さんの性格に合わせて対応を変え、保護者の方にはしっかりと説明するように心がけています。

貴院の特徴についてお聞かせください。

親知らずの抜歯や、その他、歯科口腔外科領域の疾患にも対応可能であることが特徴です。親知らずについてお困りの方や、歯科口腔外科領域の疾患でお悩みの方に、ぜひご相談いただきたいと考えています。また、以前勤務していた病院では、ご高齢の患者さんを多く診ていました。幅広い年齢や病気を抱える患者さんにも対応しています。自分の口腔内に興味ある方からは「歯を白くしたい」とご相談を受けることも増えています。

長期的な視点で考え、治療法を提案していきたい

診療の中での得意分野を教えてください。

得意分野は、長年培ってきた歯科口腔外科はもちろん、あとは歯の修復治療ですね。できる限り精密に、再治療のリスクを最小限に抑えることを心がけています。保険診療では使用できる材料や治療法に制限があるため、自由診療に比べて選択肢が狭まります。しかし、自由診療であればより精度の高い、長持ちするための治療を提供できると考えています。もちろん、さまざまな条件やご希望で、自由診療を受けることが難しい患者さんもいますので、そのような場合でも、保険診療の範囲内で可能な限り再治療のリスクを抑えた治療を心がけています。私自身、再治療はできる限り避けたいと考えています。患者さんにとってもやり直しは大きな負担になると思います。だからこそ、最初の治療で、できる限りのことをしたいと思っています。

自由診療についての考えをお聞かせください。

自由診療というと、どうしても「費用が高い」といったイメージを持たれるかもしれません。ただ、もし自分が虫歯の治療を受ける立場だったら、やはり良いもの・長持ちしやすいものが良いという考えになると思っています。だから、患者さんに自由診療という選択肢を伝えないことは不親切だと思っています。もちろん、すべての患者さんに自由診療を勧めるわけではありません。大切なのは、患者さんの状態や将来を考えて、最も良い方法を一緒に見つけること。5年後、10年後と考えると、素材を選ぶことが結局は患者さんのためになると思うんです。もちろん、さまざまな事情があり、すぐに決められない方もいますよね。そういうときは、無理に急かすことはしません。私も何かを決めるのに時間がかかるタイプで、焦って決めても納得できなければ良い結果にはつながらないと思います。患者さんも、一旦持ち帰って考える時間が必要だと思いますから。

設備面の特徴はありますか？

内装は、シックでシンプルなデザインが特徴です。無駄を省いた空間が好きなので、できる限りシンプルに、洗練された高級感も感じられるような雰囲気になっています。また、天井が高いのも特徴です。歯科医院は配管の関係で床を上げる必要があり、天井までの距離が近くなってしまうので、圧迫感があるかもしれません。当院は天井が高く開放感があるため、ゆったりとした気持ちで過ごしていただけるのではないかと思います。その他に、半個室の診療スペースでプライバシーにも配慮しています。オープンな空間が苦手な方でも、安心して治療を受けられるように工夫しています。

円滑な診療を支えるスタッフとのコミュニケーション

スタッフとの連携はどのようにされていますか？

診療の合間の時間などに、スタッフとちょっとした話をしたり、私の考えを伝えたりするようにしています。例えば、「こういうことをしていきたいから、受付ではこういうふうに対応してほしい」といった要望を伝えたり、一緒に練習したりすることもあります。仕事の話だけでなく、たわいもない雑談もよくしていますね。今後も密にコミュニケーションを取りながら、患者さんを最適な治療へ導くパートナーでいたいですね。

息抜きや、休日はどのように過ごしていますか？

月に1回くらいは同業の友人たちと食事に行き、情報交換をしたり、モチベーションを高め合ったりしています。お互いに刺激となる環境は、私にとってとても大切です。休日は子どもと公園に行って遊んだり、散歩をしたりして過ごしています。散歩中はいろいろなことを考えられるので、気分転換になりますね。気がつくと、1～2時間歩いていることもあるんです。考えがまとまり、頭の中がすっきりしますね。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

理想とする歯科医師像は、お口のことで悩んでいる患者さんに対して、どんなことでも対応できる存在です。「こんなこと聞いてもいいのかな？」と遠慮せずに、どんなことでも気軽に相談してほしいです。当院は名称に「口腔」と入っているように、歯だけでなく、お口のこと全般に関して診ています。舌の痛みや痺れ、顎関節症、噛み合わせなど、お口のことであれば何でもご相談ください。