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岡森 一眞 院長の独自取材記事

三国ヶ丘リコリス歯科

(堺市堺区/三国ヶ丘駅)

最終更新日:2025/06/13

岡森一眞院長 三国ヶ丘リコリス歯科 main

「三国ヶ丘リコリス歯科」は2024年9月2日に岡森一眞院長が開院したクリニック。阪和線・南海高野線の三国ヶ丘駅から徒歩数分とアクセスが良く、通いやすい場所にある。岡森院長は大規模な歯科医院で訪問歯科診療の責任者を務めた経験を持ち、同院でも外来だけでなく、高齢者や障害者を対象とした訪問歯科診療に力を入れてきた。クリニック名の「リコリス」はヒガンバナを意味し、特に高齢者の訪問歯科診療において「最期まで幸せに笑って過ごしてほしい」という院長の思いが込められているという。患者一人ひとりに真摯に向き合う岡森院長に、訪問歯科診療の重要性や外来における心がけなどを聞いた。

(取材日2025年3月14日)

口腔の不調に家族が気づけたなら、救える人もいる

まずは先生のご経歴、開院されるまでの経緯をお聞かせください。

岡森一眞院長 三国ヶ丘リコリス歯科1

大阪歯科大学を卒業後、同大学病院の補綴科で研修を受けました。その後は東大阪にある「りょうき歯科クリニック」で数年間診療をしていたのですが、そこで初めて訪問歯科診療を経験したんです。最初は週に1日の当番制だったのですが、経験を積むうちにどんどん興味が湧き、最終的には週に5、6日担当して訪問センター長も務めました。実はその時の同僚から、当院の前身となるクリニックとのご縁をつないでもらったんです。もともとはその同僚の親戚がここで歯科医院をされていたのですが、ご高齢で引退されることになり、私が継承することになりました。私自身の出身は岸和田なのですが、中学校、高校と北助松まで通学していて、三国ヶ丘にもよく来ていたので、ここはなじみのある土地でもあります。

訪問歯科診療に興味を持つようになったきっかけは何ですか?

亡くなった祖父のことがきっかけになりました。祖父は、最後のほうは食事をまったく取れなかったんです。亡くなった後に祖母から、祖父は合わない総入れ歯をしていて、病気を患う前から食事をするのに困っていたという話を聞き、「もし早く気づくことができたら」と非常に後悔しました。祖父母は鳥取に住んでいて、遠方にいたから遠慮したのかもしれませんが、知っていればたとえ遠くても診に行きましたし、できることはあったはずなのに、と……。その時、祖父にできなかったことを、同じように困っていらっしゃる方にして差し上げたいと感じ、訪問歯科診療に注力するようになりました。

家族が歯や口の中の状態を知らず、助けてあげられない高齢者がいるのですね。

岡森一眞院長 三国ヶ丘リコリス歯科2

そうですね。ご家族が患者さんご本人の口の中の状態を知ることも、訪問診療の目的の一つだと思います。離れて暮らしている場合は特にそうですが、たとえ一緒に暮らしていても親の口の中の状態を把握できている方は少ないものです。訪問して、診察して初めて「親や祖父母が本当は食事に困っていた」と知ることもあります。ご家族が大丈夫と思っていても、実際には問題のあるケースがほとんどだと思います。もう噛めないのに食事の対策を何もしていなくて、丸飲みせざるを得ない状態である可能性もあります。そういう人をできる限り減らしたいんです。また、一人暮らしの方の場合、生存確認という目的でもお役に立てると思います。訪問をしたら、半日以上1人で倒れられていたというケースもありますから。

患者本人や周囲の人との関係性構築が訪問診療の醍醐味

高齢者の訪問診療ではどんなことにやりがいを感じますか?

岡森一眞院長 三国ヶ丘リコリス歯科3

祖父のように食べられなかった高齢者の方が食べられるようになって、笑顔を見せてくれたなら、やりがいを感じますね。訪問歯科診療では、口腔内のケアや入れ歯の調整だけをしているところも多いのですが、私は患者さんが口で食事をできるよう、一緒に向き合って可能な限りのことをするのが訪問歯科診療の役割だと考えています。そのため、お口のケアだけでなく、かかりつけの医師とも相談しながら体操などのリハビリテーションをすることもあります。もし、何年も自分の口で食べられなかった患者さんが、リハビリテーションを頑張られて、ゼリーを口にされ、とびきりの笑顔を見せてくれたなら「歯科医師をやっていて良かったな」と心から思えるでしょうね。

喜ぶ患者さんの顔が想像できる気がします。訪問歯科診療ではどんなことを大切にされているのですか?

ご本人だけでなく、ご家族やケアマネジャーさん、看護師さんとのコミュニケーションや信頼関係を大切にすることです。訪問歯科診療と外来の最も大きな違いは、患者さん以外に意思疎通を図らなければならない方がいることだと思うんです。外来の場合は、ご本人にご納得いただければ良いのですが、訪問歯科診療ではそうはいきません。ご家族の考えもありますし、ケアマネジャーさんや看護師さんに協力をお願いしなければならない場面もあります。ご本人以外の方とも相談しなければならない分、スムーズにいかないこともありますが、お互いに腹を割って話すうちに信頼関係が築かれていきます。それが楽しく、やりがいの一つでもあります。

先生は障害者向けの訪問歯科診療もされているとか。そこで気をつけていることはありますか?

岡森一眞院長 三国ヶ丘リコリス歯科4

やはりコミュニケーションですね。高齢者もそうですが、訪問歯科診療は基本的に長いお付き合いになるので、ご本人はもちろん、施設のスタッフさんとの人間関係も大切にしています。ご本人に対しては、反応を見ながら適切な距離を探るようにしています。どんな方でもそうだと思いますが、年齢や性格、知り合ってからの時間によって心地良く感じる距離が違いますよね。そこをうまく量って、時間をかけて関係性を築けたならうれしいですね。私の訪問歯科診療の日をイベントのように捉えて、楽しみにしてもらえるような関係になれたら、と思っています。

外来でも患者一人ひとりと向き合うことを大切に

温かみを感じる診療ですね。訪問歯科診療の利用を検討すべきタイミングを教えてください。

岡森一眞院長 三国ヶ丘リコリス歯科5

訪問する分、費用はどうしても外来よりも高くなりますが、すべて保険診療です。3割負担なら1万円以上かかる場合も多くなりますが、65歳以上だと1割か2割負担となるので、もう少し抑えられると思います。体が不自由だったり、一人暮らしをされていたりする高齢者がいるご家族には、ぜひ積極的に検討していただきたいところです。先ほどもお伝えしましたが、特に問題がないように見えていても、何らかのトラブルがある方がほとんどだと思います。まずは軽い気持ちで受けていただければと思います。また、精神疾患を患われている方も、お口の中が大変な状態になっているにもかかわらず、長期間、診療を受けていないケースが多いものです。虫歯などで本人が痛がらない限り、ご家族が歯科医師に問い合わせることも少ないでしょう。訪問歯科診療という手段で予防できることをぜひ知っておいていただきたいです。

外来にはどんな患者さんが多いのですか? また、心がけていることは何ですか?

前の院長が診ておられた患者さんを引き継いでいることもあり、60代以上の方が多くいらっしゃいます。新規で来てくださっている方の中には、この辺りに引っ越して来られた20代や30代の方の他、学生さんもいますね。外来では、患者さんご本人が納得した上で治療を進めることを大切にしています。中には患者さん一人あたりにかける時間を15分から30分程度としているケースも多いと思いますが、私の場合は1時間ほどかけてゆっくり診ます。訪問診療に慣れているせいか、患者さん一人ひとりとじっくりお話しして、しっかり向き合いたいんです。自費診療をされる方の場合は特に納得してもらえるまで付き合います。打ち解けた話もするほうだと思いますし、駄目なものは駄目とお伝えしますので、何でもご相談いただけたら。もちろん皆さんも、嫌なことは嫌と率直におっしゃってくださいね。

最後に今後の抱負や患者さんへメッセージをお願いします。

岡森一眞院長 三国ヶ丘リコリス歯科6

今後は訪問歯科診療をもっと増やしていきたいところです。現在は、火曜日を訪問診療の日としていますが、将来的にはもう少し増えるかもしれません。その場合は、歯科医師や歯科衛生士を増やそうと考えていますし、今来てくださっている患者さんがお困りになるような状況にはしませんので、ご安心ください。訪問歯科診療でも外来でも患者さんやご家族、周りの方々との関係を大切に、今後も診療していきたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

セラミック治療/5万円~、矯正治療/50万円~、ホワイトニング/2万円~

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