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寺澤 勝彦 院長の独自取材記事

テラクリニック

(札幌市北区/さっぽろ駅)

最終更新日:2025/05/26

寺澤勝彦院長 テラクリニック main

札幌市営地下鉄南北線さっぽろ駅直結のビルに、2024年9月に開業した「テラクリニック」。同院の寺澤勝彦院長は産婦人科の医師として30年以上のキャリアを有し、女性が抱えるさまざまな健康問題に向き合ってきた。自身にバスケットボールの経験があることなどからスポーツへの造詣も深く、同院では女性アスリートに対するスポーツ医学を取り入れたサポートも実施。エイジングケアを考慮した診療で女性の健康寿命の延伸をめざすなど、新しいスタイルの婦人科診療を行っている。北海道産婦人科医会の副会長も務める寺澤院長だが、説明が丁寧で親しみやすく、気軽に相談できる雰囲気がある。インタビューではその診療スタイルなどについて詳しく話を聞いた。

(取材日2025年3月7日)

女性の生涯の健康を多角的なアプローチで支える

産婦人科の医師になろうと思ったきっかけや、こちらを開業なさったきっかけについてお聞かせください。

寺澤勝彦院長 テラクリニック1

漠然と外科系に進みたいと思っていたので、脳神経外科で勉強していたこともあったんですよ。ただ、厳しい状態で運ばれてくる患者さんが多くて、元気に退院していく姿を見ることはあまりなかったんです。学生だった僕はそれで気持ちが滅入ってしまいました。一方で産婦人科の雰囲気は明るかったんですね。「おめでとうございます」とお見送りできたことに感動して、この道に進むことを決めました。卒業後の約10年は各地の病院でがんの手術などにも数多く携わり、2005年に開業した札幌市西区の産婦人科医院では約20年間、分娩対応まで全力で取り組みました。そうした経験の中で感じたのは、女性特有の心身のトラブルに社会の理解がまだ追いついていないということです。誰にも相談できずに我慢している女性が非常に多い。それで、培ってきた経験や知識を総動員した新しいスタイルのクリニックを立ち上げようと思い、2024年に新規開業しました。

診療の特徴や、患者さんの主訴について教えてください。

当院では、若年期から老年期まで、女性の身に起こるさまざまな不調についてトータルに対応しています。婦人科医院として従来の治療に対応しているのはもちろん、女性が生涯にわたって健康に過ごせるようにスポーツ医学やエイジングケアの観点からもアプローチを行い、多角的に治療・サポートをしているのが当院の特徴です。10代や20代の方に多いトラブルとしては、PMS(月経前症候群)が挙げられます。生理の数日前から現れる心身の不調で、身体的な症状だけでなく、集中力の低下・感情の起伏が激しくなるなどの精神的な症状があると、対人関係のトラブルにまで発展することがあり、悩んでいる方は少なくありません。また、生理のせいで試験やスポーツで本領を発揮できず悩む方も多いです。

具体的にどのような治療を行っていますか?

寺澤勝彦院長 テラクリニック2

まずは、どの患者さんに対してもお話をよく聞いて、治療法は相談しながら決めていきます。PMSの患者さんには、主に低用量ピルでの治療を提案しています。また、症状の軽減を目的に、漢方薬の処方や日常生活の過ごし方、食生活のアドバイスも合わせて実施し、トータルで改善をめざしていくのが診療の流れです。注意してほしいことは、スポーツをしている女性は特にエネルギーの消費量が多く、栄養不足になりがちで、貧血や疲労感につながりやすいということです。男性指導者のもとでなかなか理解を得られず、不適切な食事制限や練習を行うことで、かえって持久力や反応速度が低下しまうこともありますし、疲労骨折などのケガにつながるケースもあります。当院ではこうした女性アスリート特有の健康リスクに対して、スポーツ医学の視点から適切な練習法や月経周期に合わせた筋力トレーニング法、ケガの予防策などをアドバイスしています。

性の悩みから更年期のトラブルまで気軽に相談できる

若年層の性の悩みについても相談に応じていらっしゃるそうですね。

寺澤勝彦院長 テラクリニック3

ホームページには「彼氏の悩み」と記載していますが、パートナーが避妊に協力的でないことを悩んでいる女性はたくさんいるんですね。はっきりNOと言えなくて、性病にかかってしまう、望まない妊娠をして人工妊娠中絶を選択せざるを得ない状況になってしまうこともあります。だからこそ僕がまず伝えたいのは、「ご自分の体を守ることを第一に考えましょう」ということです。場合によっては、彼氏に黙ってピルを飲むというのも一つの方法です。性病に関しては両者にリスクがあるので、パートナーとよく話すことも大切ですね。また、子宮頸がんワクチンの啓発にも力を入れていますので、接種に不安がある方は遠慮なく相談にいらしてください。

更年期障害についても詳しく教えてください。

主に45歳から55歳くらいの、閉経を中心にした10年程度の期間を更年期といいます。女性ホルモンが急激に減少することで、この時期の女性の体にはさまざまな変化が起こるんですね。また主に40代の方で、完全な更年期には至っていないものの、ホルモンの値が上がったり下がったりすることを繰り返す時期を、当院では「ゆらぎの時間」と呼んでいます。体調の変動が多く、つらいと感じる方もいます。更年期の症状としては、代表的なものにのぼせや発汗といった「ホットフラッシュ」があり、他にも睡眠障害や手指のこわばり、関節の痛み、コレステロール値の急上昇など、人によって症状は多種多様です。またこの時期には社会的な責任も増えるため、心に不調を来す方も少なくありません。こうした症状が重いケースを「更年期障害」と呼び、早めの治療をお勧めしています。

更年期にはどのように向き合っていけば良いでしょうか?

寺澤勝彦院長 テラクリニック4

人生100年時代ですから、50歳は折り返し地点に過ぎません。逆に言うと、その後の長い人生をいかに健康的に生きるかがとても大切です。ですから、この時期をぜひ「第2の人生のスタート」として捉えていただき、ご自身の健康状態を見直す良い機会にしてほしいんですね。人生100年とはいえ、動けなくなったり寝たきりになったりして過ごすのは悲しいものです。「健康寿命」という言い方をしますが、できれば最後まで元気に人生を楽しみたいですよね。当院では、更年期の諸症状に対してホルモン補充療法や漢方薬での治療など、お一人お一人の体質に合わせて多角的に治療を進めていきます。ホルモン補充療法は、骨粗しょう症や心血管疾患のリスク減少にもつながるなど、エイジングケアの一環としても広く使用されているんですよ。

豊富な知識と経験を生かし、社会貢献をめざす

診療において、やりがいを感じたことやうれしかったことはありますか?

寺澤勝彦院長 テラクリニック5

当院では初期~中期の妊婦健診を行っていますが、赤ちゃんの小さな心臓が動いているのを確認できたときは本当にうれしいですね。そういうときはただ見せて終わりではなくて、時間をなるべく長く取って何度もお母さんにお見せするようにしているんです。皆さんが喜んでくれたらと思いますし、喜んでいる姿を見ることができたら僕もうれしいですからね。それからやっぱり、患者さんから感謝の言葉をいただいたときは産婦人科医になって良かったなと思いますね。

クリニックとしての今後の展望についてお聞かせください。

当院では女性アスリートたちに、婦人科とスポーツ医学の観点から専門的なアドバイスを行っていますが、今後は整形外科の先生をはじめ、地域医療を担うさまざまな診療科の先生方ともタッグを組んで、この取り組みを広げていきたいと思っています。また、各競技の指導者にも理解をしていただけるよう動いていく必要があります。産婦人科医として培った知識や経験をそのような形で少しでも社会に還元していけたらうれしいですね。また、エイジングケアの要素を婦人科の治療に積極的に取り入れ、女性の健康寿命増進に貢献できたらと考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

寺澤勝彦院長 テラクリニック6

気になる症状があったときにインターネットで調べることは決して悪いことではありませんし、知識として備えておくことは良いことです。しかし、自分に当てはまる症状を見つけたときに「これだ!」と思い込んでしまいがちなので、その点には気をつけてくださいね。生理の悩み、性に関する悩み、妊娠や出産についての相談、更年期や老年期のことなど、困ったときは自己判断せずにぜひ気軽に、早めにご相談にいらしてください。「もし自分の母、妻、娘だったら」という思いで親身に対応してまいります。

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