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大茂 壽久 院長の独自取材記事

北九州整形外科・手の外科クリニック

(北九州市八幡西区/永犬丸駅)

最終更新日:2025/05/09

大茂壽久院長 北九州整形外科・手の外科クリニック main

「なぜか、生まれてからずっと手にしか興味がなかったんですよね」。整形外科、中でも手の分野を専門に研鑽を積んできた理由について、困ったような笑みを浮かべながら話してくれたのは、「北九州整形外科・手の外科クリニック」で院長を務める大茂壽久先生だ。幼い頃から手の模型など心を惹きつけられるのは手に関するものばかりで、その関心は一切ぶれることなく、職業を考えた時に真っ先に頭に浮かんだのが医師だったそう。産業医科大学卒業後、迷わず整形外科に入局し、手を専門にキャリアを重ね、2025年2月同院を開院。クリニックでありながら、対応可能な日帰り手術も多く、他の分野に長けた医師も複数在籍。診療、手術、リハビリテーションまで一貫して行える同院で指揮を執る大茂院長に、これまでを振り返ってもらいながら話を聞いた。

(取材日2025年3月15日)

心惹かれる「手」を専門にキャリアを重ねた30年

院長は小さな頃から医師になりたいと思われていたのですか?

大茂壽久院長 北九州整形外科・手の外科クリニック1

思っていましたね。私は鹿児島の枕崎市という自然が豊かな所で育ったのですが、なぜか子どもの頃から手の手術がしたいと思っていたんです。というか、生まれてからずっと手にしか興味がない人生。心を惹かれるものは手ばかりで、図工の授業でも手の模型とか作っていましたし、陶芸でも手の形を作っていました。将来は医師になりたいというよりも、手の手術をするんだろうなと思っていて。何かきっかけがあったとかではなく、遺伝子の中に刷り込まれていたのか、自分でもなぜここまで手に興味があるのかいまだにわからないんですよ。でも、それを職業にできたことは幸せなことだなと思います。だから、苦手なことを克服するよりも好きなことを極めていけば、それが職業となり幸せな日々にもつながるということを今のお子さんたちに伝えたいです。

まさに天職ですね。

ええ、一切ぶれずにこの道に進みましたので。診療科もいろいろ回りましたが、手を診る診療科は整形外科だったのでそこ一択。今まで手の分野を専門にキャリアを重ねてきましたが、臨床に入ってすぐの頃から、すでに手術に関しても、ここはこうだな、この場合はこうしたほうがいいなど、想像がつくことばかりだったんです。それまでずっと手にしか興味がありませんでしたので、何をするにもとっつきやすいんですよね。前世も前々世も手の医師だったんじゃないかと思うほど(笑)。だから苦に感じることは一度もありませんでした。大学卒業後は主に四国を中心とした労災病院で10年程勤務し、大学病院での助手などを経て開院しましたので、もう30年ほど手ばかり診ています。

手の分野の中でも得意な治療というのはおありなのでしょうか?

大茂壽久院長 北九州整形外科・手の外科クリニック2

それが実はないんです。手に関する疾患は神経も骨も外傷も満遍なく得意。ですので、患者さんも子どもから大人まで幅広いですよ。手の手術もさまざまな疾患を担当させてもらいました。特に多かったのは骨折や外傷。指が切断された患者さんの手術も最初から平常心を保ちながら集中して行うことができていたので、任せてもらえることが多かったです。医師としては30年ですが、手に関しては生まれてから55年間ずっと興味を持っていましたし、いまだその熱は尽きません(笑)。手というのは生活する上で何をするにしても密接に関わるものだから、困っている方が少しでも快適に暮らせるようにという想いもそうさせてくれているのかもしれません。いかに本来の機能、あるべき姿に戻せるかというのは、自分の中でのモチベーションになっています。

診療、手術、リハビリテーションまで、一貫した環境を

では、大学病院を離れ開院に至った経緯というのは?

大茂壽久院長 北九州整形外科・手の外科クリニック3

そろそろ大きな組織から離れて、自分の城を構えたくなったんですよね。ありがたいことに、気の合う仲間も集まってくれて。私は肘から下の手が専門ですから、それ以外の肩、腰、股関節、膝、脊椎などを専門とする先生方が手伝ってくださることに。なので、大好きな仲間と一緒に、外来、手術、リハビリテーションまで一貫して診ることができる環境が整いました。診療も専門ごとに担当。私は手が専門ですが、他の領域も各分野の専門家ばかりですので、安心していらしてください。

クリニックでここまでさまざまな疾患の日帰り手術ができることに驚いている患者さんも多いのでは?

ええ、2月に開院したばかりなのですが、手術はすでに1ヵ月先まで予約で埋まっています。当院では、三角線維軟骨複合体損傷、腱鞘炎、手根管症候群、ガングリオン摘出、母指CM関節症、変形性手関節症、腱・神経断裂、手指の骨折、伸筋腱脱臼など、対応可能な手術はかなり多いほうだと思います。ここまで対応できるのは、麻酔科の先生が来てくださっているから。おかげで手術に専念することができます。手は出血量が比較的少ないのでトラブルが起こりにくいというメリットも日帰り手術を実施しやすい点。手の外科を専門にしている医師はまだ多くはないので、私はこの分野で貢献できればと思っています。

スタッフさんや患者さんの特徴についても教えてください。

大茂壽久院長 北九州整形外科・手の外科クリニック4

スタッフはみんな明るくて一緒に仕事をしたいと思える人ばかり。同じモチベーションで取り組んでくれていますし、情報共有もしてくれ、連携もしっかり取れています。ありがたいですね。リハビリテーションに関しては理学療法士・作業療法士とも連携して症状の改善をめざします。手の外科は閉経後の女性患者さんが多いという特徴があるんですね。そのため、7割くらいは女性の患者さんです。現段階では患者さんの8割くらいが手の外科の患者さんであることからも、当院のホームページなどを見てくださった方、知り合いに聞いてという方、あとは病院からの紹介で来院される患者さんも多くいらっしゃいます。

手の症状は全身の異常を教えてくれる大事なサイン

閉経後の女性の場合、どのような主訴での受診が多いですか?

大茂壽久院長 北九州整形外科・手の外科クリニック5

手の関節の痛み、しびれが特に多いですね。その一番の要因はエストロゲンという女性ホルモンの減少。そのため、血液検査、エックス線、エコー検査を実施し、原因をしっかりと突き止めるようにしています。要因は一つでないことも多々ありますので、一つ一つキャッチし、それぞれにアプローチしていきます。服薬、注射、手術、リハビリテーションというように、アプローチ法もさまざま。手のしびれに関する手術で多いのは手根管症候群。これは手首から手の中にある正中神経が何らかの原因で圧迫されて、しびれや痛みが起こる疾患です。生活指導や服薬で改善が図れない場合は、正中神経を開放するための日帰り手術を実施します。

生活習慣の改善をめざすアプローチも行われるのですね。

というのが、血圧や脂質の値、運動な不足など生活習慣によって悪化する場合もありますので、糖尿病のチェックしかり、内科的な方向から改善を試みることも。このように、手の症状であっても全身に関わってくることも少なくありません。逆に、全身のトラブルが手の症状として出るとも言えます。そのため、全身のトラブルを一つ一つ解決していくことが重要。5年後、10年後に重篤な疾患を引き起こす可能性も高まりますから。例えば脂質が高いと血管への悪影響も出ますので心電図検査を行い、場合によってはより専門的な検査を行うことも。また、アミロイドという異常蛋白質が脳、心臓、腎臓、消化器、神経などに機能障害を起こす原因となることもあり、それが疑われる場合は徹底的に調べています。このように、手は全身の異常を教えてくれるサイン。放っておくと、その後の生活が大きく変わってきますので、将来の健康を守るためにも早期改善をめざします。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

大茂壽久院長 北九州整形外科・手の外科クリニック6

更年期だから、老化だからと、不調をそのままにしたり、諦めたりしないでください。老化は進化。さらなる人生を快適に過ごすために進化し続けていると思っていただきたいなと思います。さまざまな診療科へのパイプもありますので、必要な場合は適した機関へすぐにおつなぎいたします。手首の骨折など、手からわかる骨粗しょう症も多いんです。でも骨折する前にわかれば予防につなげることもできますので、しかるべき検査、処置を行い、10年間要観察でフォローを続けます。クリニックのメリットはずっと寄り添い続けられること。私は手を診るという好きなことをやらせてもらっていますので、患者さんに恩恵の多い治療を。とはいえ、まだ解明されていないことや、わからないこともたくさんありますので、今世で間に合わなければ、来世で頑張ろうと思います(笑)。

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