杉浦 俊彦 院長、杉浦 百合子 さんの独自取材記事
なの花おとなこども歯科
(名古屋市西区/上小田井駅)
最終更新日:2025/04/22

名古屋市西区の商業施設2階に「なの花おとなこども歯科」はある。2025年1月に開業したばかりの同院は、新しさの中にもぬくもりにあふれ、どの世代も来院しやすい雰囲気が広がっている。予防に注力する杉浦俊彦院長とともに、妻で歯科衛生士の杉浦百合子さんも、歯が生える前からできる口のトレーニングなどを担当。2人とも患者の気持ちに寄り添った丁寧な診療を心がけている。「すべての前提には、一生自分の歯で過ごしてほしいという思いがあります」と、優しくもまっすぐに語る俊彦院長。花のような人生を送ってもらいたいという思いから名づけたという院名は、2人の包み込むような優しさや温かい人柄を象徴しているようだ。そんな俊彦院長と百合子さんに、開業の経緯やこれまでの経験、診療の際の心がけなど、多くの話を聞いた。
(取材日2025年2月25日)
オーダーメイドの予防計画で、自分の歯を守ってほしい
開業の経緯を教えてください。

【俊彦院長】いつか開業したいとは思っていました。良い場所があればと探していたのですが、できればテナントでと考えていました。この場所はスーパーの2階にあって、内科なども入っているクリニックモールでもあり、医科との連携を考えていると非常にありがたい場所でした。また、ずっと通うことを考えると、自宅から通いやすく、土地勘がある場所でとも思っていました。ですので、ぜひここで開業したいと決めました。
すてきな院内ですが、どんなこだわりが詰まっていますか?
【俊彦院長】患者さんが話しやすいように、絶対に個室の診療室にしたいと考えていたのですよ。また、お子さんからご高齢の方にまで、すべての世代の方に安心していただける雰囲気を大切にしたかったので、内装は温かい木目調にしました。
【百合子さん】お子さんに「歯医者さんは怖くないんだよ」ということが伝わるように、楽しくお越しいただける空間をつくりたかったんですね。そのため、待合室のキッズスペースを広めにつくり、お子さんと一緒に診療できるファミリールームも配備しました。ファミリールームの中にある壁面にくっつける遊び道具は、以前別の遊び場でどの年齢の子も一緒になって打ち込んで遊んでいる姿を見かけて、ぜひ当院でも取り入れたいと思ったんです。工務店さんにも手を加えてもらって、イメージを形にしました。
どのような患者さんが多くお越しになっていますか?

【俊彦院長】家族連れの方が多いですね。ご高齢の方も多く、今まで通っていた所が遠いから、近くにできてありがたいとおっしゃってくださいます。お声を聞く限りですが、皆さん困られていたのかもしれないなと感じますね。来院の目的としては、定期検診やクリーニングの方が大半です。忙しくて歯科医院に足が遠のきがちな働き世代の方にもぜひ、気軽にお越しいただきたいですね。生まれたばかりのお子さんからご高齢の方まで、幅広くお越しになっていただけたらと思っています。
虫歯の原因を探り、口の土台をつくり、健康へ
お二人はこれまでどのような経験を積んでこられたのでしょうか?

【俊彦院長】同期の中では一番遅いくらいの開業ですが、その分長く勤務医として歯科医院に勤務でき、私が担当した患者さんの治療経過を見ることができたので、そういった経験ができたのは一番大きかったですね。開業直前に勤めていた所の院内は内装のデザインから機能的な部分まで雰囲気が良くて、当院をつくる際の参考になりました。治療に関しては、本当に幅広くさまざまな経験を積んできましたので、どんな年齢の方であっても柔軟に対応できると思っています。
百合子さんはいかがですか?
【百合子さん】専門学校を卒業後に勤めた歯科医院は、予防歯科に注力していたんですね。担当制で受け持ちの患者さんをメンテナンスしていくのですが、予防が重要だと捉えている歯科医院はまだ少ない時代で、先端の取り組みをしていたと思います。唾液検査をして虫歯の原因を調べ、メンテナンスでお口の状態をキープするというシステムが整っていたんです。担当制だったおかげで患者さんとの関係性も築けて、お口の環境の変化過程も知れましたので、やりがいも大きかったです。次に勤めた所は歯周病に力を入れており、歯石の取り方やエックス線画像の診断方法などを学びました。また、小児のお口周りの予防矯正にも注力していましたので、そのトレーニングなども学びました。
特に予防に注力されていると伺いました。

【俊彦院長】例えば、歯茎近くを削る必要があった場合、歯茎に炎症があるとすぐに出血するんですね。なので、歯周病のケアを先に行うことで、出血の改善を図ります。きれいな型採りや精度の良い詰め物ができることにもつながります。つまり、予防は土台づくりであるということなんです。どんなに腕が良い歯科医師でも歯と人工物には隙間ができるので、虫歯の原因から考えていかないと、また虫歯になる可能性が高いのです。もし、再治療する場合にはさらに大きく削る必要があり、その繰り返しです。それを食い止めるために、原因を調べるために唾液検査を行って、オーダーメイドの予防の計画を立てていきます。そして、衛生状態を保つためにクリーニングを行い、並行してご自身でのブラッシングも行ってもらうようサポートしていきます。
お子さんの歯並びに関して、さまざまな取り組みをされていますね。
【百合子さん】良い歯並びを作る土台づくりのために、歯が生える前からやれることはたくさんあると考えています。例えば、鼻呼吸に移行させるために、遊びを取り入れながら舌のトレーニングなどをして、お口周りの筋肉の発達を促します。また、ベビーマッサージという形で、お口に触れられるきっかけづくりにも取り組んでいます。離乳食を始めるタイミングや食事を与える時の角度、エプロンの選び方などもセミナーでお伝えしているんです。私自身、子どもが生まれた際に子育てサロンによく足を運んでいたのですが、そこでママ友ができたり、子育てに関する有益な情報を共有してもらったりして、とても助けられたんですね。その経験があるので、地域のコミュニティーの一つになったらいいなという思いもあります。
相談しやすいハードルの低い歯科医院でありたい
診療時に大切にしていることは何でしょうか?

【俊彦院長】当然のことですが、説明をきちんとすること。これに尽きますね。何をされているのかがわかるように、丁寧な説明を心がけています。また、お話しする際は患者さんのそばで、目を見て話すようにしています。患者さんが疑問に思っていそうだなという雰囲気がすぐに感じ取れるように、表情を見て、気になったらこちらから突っ込んで聞いてみる、ということもします。そうすると、患者さんも心を開いてお話ししてくださることが多いと感じています。患者さんにいかに納得して治療を受けていただけるかが、大切だと考えているんですね。きっと、患者さんは緊張されていると思いますので、歯の話だけではなく世間話なども交えて、よくお話しすることも大切にしています。
スタッフに心がけてもらっていることはありますか?
【百合子さん】スタッフは皆、私たちが何も言わなくても進んで患者さんとよくコミュニケーションを取ってくれているんです。スタッフと患者さんとで、会話が盛り上がっていることもあるんですよ。自分からやるべきことを探して仕事をしてくれる方ばかりで、本当にありがたいと思っています。私たちが引っ張りながら、時には引っ張ってもらいながら、全員で助け合って患者さんをサポートしています。また、当院には保育士や管理栄養士の資格を持ったスタッフも在籍していて、管理栄養士のスタッフには関しては栄養指導も今後お任せしたいと思っています。
今後の展望と読者にメッセージをお願いします。

【俊彦院長】地域の皆さんに一生涯自分の歯で過ごしてほしいという思いがありますので、予防歯科を推し進めて、健康な体を育てていきたいですね。定期的にメンテナンスすることのメリットをお伝えするとともに、年齢による口内環境の変化も必ず起こってきますので、伝えることは都度きちんと伝えて、メンテナンスを継続していただくという流れをつくっていきたいと思っています。幅広く口の健康のお手伝いができればうれしいです。まずは相談だけ、お掃除だけでもいいんです。何かきっかけがないと行きにくいと思っている方は多いですが、きっかけがなくても来ていただけたらと思っています。歯科医院から遠ざかっている方は、ぜひお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/45万円~ ホームホワイトニング/3万8500円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。