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不安は人間に備わった本能
メカニズムを知り適切なコントロールを

渋谷駅前メンタルクリニック

(渋谷区/渋谷駅)

最終更新日:2025/03/03

渋谷駅前メンタルクリニック 不安は人間に備わった本能 メカニズムを知り適切なコントロールを 渋谷駅前メンタルクリニック 不安は人間に備わった本能 メカニズムを知り適切なコントロールを
  • 保険診療

人間を含めた動物には、本能的に「不安」を感じる力が備わっている。危険を回避するために必要な能力だが、これが過度になると日常生活に影響を及ぼしかねない。例えば人前で極度の不安と緊張を感じたり、次々に心配事が浮かんだり、強い不安から呼吸困難を感じたりと、これらは「不安障害」から起こる症状だ。強い不安は交感神経の過緊張を引き起こし、めまい・動悸・呼吸困難など体にも影響が現れる。命に関わるものではないのだが、「死んでしまうのではないか」という強い恐怖を感じることもあるそうだ。今回は「渋谷駅前メンタルクリニック」の唐渡雅行院長に、不安障害の症状や治療、またうつ病との関連性についても教えてもらった。

(取材日2025年2月5日)

不安や恐怖心から生活に支障を来す状態が「不安障害」。そのメカニズムを知り、不安と上手な付き合いを

Q不安障害とはどのようなものですか?
A
渋谷駅前メンタルクリニック 渋谷駅から徒歩3分ほどの場所にある

▲渋谷駅から徒歩3分ほどの場所にある

日常生活の中で過度な不安を感じ、生活に支障を来す状態である場合に「不安障害」と診断します。他人と関わる場面で症状が出る社会不安障害、突然に強い恐怖や身体症状が現れるパニック障害、いつも不安にとらわれてしまう全般性不安障害などいくつかに分類され、発作の引き金や心身への影響は少しずつ異なります。不安というのは人間を含めた動物全般に備わった本能であり、程度の差はあれ誰でも持っているもの。それが強すぎると日常生活が困難になり、治療が必要になるのです。また「手が汚れているかもしれない」などの強迫観念が消えず、それを打ち消すために何度も手を洗ってしまうような強迫性障害という病気もあります。

Q体にはどのような症状が現れますか?
A
渋谷駅前メンタルクリニック 身体に出る症状についても注意が必要

▲身体に出る症状についても注意が必要

強い不安を感じると交感神経が過緊張を起こします。例えばパニック障害ではめまい・動悸・呼吸困難などの発作が起こり、一度そのような症状が起きると「また同じ発作が起きるのではないか」と予期不安を感じるようになります。それもまた交感神経を緊張させ、息苦しくなって体が震えたり、手足のしびれを感じたりすることも。「死んでしまうのではないか」という強い恐怖を感じ、ご本人はとてもつらい思いをされますが、これらの発作が命に関わることはありません。通常は20~30分ほどで治まりますから、そのことをよく理解して、「発作が起きそうだな」と思ったら慌てずに落ち着いて深呼吸をしてみてください。

Q不安障害の原因は何でしょうか?
A
渋谷駅前メンタルクリニック 生活背景やパーソナルな部分も丁寧にヒアリング行っていく

▲生活背景やパーソナルな部分も丁寧にヒアリング行っていく

もともとの性格や体の状態、神経伝達物質の一つであるセロトニンに関わる遺伝的な要因、ストレスの多い生活環境や幼少期の体験、またホルモンバランスの乱れなど、不安障害はさまざまな要因が絡み合って起こるもの。その方自身のベースがあり、そこに環境が影響するということですね。ただ、元から神経質な性格で多少不安を感じやすかったとしても、人間関係や社会生活に影響が出ていないのならば「不安障害だ」と決めつける必要はないと思います。生活に支障を来していたり、ご本人が苦痛を感じていたりするならば、医療的な介入が必要となるという認識です。

Q不安障害の治療はどのように進めるのでしょうか?
A
渋谷駅前メンタルクリニック 患者の状態を踏まえた治療を進める

▲患者の状態を踏まえた治療を進める

症状によって多少異なりますが、薬物療法と認知行動療法を中心として治療を進めます。不安障害もうつ病もセロトニンの低下という共通の要因があるため、どちらにも作用するような薬を選択することもあり得ますね。服用期間は一概には言えませんが、当院では出口を考えながら処方を行う方針です。認知行動療法の目的は、病気のメカニズムを理解して対応力を養うこと。不安は動物にとっての本能ですから、まったくのゼロにはなりません。日常生活に支障が出ない程度に不安感の抑制を図りつつ、「不安」と上手に付き合っていけるような生活スタイルを考えていきます。

Qうつ病との違いや関連性について教えてください。
A
渋谷駅前メンタルクリニック 複数の疾患が合併することも。早めに医療機関の受診を

▲複数の疾患が合併することも。早めに医療機関の受診を

うつ病とは、気分の落ち込みが長く続き、物事への興味や意欲が薄れ、無価値感や罪責感を感じる病気です。こちらも複数の要因が組み合わさって発症するもので、セロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミンといった神経伝達物質の低下が関係することがわかっています。実は不安障害とうつ病はしばしば合併します。どちらか一方だけを発症するケースは珍しいくらいなんですよ。また先ほど不安障害をいくつかに分類しましたが、社会不安障害とパニック障害に加えてうつ病など、複数を合併することも多いです。メンタルの病気は総合的に診ることが大切だといえます。

ドクターからのメッセージ

唐渡 雅行院長

不安は必ずしも悪いことではありませんから、あまり深刻に考えすぎずに症状に向き合ってほしいと思います。そして一人で抱え込まないこと。不安障害は周囲から「ただの心配性」と捉えられやすく、治療が遅れるケースも少なくありません。ですが放置すると不安が慢性化して固まってしまい、治療に時間を要することがあるんです。不安が大きすぎると感じたら早めに受診して、まずはそのメカニズムを知り、適切な治療を受けてください。焦らずにゆっくりと進んでいけば、きっと共生できる日が来るでしょう。

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