全国のドクター13,621人の想いを取材
クリニック・病院 157,058件の情報を掲載(2025年5月01日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 愛媛県
  3. 松山市
  4. 松山市駅
  5. KAZU CLINIC
  6. 森実 和樹 院長

森実 和樹 院長の独自取材記事

KAZU CLINIC

(松山市/松山市駅)

最終更新日:2025/02/10

森実和樹院長 KAZU CLINIC main

松山市駅からすぐの場所にある「KAZU CLINIC」は、2024年12月に開業したばかり。院長の森実和樹(もりざね・かずき)先生は、整形外科医として数多くの手術を経験してきた。そんな森実院長が選んだのが、変形性膝関節症に対する末梢神経ラジオ波焼灼療法である。これは、手術と保存的治療の中間に位置し、手術ではない方法で膝の痛みの軽減がめざせるため、手術が嫌で痛みを我慢している人や、高齢だからと治療を諦めている人を救える可能性が出てきた。「末梢神経ラジオ波焼灼療法に特化した完全予約制のクリニックにすることで、患者さん一人ひとりとじっくり向き合い、その人に合ったオーダーメイド治療を提供することができます」と語る森実院長に、末梢神経ラジオ波焼灼療法の特徴や受診の流れ、診療にかける思いなどを聞いた。

(取材日2024年12月25日)

末梢神経ラジオ波焼灼療法に特化したクリニック

医師をめざしたきっかけと、整形外科を選んだ理由を教えてください。

森実和樹院長 KAZU CLINIC1

進路に悩んだ高校生の時、かかりつけ医に話を聞きに行きました。そこで、医師の仕事の良い点などを伺ううち、いつの間にか医師を志していたんです。人の役に立てる仕事という点が何よりも魅力でした。医学部時代は、内科の医師になるつもりでしたが、愛媛生協病院で初期研修をしていた時、整形外科の医師が辞め、このままでは整形外科を閉じることになるかもしれなくなりました。「整形外科がなくなったら、患者さんはどうなるんだ」と言われ、「自分が整形外科医になることで、困る患者さんがいなくなるなら」と考え、挑戦することにしたんです。勉強するうち、どんどん面白くなっていきました。今では、その選択が良かったと思っています。

開業した理由を教えてください。

整形外科医になってからは、勤務医として研鑽を続けてきました。さまざまな手術を経験しましたが、年齢が高くなるにつれ管理職的な仕事が増えてきたんです。しかし、手術を続けられる道を選びたかったため、2018年に愛媛生協病院の副院長を辞め、フリーランスとして働く道を選びました。それから愛媛生協病院を中心に、スポーツ整形外科専門のクリニックなどで非常勤として治療にあたるようになったんです。ただ、そろそろ集大成として一つのことにフォーカスを当てたいと感じるようになりました。私はスポーツ医学やエコー検査などの画像を用いた治療を得意としていたため、変形性膝関節症に対する末梢神経ラジオ波焼灼療法に特化した完全予約制のクリニックを開業することにしました。一方、現在も愛媛生協病院に籍を置き、週に1度手術を担当しています。

なぜ治療内容を絞った完全予約制のクリニックにしようと思われたのですか?

森実和樹院長 KAZU CLINIC2

末梢神経ラジオ波焼灼療法について初めて知った時、非常に優れた治療法だと感じ、勤務していた病院で導入したところ、手術できない人や保存的治療を行っている人の多くが治療を希望されました。その結果、予約待ちの人の数が膨れ上がり、治療まで半年以上待つ必要がありました。とても片手間でやれなくなったため、本格的に取り組みたいと思ったんです。完全予約制にした理由は、末梢神経ラジオ波焼灼療法は時間がかかるからです。片膝で30分、両膝で1時間かかるので、予約なしだと診察時間内に終わらず、断らなければならないケースが出てくるんです。予約制にしたことによって、患者さんも長時間待つ必要がなく、買い物のついでに来院できるなど利便性が高いと思います。

手術をせずに膝の痛みの軽減をめざす

末梢神経ラジオ波焼灼療法とは、どのような治療なのでしょうか?

森実和樹院長 KAZU CLINIC3

膝関節の軟骨がすり減って骨が変形する変形性膝関節症に対して、2023年6月に保険適用された治療法です。ラジオ波で膝の神経を焼灼することにより、痛みの軽減をめざします。入院することなく治療できるため、高齢で手術ができない方や、手術を希望されない方にとっては、受けやすい治療といえます。今までは薬や注射、リハビリテーションなどで良くならない場合、手術しかありませんでしたが、この治療法によって痛みの軽減を望めるようになりました。いわば、手術と保存的治療の中間に位置する治療法です。膝の軟骨を再生させたり、曲がった膝を真っすぐにしたりはできませんし、痛みを完全になくすこともできませんが、痛みを減らすことでQOLの改善をめざすことができます。

末梢神経ラジオ波焼灼療法を受けるまでの流れを教えてください。

予約はウェブのほかに、電話でも受けつけています。ウェブ予約の際は、簡単な問診票に痛みの場所や治療歴を記載いただくことで診療がスムーズに進みます。当日は、問診で今の痛みをお聞きした後、テストをします。末梢神経ラジオ波焼灼療法は、痛みの程度や膝の状態などによって、治療後の変化に差が出るため、痛み止めの注射をして、痛みが緩和されるかを調べるんです。治療後すぐに階段の上り下りなどをしていただき、その時の状態を体感された上で、最終的に治療を行うかどうかを決めていただきます。事前にどの程度改善が見込めるかを体感できるのが、この治療法の良い点ですね。

先生はスポーツ医学にも精通されていると伺いました。

森実和樹院長 KAZU CLINIC4

整形外科医になってからは高齢者の治療が多く、スポーツに特化した診療をしてきたわけではないのですが、サッカー日本代表のチームドクターをしたこともある先輩が開業するため病院を辞め、その後を引き継ぐかたちでスポーツ医学を担当するようになったんです。以後、数多くのスポーツ選手のケガの予防や治療に携わってきました。その際、エコーやMRIなどの画像検査を利用して、筋肉や神経への注射治療などを行っていました。画像診断を用いた診断は末梢神経ラジオ波焼灼療法とも共通するので、スポーツ医学の経験は現在の診療に大きく役立っていると思います。また、私は大学時代にサッカーをしており、靱帯を切ったり、骨折をしたりといった大きなケガを経験しました。そのおかげで、患者さんの痛みに共感できるんです。

完全予約制で一人ひとりに向き合う丁寧な診療を実現

診療時に心がけていることを教えてください。

森実和樹院長 KAZU CLINIC5

医療機関によっては、エックス線やMRIを撮って、すぐ手術するといったケースもあると思いますが、私は診断結果だけで判断せず、患者さんの年齢、性格、仕事、趣味、希望などをしっかり聞いて、治療法を提案したり、アドバイスしたりするようにしています。その人に生活背景を大切にし、希望になるべく応えてあげられる診療をめざしているんです。「膝が良くなったら何をしたいですか?」と聞いて、山登りと答えた場合、それができるような治療をしなければ、その人の人生の一部を奪ってしまうことにもなりかねません。もちろん、末梢神経ラジオ波焼灼療法では改善が望めないと判断したら、適切な手術を行える医療機関を紹介します。

これから、どのようなクリニックにしていきたいとお考えですか?

病院に行くと手術を勧められ、それが嫌なので痛みを我慢している方や、高齢だからと治療を諦めている方が大勢いらっしゃると思います。その方たちの救いになるかもしれない末梢神経ラジオ波焼灼療法が、ようやく日本でも行われるようになりました。ただ、十分に周知されているとはいえません。膝が痛みに悩む方たちに対して、そうした治療があることや、手術をしなくても膝の痛みが軽減される可能性のあることをわかってもらえるようアピールしていきたいと考えています。それにはきちんとした治療を行い、安定した結果を出していくことが大切だと思います。また今後は、腰の痛み、手や足の関節症に悩む患者さんの治療にも力を入れていきたいと考えています。

読者へのメッセージをお願いします。

森実和樹院長 KAZU CLINIC6

末梢神経ラジオ波焼灼療法という新しい治療ができ、それによって痛みを軽減できる可能性が出てきました。なるべくなら手術は受けたくないという方、薬やリハビリテーションなど今の保存的治療では痛みが取れないという方は、ぜひ一度ご相談ください。きちんとお話を伺い、適切なアドバイスをさせていただきます。完全予約制なので、一人ひとりじっくりと診療することができる点が当院の特徴です。その上で、末梢神経ラジオ波焼灼療法をされても構いませんし、それ以外の治療を選択されても結構です。とにかく膝の痛みを諦めないでほしいですね。そのために当院を利用してくださるとうれしいです。

Access