近藤 強 院長の独自取材記事
きょうまちなかこころクリニック
(八幡浜市/八幡浜駅)
最終更新日:2025/02/10

家庭的で温かい雰囲気を大切にし、誰もが安心して相談できる場を提供する「きょうまちなかこころクリニック」。近藤強院長は地域に根差した心療内科・精神科クリニックとして、患者とのパートナーシップを重視し、個々の価値観や希望を尊重した治療方針での診療を実施。特に発達障害やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、児童虐待に関連する心のケアなど専門性の高い分野に注力している。また近藤院長はアメリカでの留学経験を生かし、外国人の患者にも対応可能な環境を整え、幅広い患者層に寄り添った医療を提供している。今回は、心と体の健康を支えるパートナーとして地域社会に貢献することをめざす近藤院長に、診療にかける想いや今後の展望についてインタビューを行った。
(取材日2024年12月18日)
温かさや調和を大切に、気軽に相談できる場所を提供
クリニックの名前やロゴマークにはどのような思いが込められているのでしょうか?

クリニックの名前「きょうまちなかこころクリニック」には、街中でいつでも心の健康を支える存在でありたいという願いを込めました。きょうという言葉には、院長である私の名前と今日という日常的な安心感の意味を重ねています。ロゴマークは、多世代が支え合う家族像をイメージしており、温かさや調和を表現しています。特に、昔ながらの家族団らんを思い起こさせるイメージを意識し、誰もが親しみを感じられるようデザインしました。もちろん、学校のことで悩んでいるお子さんや生きづらさを抱えている若者、お子さんのことが気になっている中高年の方まで幅広く診察可能です。
診療の際に心がけていることはどのようなことでしょうか?
診療では、患者さんとのパートナー関係を築くことを最も大切にしています。こちらからの一方的な指示や指導ではなく、患者さんの価値観や希望を尊重しながら治療方針をともに考える姿勢を常に心がけています。また、患者さん本人が自身の状況を正しく理解できるよう、丁寧な説明とコミュニケーションを重視しています。患者さんのご家族や支援者とも協力し、背景や生活状況を深く理解することで、より適切な治療を提供することを大切にしています。特に、患者さんが話しやすい環境をつくり、心の負担を軽減することを心がけています。こうした姿勢を通じて、患者さんにとって安心できる診療をめざしています。
先生が特に力を入れている診療についてお聞かせください。

ASDやADHDなどの発達障害やPTSDの治療に特に力を入れています。これらの患者さんは日常生活や社会との関わりで困難を抱えることが多く、特に子どもたちはご家族や地域社会からの支援が不可欠です。また、児童虐待や心に深い傷を負った患者さんにも対応しています。心理療法やカウンセリング、家族支援を通じて回復をめざしています。また、発達障害やPTSDの治療では、個別の症状や状況に合わせたオーダーメイドのアプローチを採用しています。地域の医療機関や学校とも連携し、患者さんが安心して生活できる環境づくりをサポートしています。
知識と経験を糧に患者に寄り添い続ける診療を
先生のご経歴と専門分野を教えてください。

私の出身は徳島県です。岡山大学医学部を卒業後、精神科医としてのキャリアをスタートしました。その後、千葉県市川市の旧国立精神神経センター国府台病院児童精神科での研修や、アメリカのロチェスター市のロチェスター大学医学部精神科家族療法学科への留学を経て、発達障害やPTSD、児童虐待に関する専門知識を深めました。特に子どもの発達障害や心のケアを専門とし、子どもから高齢者まで幅広い世代の患者さんに対応する経験を持っています。また、留学経験を生かし、外国人の患者さんにも対応可能な診療体制を整えています。長年の知識と経験を地域医療に還元し、患者さんの心の健康を支えることをめざしています。
印象深い患者さんとのエピソードを教えてください。
研修時代に担当した、虐待を受けて心に傷を負ったお子さんの治療が印象に残っています。その子は入院中に何度も自傷行為を試み、夜間に病院を抜け出すこともありました。その度に対応に奔走し、ご家族と衝突することもありましたが、最終的には、平穏な暮らしが送れるようになりました。その経験から、どんなに厳しい状況でも患者さんに寄り添い続けることの重要性を学びました。一生懸命取り組む姿勢が患者さんに響くこともあるという経験は、今でも私の医師としての指針となっています。
お休みの日はどのようにお過ごしでしょうか?

休日は、飼っている犬と猫とのんびり過ごすことが多いですね。犬は保護施設から引き取った雑種で、帰宅すると必ず出迎えてくれる姿が日々の癒やしとなっています。一方で猫は自由気ままな性格で、いつも家の中でマイペースにリラックスしています。飼い犬、飼い猫との時間は、忙しい日常の中で心を落ち着ける大切なひとときですね。また、自然の中での散歩や読書を楽しむことでリフレッシュし、次の診療に向けたエネルギーを充電することもあります。
地域とともに歩み、心の支えとなる存在をめざす
今後の目標や展望を教えてください。

今後は訪問診療をさらに充実させ、特に子育て中の家庭への支援を強化したいと考えています。具体的には、就学前の子どもを持つ家庭での子育て支援や心理教育を提供し、親子間の健全な関係をサポートする取り組みを進めたいと思っています。また、PTSDや発達障害の治療にも継続的に取り組み、地域社会の心の健康を支える存在であり続けたいと考えています。患者さん一人ひとりに寄り添った医療を提供し、地域に欠かせないクリニックとなることをめざしています。
地域の患者さんたちとこれからどんなふうに関わっていきたいですか?
地域に密着し、患者さん一人ひとりの背景や生活状況を深く理解した上で、適切な医療を提供していきたいと考えています。アメリカ・ロチェスター市での留学中に見た小さくて素朴な診療室の雰囲気を再現した落ち着ける診療室で、患者さんやそのご家族に気軽に相談していただけるよう環境を整えています。困難に直面している方々に手を差し伸べるクリニックであり続けたいです。地域の方々の心の支えとなる存在をめざしています。
読者の皆さんにメッセージをお願いします。

忙しい日々を送る中で、自分自身を大切にする時間を持つことは心の健康にとってとても重要です。誰にも相談できずに悩んでいる方は、ぜひ一度専門家に相談してみてください。考えすぎることを悪いと感じる必要はありません。それは大変な状況に直面している証拠です。「きょうまちなかこころクリニック」は、地域の皆さまが安心して訪れられる場所であり続けることをめざしています。一人で抱え込まず、気軽にお越しください。