藤巻 杏子 院長の独自取材記事
糖尿病・甲状腺 藤巻内科クリニック
(市川市/行徳駅)
最終更新日:2025/07/15

東京メトロ東西線・行徳駅から徒歩1分、アクセスの良い場所にある「糖尿病・甲状腺 藤巻内科クリニック」。糖尿病と甲状腺の疾患を専門とする藤巻杏子院長が2024年12月に開院、糖尿病治療や、橋本病、バセドウ病、甲状腺腫瘍など甲状腺疾患をはじめとして、各種検査、さらには健康診断や予防接種など、幅広く相談できるクリニックだ。糖尿病の治療には患者自身の食生活や運動など、生活習慣の改善が重要になるが、「だからこそ、患者さんの性格や経済的な状況などを理解して、最善の治療をめざすことが大切」と話す藤巻院長。クリニックの特徴や診療への思いなど詳しく話を聞いた。
(取材日2025年6月9日)
糖尿病・甲状腺を専門に、患者と信頼関係を築く
クリニックの特徴を教えてください。

私自身が糖尿病と甲状腺の疾患を専門としていますので、糖尿病の治療や、バセドウ病や橋本病、甲状腺腫瘍といった甲状腺の疾患を中心に診療しています。また、それら専門の疾患だけに特化したクリニックではなく、糖尿病とも深く関わる高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病、また風邪などの一般内科疾患、健康診断などにも対応しています。糖尿病の治療では、必然的に患者さんの生活習慣も把握しながら関わっていくことになります。その過程でクリニックと患者さんとの間に構築された信頼関係も生かしながら、広くさまざまな症状を診ていければと考えています。
ご専門を選択されたきっかけや、開院に至る経緯についてお聞かせください。
糖尿病は進行性で寛解はしても完治は難しい疾患です。一生付き合っていくことになることが多く、そのときそのときの患者さんの生活スタイルや仕事、家庭状況に合わせた対応が必要です。対話を通して医師として患者さんの人生に密接に関わらせていただき、少しでも前向きに治療に取り組めるようサポートさせていただくことに大きなやりがいを感じたことが糖尿病を専門に決めた理由の一つです。大学病院では糖尿病内科に所属して研鑽を積み、その後、大学院で医学博士を取得しました。以降は、都立駒込病院や実家のクリニックにも勤務して外来診療を続けていました。私自身、外来診療が好きでしたし、もともとはいつかクリニックを開きたいという思いもありました。そんな中で、私の夫がこの建物の2階に耳鼻咽喉科のクリニックを開院し、その下の階のテナントに空きができたタイミングで、当院を開くことを決めました。
糖尿病の患者さんの診療では、どのようなことが大切なのでしょうか?

糖尿病は、薬だけでどうにかなる病気ではなく、その人の食生活や運動習慣などの改善を主体にして治療していく必要があります。ご本人のお人柄や生活スタイルなどさまざまなことを確認しながら進めていかなくてはならないので、治療には手間も時間もかかります。もちろん、大学病院で行う診療にもメリットはあるのですが、開業したことで、時間をかけて患者さんを多角的に把握しながら、その人に寄り添った診療が行えるようになったと思います。
専門の医師による納得感のある診療を
現在はどのような患者さんが多いのでしょうか?

甲状腺の疾患ですと、やはり女性の患者さんが中心ですね。健康診断で甲状腺に異常が見つかって受診される方も多くいらっしゃいます。当院で行った細胞診で悪性の診断になった場合は、手術のため大規模病院へ紹介いたします。糖尿病の患者さんも、健診で高血糖を指摘されて受診される方が多く、以前は大きな病院で診療を受けていたものの待ち時間が長いため転院を希望される方や、遠方の病院に通われていたものの近隣での通院を求めて来られる方もよく見られます。また、他院で糖尿病治療をされていたものの途中で中断された方も多く、治療を止めると進行し、以前と同じ治療を行っても元には戻らないため継続が大切です。当院では待ち時間の短縮や予約のしやすさを目的にウェブ予約システムを導入し、できるだけ負担の少ない通院を心がけています。
糖尿病は自覚症状がないため、気づかず進行してしまうという話も聞きます。
そうなんですよね。だからこそ、健康診断で指摘されたらまずは医療機関を受診したほうがいいと思います。糖尿病の進行を抑制するには、早期からの治療介入が本当に大切なんです。早期からの介入によって、長期的な視点から合併症を予防することにもつなげられますから、できるだけ早めに糖尿病を専門とする医師に診てもらうことをお勧めします。ただ自覚症状がないだけに、自己判断で治療を中断して放置してしまい、糖尿病が進行してしまうのも事実です。一度中断して時間がたってしまうと、気まずさを感じてしまい、余計に再受診しにくくなってしまうようですね。医師としては、これ以上進行しないように治療を継続していただきたいと考えているので、お気を遣わずに、なるべく早く医療機関を受診していただきたいです。
糖尿病を専門とする医師を受診するメリットはどのようなところにありますか?

治療に対する納得感を持てることでしょうか。糖尿病の患者さんの中には、通院を続けていても、なぜこの治療をしなければいけないか、どのような合併症のリスクがあるのかなどについて、あまりよくわかっていないと感じられている方も多いのではないでしょうか。ですから、定期的に通院することの意義や、治療にもいろいろなアプローチがあることをしっかりお伝えして、納得感を持って治療を続けていただけるようにと考えています。また、私自身としては、病気のリスクなどを知識としてお伝えし、患者さんができるだけ負担なく通えるように、ご本人の生活スタイルを考慮しながらサポートさせていただきます。
糖尿病や甲状腺に関するさまざまな検査も受けられる
甲状腺の疾患の治療についてもお聞かせください。

橋本病やバセドウ病ではまずは薬物療法を行いますが、バセドウ病の場合、薬の副作用などが出た場合には放射線治療や手術といった選択肢がありますので、その際には大学病院などの医療機関を適切にご紹介いたします。甲状腺疾患は自分で兆候を見つけるのが難しいのですが、典型的な症状としては、意欲減退や抑うつ症状、手の震えや体重減少、下痢などが見られます。甲状腺腫瘍については、自分で頸部を触っていないと、健康診断で指摘されるまで気づかない方も多いのですが、気になるしこりがあったり、それが大きくなったりしていたら、お気軽にご相談いただければと思います。超音波検査で定期観察をして、もし悪性を疑う所見がみられる場合には、細胞診を行い、大学病院をご紹介しております。
さまざまな検査もこちらのクリニックで受けられるようですね。
動脈硬化がどのくらい進行しているかを測定するためのCAVI検査やABI検査といった血圧脈波検査、また頸動脈超音波検査を実施しています。また、甲状腺超音波・細胞診も当院で受けることができます。そのほか、血液検査については白血球、CRP値、HbA1c、血糖値の迅速検査を行っていますので、検査当日に結果が出ます。他にも、糖尿病と深く関連する、睡眠時無呼吸症候群の検査も当院で受けられますので、気になることがあればご相談いただければと思います。風邪症状などで受診された際にも、胸部レントゲンの撮影も行っておりますので、呼吸器疾患や健診にも対応できます。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

できるだけ、患者さんが相談しやすい雰囲気をつくっていきたいと考えています。当クリニックのスタッフは、問診や検査で患者さんが安心できるような医療を心がけております。糖尿病のこと、甲状腺のことなど、何か少しでもご不安がありましたら、お気軽にご相談ください。