綿引 隆久 院長の独自取材記事
【2025年6月開院予定】 わたひき内科クリニック
(笠間市/笠間駅)
最終更新日:2025/02/14

【2025年6月開院予定】※開院前の情報につき、掲載情報が変更になる場合があります。
笠間駅から車で約5分の場所にある「わたひき内科クリニック」。消化器内科として胃や大腸、肝臓、胆嚢、膵臓の症状に幅広く対応するクリニックだ。メインに掲げるのは、痛みが少ない胃と大腸の内視鏡検査。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医である綿引隆久院長が、鎮静剤の使用や下剤の種類など一人ひとりに合わせた検査方法を提案し、少しでも楽に検査が受けられることをめざす。丁寧な対応で患者の不安に寄り添うことを大切にしている綿引院長。「内視鏡検査に対するつらいイメージを変え、また受けてみてもいいかなと思ってもらえたらうれしいです」と語る。笑顔がすてきな綿引院長に、開業についての思いや診療の特徴など話を聞いた。
(取材日2025年1月24日)
痛みに配慮し内視鏡検査を行い、地域に根差した医院へ
まず、院長のこれまでのご経歴についてお聞かせください。
私は、笠間市に近い常陸大宮市の出身です。弘前大学医学部を卒業し、筑波大学附属病院と笠間市の茨城県立中央病院で、研修医として勤務しました。特に県立中央病院は、消化器内科の医師になって初めて内視鏡検査など専門的な経験を積んだ場所でもあります。その後は、日立総合病院で消化器に関する一通りの治療を行いながら、特に肝臓・胆嚢・膵臓の領域を専門に研究にも取り組みました。大学病院や総合病院にいらっしゃる患者さんは、特殊な病気や専門的な治療を必要としている方がほとんどです。やりがいを感じながらも、もっと身近な医師として、一般的な症状に悩む方々の手助けをしたいという思いが強くなり、開業することにしました。
笠間市で開業されようと考えた理由も教えてください。
地元に近い土地であることに加えて、お世話になった県立中央病院と連携が取りやすい場所だったからです。また、医療体制が十分ではないというのも理由の1つです。現在、笠間市で内視鏡検査を受けようと思うと、ほとんどの病院が3ヵ月から4ヵ月待ちで、受けたくても受けられないという状況だと聞いています。消化器内科を専門とするクリニックを開業することで、この状況を少しでも改善したいという思いもありましたね。
クリニックではどのような診療が受けられますか?

悩みの大小に関わらず、気軽に受診していただけるクリニックをめざしています。胃の痛みや食欲不振、おなかの痛み、便の異常をはじめ、消化器に関することであればなんでもご相談ください。消化器を中心に、内科全般の診療で研鑽を積んできましたので、高血圧や糖尿病などの生活習慣病に関するニーズにもお応えしていきたいと考えています。特に力を入れて行きたいのが、胃と大腸の内視鏡検査です。検診や便潜血検査で要精密検査となっても、内視鏡検査に対してつらいというイメージがあり、足が遠のいてしまうという方も多いと思います。受診される方の苦痛を少しでも減らすため、消化器内視鏡専門医としてさまざまな患者さんに向き合ってきた経験をもとに、お一人お一人に合った検査方法をご提案していく方針です。
鎮静剤の使用や患者に合わせた下剤の提案で負担を軽減
検査時の負担を減らすための工夫について、詳しく教えてください。
まずは、消化器内視鏡専門医として丁寧な検査と診断を心がけながら、検査にかかる時間や苦痛を最小限にできるよう努めます。その上で、不安や緊張が強い、過去の内視鏡検査でとても苦しい思いをしたという場合には、鎮静剤を使って検査を行うこともできます。実は茨城県内では、東京に近い南部には鎮静剤を使った内視鏡検査を受けられる医療機関が多いのに対し、北部には少ないという現状があります。当院が鎮静剤を使った内視鏡検査を実施することで、地域の皆さんが足を運ぶきっかけになればと思います。また、中には大腸内視鏡検査の前に下剤を飲むのがつらいという方もいるでしょう。最近は下剤にもさまざまな種類があり、量や味などその方に合わせた下剤の提案が可能ですので、事前に相談してほしいですね。
クリニックづくりでは、どのような部分にこだわりましたか?
やはり内視鏡周りの設備ですね。院内にはトイレつきの完全個室を3部屋用意したので、周りを気にせずご自分のペースで下剤を服用していただけます。また、内視鏡検査はストレッチャーに乗って行うのですが、鎮静剤を使った場合、検査が終わった直後は薬が残っていることが多く、安全のためにもストレッチャーに乗ったままリカバリールームに移動できるよう動線を確保しました。これは内視鏡検査も含め全体の話になるのですが、通院で最もネックとなるのが病院での待ち時間です。当院では多くをデジタル化し、会計にもセルフレジを導入。診療が終わった後は、短い待ち時間でご帰宅いただけるよう整えています。胃の内視鏡検査に関しては、事前にウェブ問診を記入していただくことで、当日のみの来院で検査が可能です。
診療で大切にしていきたいことを教えてください。

やはり、患者さんのお話をじっくり聞くことです。患者さんには気になっていることや不安を話してもらい、こちらからは可能な治療の選択肢と、一つ一つのメリット・デメリットをわかりやすくご説明します。それらを踏まえて、その方にとって必要な治療を一緒に考えていけるのがベストな診療の形だと思います。それに加えて、患者さんの不安に寄り添うことも大切です。内視鏡検査中に背中を手でさすってあげるだけでも感じる苦痛が変わると思っています。患者さんの小さな変化に気づき、こまめに声かけできるようスタッフ全員で意識していくつもりです。
がん早期発見のため40歳以上は定期的な内視鏡検査を
どんな患者さんに来ていただきたいとお考えですか?
消化器の症状でお悩みの方はもちろん、一番は検診や便潜血検査で要精密検査となった方々です。中でも40代から50代の働き盛りで、仕事が忙しくなかなか受診できずにいる皆さんには、できるだけ早めに検査を受けていただきたいですね。大腸がんは初期段階での自覚症状がほとんどなく、症状が現れた時には進行している場合が多いです。その一方で、定期的に内視鏡検査を受けていれば、がんの原因となるポリープを除去することも可能ですし、進行がんになる前に早期発見できる可能性の高い病気でもあります。症状の有無に関わらず、40歳以上になったら定期的に内視鏡検査を受けることの重要性を、多くの方にお伝えしていきたいと思います。
休日のリフレッシュ方法はありますか?
中学から大学まで野球をやっていて、高校時代は甲子園をめざしていました。それもあって高校野球を観るのが好きで、母校の水戸第一高等学校をはじめ、県内で行っている高校の試合の応援にはよく行っています。後輩たちが頑張っている姿は見ていると力を貰えますね。今は同じ白球を追う競技でも、もう少しボールを小さくしたゴルフにはまっています(笑)。笠間市はゴルフ場も多いので、休みの日にいろいろなコースを回るのが楽しみです。
最後に、読者の皆さんにメッセ―ジをお願いします。

診療を通じてこの地域で内視鏡検査を受けやすい環境をつくり、がん患者を1人でも多く減らすのが私の目標です。最初の内視鏡検査でつらい思いをすると、どうしても2回目の検査に行きたくなくなってしまいますよね。しかし現在は、内視鏡システムの精度が上がったことや医師の技術、鎮静剤の使用によって、体への負担が少ない検査になってきています。当院は、患者さんにとって負担の少ない内視鏡検査に努めていきますので、特に若い方や内視鏡検査が初めての方、過去につらい思いをした方は、ぜひ当院での検査をご検討ください。不安なことがあれば、事前になんでも相談してくださいね。