佐々木善彦院長の独自取材記事

ゆいファミリー歯科・矯正歯科

(高槻市／高槻市駅)

最終更新日：2025/02/12

2024年12月にオープンした「ゆいファミリー歯科・矯正歯科」。国道170号に面した同院には5台分の駐車場を備え、バス停にも近いため通院に便利だ。子ども連れでも安心して通えるように、開放感ある待合室の横にはキッズコーナーを設けている。また、患者のプライバシーへ配慮した居心地の良い空間づくりをめざし、個室の治療室やカウンセリングルームなども設けている。院長の佐々木善彦先生は勤務医時代に、原因に基づいた治療の大切さ、予防歯科の重要性を痛感し、自身の治療方針を実践すべく当院を開業。インタビューでは、予防のための矯正、今後の展望、休日の過ごし方などについて、たっぷり話を聞いた。

（取材日2025年1月14日）

家族で安心して通える地域のかかりつけ歯科をめざす
歯並びが悪くなる原因へのアプローチを試みる矯正
予防的矯正の普及に尽力し、地域に貢献したい

家族で安心して通える地域のかかりつけ歯科をめざす

まず、開業までの経緯や医院の特徴などをお聞かせください。

歯科医師として経験を重ねるうちに、予防の大切さを痛感するようになりました。予防歯科を普及したいという自分の治療方針を打ち出したいと考え、開業を決意し、今に至ります。歯が悪くなった原因がわからないままでは、虫歯を削って詰めるという治療の繰り返しになります。虫歯に限らずどんな治療でも原因を調べて予防することが大事です。院名にも入っていますが、当院では矯正歯科に力を入れています。虫歯や歯周病の予防と比べると、歯列不正の予防についてはなじみのない方も多いと思いますので、歯並びが悪くなる原因へのアプローチをめざした予防的矯正を重視しています。

なぜこの地域を開業地に選んだのですか？

開業地としては子育て世代が多いベッドタウンエリア、特に高層ビルが立ち並ぶ都会や駅前などではなく、住宅地や大きな幹線道路沿いをイメージして探していて、この場所を選びました。お子さんの歯並びを整えたり、歯並びの悪化を予防しようと考えたら、お子さんを取り巻くご家族や家庭環境が変わらなければなかなか難しいと痛感していましたので、ご家族含めての予防や情報の提供に努めています。もともと高槻には子どもと一緒に公園に遊びに行ったり、地域のイベントに行ったりしていたのですが、開業してみるとイメージどおり住みやすそうで温かい地域だなと感じています。

開業して数ヵ月がたちましたが、現時点での患者層や相談内容についてお聞かせください。

お子さんの歯並びに関する相談がかなり多いですね。また、もともと通っていた歯科医院が駅前にあるけれど、子どもを連れて駅前まで行くのがなかなか大変だ、ということで当院へ転院される方もいらっしゃいます。また、託児サービスが好評で、それを利用して通われている方もいます。託児サービスは、子ども連れでも安心して治療を受けられるよう、親御さんが治療する間、お子さんをお預かりするという無料のサービスです。事前の予約が必要で、首が据わってからのお子さんをお預かりしています。ご高齢の方は「近くなので」と歩いて来院されることが多いですね。

歯並びが悪くなる原因へのアプローチを試みる矯正

予防のための矯正について教えてください。

歯並びが悪くなる原因として、歯の大きさに対して歯が並ぶためのスペースが足りないこと、つまり顎が小さいということが挙げられます。親御さんが「歯並びは遺伝だから」と考えたままでお子さんの治療をスタートするのは避けたいですし、矯正は長いお付き合いになりますので、まずは当院の方針や私の考え方を保護者の方にも知っていただくようにしています。矯正の方法や進め方だけではなく、必ず歯並びが悪い原因などを伝えるようにしていますので、具体的にデータを示したり、撮影した動画をお見せしたりしながら説明します。動画では、お子さんのしゃべり方、水を飲むときの口周りや舌の動きなどを確認します。

動画を見ながら子どもの様子を確認できると、よりわかりやすいですね。

例えば、しゃべるときにだけでなく発声がないときでもうっすら口が開いているケースのように、親御さんが気づかないようなお子さんの癖や口周りの機能などについて、動画で確認しながらお話しします。それから、当院で行っているマウスピース型装置を用いた矯正、併せて行う口腔機能トレーニングなどについて説明します。トレーニングは来院時だけでなく、ご自宅でも行っていただくので資料をお渡しします。次の来院までの宿題として、毎日行っていただくトレーニング内容を段階に応じて伝え、保護者にチェックをお願いします。そして次の来院時に確認し、状況に応じて次のトレーニング内容に進みます。

患者さんと信頼関係を築くために心がけていることなどありますか？

患者さんに話していただくことも大切ですので、こちらからの説明だけでなく、患者さんに質問をするようにしています。患者さんからお話を伺うことの一環として、歯並びに関する無料相談を行っています。また、SNSでの情報の発信や治療前のご相談、矯正中のフォローも行っていますので、悩みや不安、わからないことなどについて、患者さんがなるべく相談しやすい体制を整えています。

予防的矯正の普及に尽力し、地域に貢献したい

そもそも、なぜ歯科医師の道に進まれたのですか？

祖父は医師、父は歯科医師という環境で育ち、私も人に関わりながら社会に貢献できる職業に就きたいとずっと思っていました。父の後を継ぐように、などとは言われたことがないのですが、自然に歯科医師をめざすようになりました。徳島大学歯学部を卒業後、愛媛大学医学部附属病院の口腔外科を選んだのは父の勧めもあったのですが、口腔がんの患者さんの診療や入院患者さんの対応など、一般歯科では経験できない診療に携わり、また、歯科疾患が悪化し亡くなる患者さん、口から食べることができなくなって胃ろうになってしまう患者さんもいましたので、全身と口腔内環境の関係性を考えるということが身につきました。

お忙しい毎日だと思いますが、リフレッシュ法などありましたら教えてください。

開業したばかりでなかなか休みが取れないのですが、休める日はなるべく子どもたちと遊んだりして家族と過ごすようにしています。ベーゴマで遊んだり、体操教室に通っている子どものトレーニングを手伝ったりすることもあります。子どもたちにとっては私が家にいるのがレアな状況のようです。そう言えば、当院のロゴは2人の子どもにまつわるもので、それぞれの要素を盛り込んで作っています。

今後の展望についてお聞かせください。

オープンしたばかりですので、まずは当院の存在やコンセプト、私の考え方などを知っていただき、認めていただけるようにすることが第一だと考えています。予防的矯正を広めていきたいと思っていますので、診療の際にもその旨をしっかり伝えたいですし、歯並びが悪くなる原因については矯正を希望されない方でも必要時にはお話ししたいと思っています。まだ漠然としていますが、将来的には地域で歯並び教室や母親教室などのイベントを開催できたらいいなと思っています。