岩下 哲 院長の独自取材記事
ベイサイド南船橋整形外科
(船橋市/南船橋駅)
最終更新日:2025/01/15

南船橋駅直結の2階建て商業施設にある「ベイサイド南船橋整形外科」。ここはリハビリテーションを中心に据えて整形外科領域の疾患の根本的な治療をめざそうと岩下哲院長が2024年12月に開業した。岩下院長は、大学病院や市中病院で整形外科の手術に携わってきた経歴を持つ。数々の症例を診てきた中で、もっと早い段階で適切な治療を受けていれば手術に至らなかったのでは、と思うこともあり、これからは患者に近い場所で根本的な治療をめざしたいとの思いで開業に至った。院内には広いリハビリテーションルームを設置し、理学療法士とともに幅広い世代の患者をサポ―トしている。そんな岩下院長に開業への思いやクリニックの特徴などについて聞いた。
(取材日2024年12月24日)
南船橋エリアに開業した整形外科クリニック
先生の経歴と開業しようと思ったきっかけについて教えてください。

日本医科大学医学部を卒業後、同大学附属病院整形外科に11年勤務し、さまざまな整形外科領域の疾患の治療や手術に携わってきました。その後、札幌の病院において整形外科の立ち上げを行い約2年勤務した後、埼玉の総合病院で整形外科部長を務めました。これらの病院でさまざまな部位の手術に携わってきたのですが、その中でもっと初期治療をしっかりやっておけば手術に至ることはなかったかもしれない、もっと早い段階で根本的な治療をしておけば良かったのに、と思うことがありました。例えば、変形性膝関節症で手術が必要になった場合、もっと初期の段階で変形を抑えるために太腿の筋力を鍛える指導などをしていれば結果が変わっていたかもれません。そんな背景もあって、これからは地域の中で患者さんに近いところで一人ひとりの患者さんを丁寧に診ていきたいと思い開業しました。
南船橋を選んだのには何か理由があったのですか。
南船橋エリアは整形外科クリニックの過疎地域で、電車に乗って遠方の整形外科まで通っておられる方が多かったのです。それでは体に負担がかかりますので、この地域の方々がより楽に医療へアクセスできるようにここを選びました。南船橋には商業施設も多く、家族で遊びに来たこともあってすてきな町だなという印象を持っていました。住んでいる方も若い世代が多く子どもたちも多いので、小さいお子さんからご高齢の方まで幅広く診療していきたいと思いました。この商業施設の中でもクリニックが集まる医療モールになっていますので、例えば内科と整形外科を同日に受診できるなど患者さんの利便性も高いと思います。
内装はどんな点にこだわったのですか。

待合室は患者さんたちがゆったりとストレスを感じずに過ごせるよう工夫しました。木目を生かしたやわらかいカーブの受付カウンターや、木目やブラウンを基調にした椅子などリラックスできる空間づくりを意識しています。診療室は白をベースにシンプルで清潔感のある造りです。天井が高いのは商業施設内ならではのことですね。診療ではリハビリテーションをメインに考えていますので、リハビリテーションルームはできるだけ広く取っています。窓から自然光も入りますので明るく開放的な気分でリハビリを受けていただけると思います。
リハビリテーションに注力し根本的な治療をめざす
診療方針について教えてください。

これまで慢性期疾患から急性期疾患までさまざまな症状を診てきていますし、子どもから高齢者まで全世代の患者さんを診てきています。整形外科は各部位ごとに専門が細かく分かれているのですが、私はこれまでさまざまな部位の疾患の治療に携わってきています。先ほど少しお話しした札幌の病院では整形外科の立ち上げを1人で任されましたので、全部の部位を診療しなくてはらなかったということもありました。その経験もあり、当院ではどのような痛みや症状でも、基本的には何でも診ています。また、治療については根本的に治すことを目標にしています。たとえ一時的に痛みが取れたとしても、また痛みが再発してご自宅で思うように生活できなくなってしまったら元も子もありません。再発することなく、将来まで手術を必要とせず日常生活を送れるよう根本的に治すことをめざしています。
できるならば手術はしたくないと考える人が多いと思います。
手術はあくまでも最終手段で、本当に手術が必要かどうかの診断も重要です。これまで私は各部位の手術を数多く経験していますので、手術が必要か否かの診断を適切にくだせると思います。また、手術に至らないためには何が必要か、今の段階でどんなことができるか、何が大切か、そういったことをすべて熟知した上で適切な治療の提案をできるのが当院の一番の強みだと考えています。治療を提案する時には、社会生活やスポーツへの復帰など、どこを最終的なゴールにするか患者さんと相談しながら決めて、決して押しつけではなく一人ひとりの考えを尊重して選択肢を考えています。
根本的な治療という意味でリバビリテーションが重要になるのですね。

当院では理学療法士たちが、一人ひとりの患者さんに合わせたリハビリメニューを提供しています。理学療法士は患者さんの評価をしっかり行っていて、各状態に対応する引き出しの数もとても多いと感じています。同じ疾患といっても、一人ひとり状態は異なりますので、それに合わせてきめ細かく対応してくれています。みんなしっかり治したいという思いも強く、40分間みっちりとリハビリを提供しています。患者さんにもきっと喜んでいただけると自負しています。診療室とリハビリルームとはドア1枚でつながっていますので、リハビリをしている患者さんの様子を随時確認するなど理学療法士と情報共有しています。患者さんにも楽しくリハビリを受けていただけたらうれしいですね。今はまだ開業したばかりで理学療法士は4人ですが、近い将来8~10人まで増員したいと考えています。
乳幼児から高齢者まで幅広い症状に対応
先生が医師をめざしたきっかけについてお聞かせください。

もともと人が笑っていたり喜んでいたりする姿を見るのが好きなんですね。そんな姿を見ると、私も素直にうれしくなる、そんな性格です。高校生の時、ちょうど海外への医療支援が話題になることが多く興味を持ったのですが、調べていくうちに日本国内でも無医村があるなど、地域医療としてやるべきことはたくさんあることに気づいて、医師をめざそうと考えました。整形外科を専門にしたのは、外科系に関心があったことと、高校時代、スポーツをやっていて膝をけがした際、整形外科のお世話になったこともあり身近に感じていたからです。
スポーツ整形もこちらでは診てもらえるのですね。
はい。スポ―ツ選手やスポーツ愛好家の方々の相談にも乗っていきたいと思っています。先ほどもお話ししたとおり、私もスポーツでのけがを経験していますので、自分も同じけがをしたけど大丈夫だよ、とその痕を見せながら説明することもできます。経験者としてスポーツでけがをした患者さんに共感できますし、患者さんも安心できるかもしれませんね。また、これは病院勤務時代に感じたことですが、整形外科の患者さんは、痛みがあったとしても、しっかりおしゃべりができて元気なんですね。診療の中で患者さんの人間性にふれることができるのも、整形外科の良い点なのかなと思っています。
では最後に今後の抱負と読者へのメッセージをお願いいたします。

これから一人でも多くの方を診ていきたいと思います。当院では肩凝りから首の痛み、腰痛、膝の痛み、手足のしびれなど日常的によくみられる症状から、加齢による筋力の衰えや骨粗しょう症が心配な方、あるいは赤ちゃんの股の開きが良くない、歩き方がぎこちないなど、全世代の方々の症状を診ていますので、気軽に相談に来てください。診療を通じて地域の方々が明るく元気に生活できるようサポートしていきたいと思います。今後、診療を続けていく中でニーズもいろいろと出てくると思いますので、それに対応できるよう医療設備なども整えていきたいと考えています。