依岡 伸幸 院長の独自取材記事
大阪谷町よりおか内科・内視鏡クリニック
(大阪市中央区/松屋町駅)
最終更新日:2025/02/12

「大阪谷町よりおか内科・内視鏡クリニック」は、大阪メトロ長堀鶴見緑地線・松屋町駅5番出口から徒歩2分、大阪メトロ谷町線・谷町六丁目駅5番出口から徒歩4分という立地に2024年12月に開院した。院長の依岡伸幸先生は、消化器内科を専門とし、高度な技術を要する胃がんや大腸がんの内視鏡治療を中心に大学病院で診療を行ってきた。その中で、進行した状態でがんの患者を紹介されることがあり、病気の早期発見の重要性を痛感。これまで培った内視鏡の技術で、胃がんや大腸がんでの死亡を減らし、病気の早期発見・治療に貢献したいという思いから大阪谷町よりおか内科・内視鏡クリニックを開院した。ナチュラルで落ち着いた雰囲気のクリニックで、親しみの感じられるたたずまいの依岡院長に診療方針などを聞いた。
(取材日2025年1月8日)
人の役に立ちたい。ただその思いで医療の道へ
先生が医師を志したのはどんなきっかけや思いからなのでしょうか?

実家は祖父の代から自営業を営んでおり、医療にはまったく縁のない家系でした。奈良県で生まれ育ち、自然に囲まれ伸び伸びと子ども時代を過ごしました。その頃から漠然とですが、将来は人の役に立ちたい、人に感謝されるような仕事に就きたいという思いがありました。私が中学生の頃に祖父が病気になった時の、担当された医師に親身に対応していただいたことがきっかけで、医師をめざすことにしました。その後、大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部に進学し、消化器内科で内視鏡と出会い衝撃を受けました。胃や大腸の中で自由自在に動かせる内視鏡でのがんの治療は、患者さんの負担も少なく、もともと内科を志していた私はがんの完治をめざす消化器内科にとても魅力を感じました。特に自身で内視鏡検査を行い、早期のがんを見つけ、がんの治療まで一貫し行えた時には医師としてのやりがいを大きく感じました。
大学卒業後はどんなキャリアを積まれたのですか?
まず大阪府和泉市の府中病院(現・泉大津急性期メディカルセンター)に5年間勤務しました。消化器内科は胃カメラや大腸カメラなど内視鏡検査を非常に多く行っている病院で、私も朝から晩まで内視鏡検査室で過ごし、おかげで内視鏡の技術はとても向上しました。その後家庭の事情もあって、奈良県立医科大学附属病院へ。ここでは府中病院で得た経験をもとに、食道・胃・大腸などの消化管のがんの内視鏡治療を中心に行っていました。
開業を決意されたのはどんな理由があったのでしょうか?

これまで数多くの内視鏡での治療を行ってきましたが、がんの発見時にはすでに病状が進行した状態の方もいて、とても残念な思いをすることがありました。そのような患者さんが「以前の検査がつらくて、検査の間隔が空いてしまいました」と検査の苦痛を理由に検査から遠ざかっていることもありました。そのような患者さんを少しでも減らせるように、地域の患者さんに苦痛のない内視鏡検査を提供し検査への抵抗を減らすことで、早期発見・早期治療につなげたいと考え開業を決めました。また、総合病院では数年に一度異動があり、患者さんと離れてしまいます。患者さんも不安に思われるし、医師もせっかく患者さんのことがわかってきたのにという思いにかられます。「最近やっと先生と話せるようになってきたのに」と残念がる患者さんもいて、申し訳ないという気持ちが大きくなり、内視鏡検査もできる地域のクリニックをめざすことにしました。
苦痛がなく、精度の高い内視鏡検査を提供したい
こちらで行う大腸の内視鏡検査の特徴を教えてください。

まず、大腸内視鏡検査は行う医師の技術や方法により痛みの程度が変わる検査です。当院では鎮静剤の使用はもちろんですが、苦痛を軽減するために大腸のひだや曲がりを折り畳みながら挿入する無送気軸保持短縮法を用いてカメラを挿入しています。また、最近では内視鏡検査を行うクリニックは多いですが、院長以外の非常勤医師が内視鏡検査を担当するクリニックもたくさんあります。内視鏡の技術が全体に向上したこと、中には手術の導入に使用する強い麻酔薬を使用するクリニックもあり、苦痛の対策をすることは当然の時代となっています。しかし、内視鏡検査は病変を見つけ適切な治療をすることが目的です。痛みに配慮した挿入は当然として、その後の観察を十分時間を設けて行うことが大切と考えます。当院では院長である私が、基本的にはすべての検査を行い責任を持って詳細に観察しますので、安心して検査を受けていただければと思います。
胃の内視鏡検査でもこだわりや特徴がありますか?
胃の内視鏡で最もつらいことは、「オエッ」となる嘔吐の反射です。当院では嘔吐反射が出にくい鼻からの検査はもちろんですが、鎮静剤を使用した口からの内視鏡検査も行っています。嘔吐反射が出やすい舌根部を刺激しないような挿入や胃内に入る空気の量によっても検査のつらさは変わってきます。鎮静剤を使用していない患者さんには、つらくなりにくいような呼吸方法などをお伝えし実践していただいています。このように非常に小さなことの積み重ねで胃の内視鏡検査の苦痛は変わってくるので、患者さんの表情も確認しながら丁寧な内視鏡検査を心がけています。また、食道・胃・十二指腸以外にも咽頭や舌まで病変がないかしっかりと診るようにしています。
内視鏡検査を行う上で、他に気をつけていることはありますか?

おなかの症状があるけど、前の内視鏡検査がつらかったため検査に抵抗を示す患者さんは少なくありません。これまで内視鏡検査を受けた際につらい思いをした方は、どうしても次に内視鏡検査を受けるハードルが高くなってしまいます。このようになってしまうと、早期発見・早期治療できる機会を奪ってしまうことになります。そうならないように、一人ひとりに合わせた丁寧な検査を行うよう心がけています。また、私だけではなくスタッフも内視鏡検査前の説明は丁寧に行うよう指導していますので、下剤の内服など少しでも検査に関する不安を解消できるような体制を整えています。内視鏡検査にネガティブな印象を持たれている方も、一度当院に相談に来ていただけたらと思います。
地域の医療を長く支え、信頼されるクリニックに
診療する上で心がけているのは、どのようなことでしょうか。

症状を抱えて受診した患者さんが大丈夫かどうかの判断には、根拠が必要となります。「検査結果がこうだから大丈夫です」や「このような結果なので、より詳しい検査をしましょう」など患者さんが納得して検査や治療を受けれるように説明を行うことを大切にしています。当院ではそのための検査体制も整えていて、先進の内視鏡機器やCT、AI搭載のレントゲン、超音波検査機器を導入しています。レントゲンやCTはもちろん私も見逃しがないよう読影を行いますが、リモートで放射線科を専門とする医師によるCT画像読影やAIを活用したレントゲン検査・診断も行い、精度の高い医療を提供できるようにしています。
CTもあると伺いましたが、クリニックでは珍しいですね。
はい。地域のクリニックにはあまりないと思いますが、先進のCT機器を導入しました。例えば、おなかの痛みで受診した患者さんを診察し、痛みの部位から虫垂炎や憩室炎、腸炎などある程度は診断を限定することはできますが、CTがなければ念のため抗生剤を処方するので様子を見ましょうとしか言えなくなってしまいます。しかし、CTがあることで、虫垂炎の方は虫垂炎と診断し即座に手術が可能な総合病院への紹介ができます。逆に過敏性腸症候群の患者さんは、内視鏡検査やCT検査を行い重大な器質的疾患を除外することで安心することができ、症状が改善に向かうような場合もあります。このように患者さんにも大きなメリットがあり、正確な医療を提供するために導入を決めました。
最後に、めざす理想のクリニック像とはどのようなものでしょうか。

当院は、身近なかかりつけの診療所と大規模病院の中間に位置するクリニックをイメージしています。地域のかかりつけ医として、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や風邪、腸炎など日常悩まれている体調不良や病気の治療ももちろん行い、大きな病気の予防の手助けをさせていただきます。また、詳しい検査が必要なときには、先進のCTや内視鏡を用いて正確な診断を行えるように、体制を整えています。紹介状が必要であったり、待ち時間の長い総合病院に行くのは抵抗があったりハードルが高い方は多いと思います。何か身体の調子が悪いときに、まずは気軽に相談できる場所として利用してください。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/1万円~