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藤村 匠 院長の独自取材記事

はれにこキッズクリニック

(札幌市南区/真駒内駅)

最終更新日:2025/04/10

藤村匠院長 はれにこキッズクリニック main

児童会館や大きな公園が近くにあるビル3階の「はれにこキッズクリニック」は、2024年11月に開業。広い駐車場も併設している。エレベーターで上がると、明るい木目調の心地良い空間が広がる院内になっている。藤村匠院長が、大学病院などで小児外科の医師として勤務していた経験もあることから、小児内科・小児外科ともに豊富な経験と知識を持っているのが同院の大きな強みだ。通常の診察に加え、発熱の外来やアレルギー検査など、幅広く診療。便秘の外来を開設しているのも大きな特徴だ。「私も子どもがいるので、親御さんの通院の大変さはよくわかります。通院の負担を減らすためさまざまな工夫をしています」と藤村院長。その取り組みの中身や開業までの経緯、診療方針など、詳しく聞いた。

(取材日2025年2月5日)

小児外科の経験も生かし、地域小児医療のハブ的存在に

昨年、開業されたそうですが、明るく心地良い院内ですね。

藤村匠院長 はれにこキッズクリニック1

ここはかつて大学の先輩が経営されていたクリニックでした。開業にあたり、内装の壁紙や床の張り替えは妻と子どもたちがDIYで整えてくれて、家族の支えがあり、このクリニックをスタートさせることができました。本籍は北海道ですが、父の仕事の関係で岩手で過ごす時間が長かったです。祖父母が札幌に住んでいたので北海道はたびたび訪れていました。医師としてのキャリアは岩手から始まり、慶應義塾大学病院での研修を経て、関東各地で経験を積みました。そして、開業をきっかけにこの地へやって来ました。院名の「はれ」は、以前勤務していたクリニック名の「サニー」からもらった“晴れ”の意味。そして、「にこ」は、妻が「にこにこできるクリニックがいいね」と提案があり、それらを合わせて「はれにこ」に決まりました。

クリニックの特徴について教えてください。

小児外科の視点を持つ小児科であることです。私は慶應義塾大学病院で15年間、小児外科医として勤務し、数多くの外科的疾患に対応してきました。一般的に、小児外科は大きな病院でしか診療が受けられませんが、クリニック単位でも適切な判断ができるということが当院の大きな強みです。当院では手術は行いませんが、鼠経ヘルニア・臍ヘルニア・停留精巣などの診断、虫垂炎の検査、便秘診療など、小児外科領域に関する適切な判断を提供し、必要に応じて専門施設へ紹介できる地域の「診療拠点」としての役割を果たしたいです。また、感冒やアレルギー疾患といった小児科一般診療にも幅広く対応しています。成人外科の研修ではがん治療に関わり、小児外科では肝臓・小腸移植といった高度な医療にも携わりました。こうした背景から、成長とともに変化する医療ニーズに対応できる診療を提供したいと考えています。

開業直後から多くの患者さんが来院されたそうですね。

藤村匠院長 はれにこキッズクリニック2

インフルエンザが例年より早く流行したこともあり、多くの患者さんがおみえになりました。近隣には小児科が少なく、あって良かったという声を数多くいただき、それがうれしくやりがいを感じます。以前お世話になっていた埼玉のクリニックは1日100~180人の患者さんを診るようなクリニックでした。それに比べたらまだまだですし、役に立っていると感じられる時は激務と感じないです。具合が悪い人だけ治すのではなく、みんなが幸せになるように地域の役に立ったらいいなという思いがあります。

便秘の外来も行っているとか。

便秘の外来も当院の大きな特徴の一つと言えます。大学病院時代に便秘に関連する研究をしていたこともあり、今は便秘のガイドラインの改訂作業にも参加しています。便秘の人は多いですが、病気と認識していないことも。治療には親御さんや学校の先生の協力も大切です。当院では単なる治療だけでなく、整腸剤などの有用的な内服方法など症状に合わせたアドバイスや食生活指導なども行っています。他院で薬を処方されたが症状が改善しないなどの相談に訪れる方もいます。

子どもたちと、支える家族の負担軽減に取り組む

受診しやすいよう、さまざまな工夫をされていますね。

藤村匠院長 はれにこキッズクリニック3

私自身も親なので、苦労はよくわかります。少しでも待ち時間を短くできるよう、事前予約と事前問診システムを導入。診察の順番が近づいたらお知らせし、その間、車での待機も可能です。またご家族も体調不良なときはお子さんと一緒に診察も行っています。再診の場合はオンライン診療も行っており、状況に応じて風邪薬など処方薬の配送サービスも利用できます。他には、お子さんやご家族の小さなことでも気軽に相談できる「何でも相談」の日を設けています。

設備、検査機器などについても教えてください。

盲腸の検査などでも使う超音波検査機器の他、道内では珍しいPCR検査の新しい機器を導入しています。発熱当日でも1度に多くのウイルスや細菌の検査が可能で、長くお待たせすることなく結果が出るという画期的なものです。検査は6歳以上が対象で、同じ症状を持つご家族の検査も可能です。

もともとは小児外科の医師としてスタートされていますが、勤務医時代のことを教えていただけますか?

藤村匠院長 はれにこキッズクリニック4

外科の医師を2年経験後は、外科の中でも呼吸器、脳、心臓血管、小児など分かれていきます。成人のがんなども診ていましたが、子どもの場合は、赤ちゃんの時に改善が図れたその後の長い人生に大きな影響を及ぼす可能性があります。治療が長期化するという難しさもあり、大変という人もいますが、僕はむしろ、そこにやりがいを感じました。小児外科医になった直後に小腸移植の担当医になり、手術や移植前後の管理とさまざまな経験を積みました。これは腸が動かないお子さんの場合の手術で、脳死移植も行われていない時代で親御さんからの移植でした。症例が少ないため指標がなく、検査方法も未確立、多くのことが手探りでした。重責でしたが、今やっていることが未来の医療を形作っていくのだと思うと力が湧いてきたのを覚えています。便のコントロールや投薬の幅広い知識経験など、今の診療にも役立っています。

真のかかりつけ医として成長に合わせて見守る

先生が医師をめざしたきっかけは?

藤村匠院長 はれにこキッズクリニック5

中学生の時、訳ありの天才外科医が活躍する漫画を読んだのがきっかけですね。読書が好きで、図書館にずらっと並んでいたのを発見して。全巻読み、こんな面白い世界があるのかと。訳ありでも、本当に困っている人にはしっかり手を差し伸ばすというところが、かっこいいなと。手術がうまい医師こそが、人を助けられると思って疑わなかったです。小児外科の医師となってからは手術を行うことは日常になりましたが、漫画のように早く、すべてが鮮やかにとはいきませんでした。ただ、子どもの未来を預かる立場として、緊急の虫垂炎の手術でもなるべく傷が小さくなるよう、早く日常生活に戻れるようにと努力はしました。

開業を決意されたのはなぜですか?

小児外科医人生を全うするつもりでしたが、働き方改革で勤務時間や手術の執刀にもいろいろと制約が出てきてしまい、新しいことにトライすることが難しい環境になってきていました。自分さえ頑張れば、どんどんアクセルが踏める世界があるということは、これまでの経験から感じており、挑戦するなら今かな?という予感のようなものがありました。前職の病院では小児内科の先生方が非常に協力的で、小児内科も診療させていただいていました。緊急性のある疾患の経験もできていたので、小児外科と小児科の経験を生かしたクリニックを展開するということにあまり迷いはありませんでした。

ご趣味などありましたら教えてください。

藤村匠院長 はれにこキッズクリニック6

テニスをやってきましたし、体を動かすのは好きです。最近は前職の病院の先生に譲っていただいたロードバイクにハマっています。北海道に来てからは、20kmほど離れた外勤先へもロードバイクを通勤手段として使っていました。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

この地域は小児科のクリニックが少ないので、将来的には必要とされる場所にクリニックを展開していけたらと考えています。そして、若い人が働ける場もつくっていきたいです。スタッフがそろえば、クリニックを土日も開きたいなと考えています。埼玉県でお世話になっていたクリニックは365日いつも開いていて、若いスタッフたちで活気にあふれ、憧れであり、目標です。読者の方へは、やれることは全力で対応するので、こんなことで受診してもいいのかなと思わずに、気軽にご来院くださいと伝えたいです。真のかかりつけ医をめざして、お子さんの成長に合わせ、きめ細かく経過観察を行いながらご家族に寄り添っていきたいと思っています。

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