和泉 陽一 院長の独自取材記事
西荻シオン歯科・矯正歯科
(杉並区/西荻窪駅)
最終更新日:2025/01/29

西荻窪駅南口から徒歩ですぐのビル6階に位置し、2025年1月に新規開院した「西荻シオン歯科・矯正歯科」。マウスピース型装置を用いた矯正をはじめ幅広い経験を持つ和泉陽一先生が院長を務める歯科医院だ。院内はホワイトとベージュでコーディネートされ、温かい雰囲気。カウンセリングルームには間接照明が施され、患者がリラックスして治療を受けることができる。マウスピース型装置を用いた矯正では、最初に45分から60分の無料カウンセリングを行い、和泉院長が直接患者のライフスタイルや要望を聞き取るところから始めていく流れを整えている。「患者さんにとってのベストを探りながら診療をしていきたい」と、熱く明瞭な言葉で語る和泉院長に、注力していきたいマウスピース型装置を用いた矯正などについて聞いた。
(取材日2024年12月18日)
マウスピース型装置を用いた矯正に注力
マウスピース型装置を用いた矯正に力を入れていきたいそうですね。

はい、そうです。一見して装着していることがわかりにくい見た目、取り外して食事ができるなどのメリットがあることで知られているマウスピース型装置を用いた矯正は年々進化を遂げ、ニーズも増えてきました。デジタル化が進み、一部では流れ作業化、大量生産といった本来の歯科診療から外れた対応により、トラブルが発生しているケースが表出しているようです。当院では、歯科医師である私自身が初回の無料カウンセリングに45分から60分の時間をかけて対応をします。「患者さんは、今何が気になっていて、何を治したいのか」に加え、ライフスタイルやお仕事の状況などについても詳しくお伺いし、その方の現状やニーズに即したより良い提案ができたらと思っています。
マウスピース型装置を用いた矯正をオーダーメイドで行う、ということですね。
当院ではマウスピース型装置を用いた矯正に力を入れていきたいと思っていますが、その大本には、マルチループ方式で骨格的な補正を考えながら歯並びをつくっていくワイヤー矯正の技術があります。マウスピース型装置を用いた矯正で多くの症例をカバーできるようになりましたが、マウスピース型装置では対応しきれないケースも中にはあり、その場合はワイヤー矯正で対応していくことになります。これらをしっかり診査・診断し、マウスピース型装置を用いた矯正を始める場合は計画を綿密に作成し、矯正中の歯並びのチェックもすべて私が対応します。複数のスタッフが入れ替わり立ち替わり関わるのではなく、矯正の入り口から出口まで私が責任を持って行うのが当院の強みであり、だからこそ、「オーダーメイドによるマウスピース型装置を用いた矯正」と自負しています。
矯正の計画はどのように立てていくのですか?

マウスピース型装置を用いた矯正では、多くの場合、歯科医院のスタッフが口腔内スキャナーで患者さんの口腔内のデータを取り、3Dシミュレーションで矯正計画を立て製造元に送り、製造元がAIを活用して作製したマウスピース型装置を患者さんにお渡しするという流れになっています。しかし現在、患者さんにより適したマウスピース型装置を作製するビッグデータが存在しているわけではなく、真の意味でフィットしたマウスピース型装置が高精度で完成するかといったらそうではないのが現状だと思っています。そのような中、当院では、計画を一つ一つ丹念にチェックし、歯を一本一本どうしていくのか何度も修正を重ね、製造元とやりとりをしながら進めてく流れになっています。デジタルを最大限に活用しながらも歯科医師の目や手を実際に使いながら精度を高め、患者さんに満足していただけるマウスピース型装置をめざしています。
小児用マウスピース型装置を用いた矯正にも対応
矯正時のお悩みにはどのようなものがありますか? また、3Dシミュレーションのメリットは?

一般的に、大人の方で多いのは、「噛み合わせが気になる」「見た目が気になる」といった、機能的な悩みと心理的な悩みですね。3Dシミュレーションでは、元の歯並びから矯正の過程を経ていく中で最終的にどうなるのか、その時系列の変化を患者さんと一緒に画像で確認することができます。必要に応じて矯正計画を複数作成し、その中から希望の矯正計画を選んでいただくことも可能で、「親知らずを抜きたくない」という患者さんには親知らずを抜くパターンと抜かないパターンの計画を立てることができます。そして、「予算を抑えたい」という患者さんにはマウスピース型装置の作製回数を少なくしたり、結婚式が近いという患者さんにはその時期をめざした計画を立てたりなど、患者さんご自身の要望やライフプランに合わせて臨機応変に対応できるところがメリットだと思います。
小児矯正にも力を入れているそうですね。
お子さんの歯並びを早い段階から気にかける保護者の方が増え、小児矯正の需要も高まってきていることを実感しています。小児期の歯列矯正は、ワイヤー矯正、床矯正などの治療法がありますが、さまざまなセミナーに出席して勉強する中で、子どもの矯正も、一部の難症例を除いてマウスピース型装置を用いた矯正が適していると考えています。この矯正法は歴史が浅く、ワイヤー矯正に比べて実績が悪い印象を持たれていますが、実はワイヤー矯正では難しい乳歯の移動や、未萌出永久歯の誘導に向いています。また後述するウイングを使った方法では下顎を前方に成長させることも望め、ワイヤー矯正ではうまくできなかった、口腔の成長へアプローチが可能となっています。上顎骨を骨格的に側方に成長させるためのシステムも開発されていて、今後さらに対応の幅が広がっていくと思います。
小児用のマウスピース型装置にはどんなものがありますか?

例えば、奥歯の横にウイングと呼ばれるでっぱりがついているマウスピース型装置があります。一般的にいわれる出っ歯、つまり上顎が下顎より出ている状態のお子さんにこのマウスピース型装置を使用します。大人の場合、顎の骨の成長は終わってしまっているため、抜歯したり、骨を削ったりする矯正を選ぶか、またはすべての歯を後ろに下げるための矯正を行うかの方法から選ぶことになりますが、本人の立場に立ってみるとどの方法もハードルが高いですよね。しかし、子どもの場合はマウスピース型装置を用いた矯正という選択肢があるわけです。また、子どものうちにマウスピース型装置を用いた矯正を受けることにより、大人になってからも矯正を受ける可能性が下がるというメリットも期待できます。年齢的には7~8歳から12歳くらいまでに受けるのがお勧めです。
デジタル機器を活用し、訪問診療における入れ歯作製も
開業にあたり、院内設計でこだわった点を教えてください。

オフホワイトと木目調のカラーコーディネートで、スタイリッシュ感や清潔感がありながらも患者さんがなるべくリラックスできる空間づくりを心がけました。照明も、シーリングライトよりもダウンライトのほうがスッキリしますので、ダウンライトを多めに使用しています。診療室は白めのダウンライトですが、カウンセリングルームにはあえて暖色系のダウンライトを設置し、温かい雰囲気の中で患者さんとゆっくりお話しできる環境を整えました。
歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。
もともとは医師のほうをめざしていたのですが、縁あって鹿児島大学歯学部に入学しました。卒業後、東京の池袋や埼玉県蕨市、千葉県酒々井町など関東地方のさまざまなクリニックで幅広い診療経験を積み重ねてきました。患者さんの主訴や年齢層もさまざまで、その方のライフスタイルに合う治療を提供することの大切さを学ぶことができました。その後、沼袋ソレイユ歯科・矯正歯科の院長を務めた後、当院の院長に就任しました。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

健康寿命が伸びたぶん、年を取っても自分の歯でおいしいご飯を食べたいと願うシニアの方が増えてきています。歯科医院に足を運べなくなった方には訪問歯科診療が必要になりますが、先端のデジタル機器を活用することで、訪問診療での入れ歯作製などにも活用できる可能性があると考えています。当院での治療にまい進しつつ、先端でありながら実用性の高い歯科医療を追求していきたいですね。歯並びをなんとかしたいと思っている方はもちろんのこと、ご自身の口腔環境を少しでも良くしていきたいとお考えの方は、どうぞお気軽に足をお運びください。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/66万円~、ワイヤー矯正/110万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。