耳鼻咽喉科で受けられる
睡眠時無呼吸症候群とアレルギーの治療
ともつ耳鼻科・アレルギークリニック
(宝塚市/中山寺駅)
最終更新日:2025/07/02


- 保険診療
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まるため本人が自覚しづらく、なかなか治療につながっていかない疾患の一つだ。しかし、治療せずに放置する期間が長くなると、心不全や脳卒中のリスクになりかねない。宝塚市にある「ともつ耳鼻科・アレルギークリニック」の鞆津匡宏(ともつ・まさひろ)院長は、大学病院や急性期総合病院の耳鼻咽喉科で、耳・鼻・喉・頭頸部の疾患やアレルギー疾患の治療・手術に携わってきたエキスパート。豊富な経験と温かな人柄を生かし「一人ひとりに合わせた医療」をめざしている。今回、睡眠時無呼吸症候群とその遠因にもなるアレルギー疾患の治療について話を聞いてみた。
(取材日2025年6月16日)
目次
症状の放置は健康を害するリスクに。おかしいと思ったら、まずは相談を
- Q睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気なのでしょうか?
-
A
▲睡眠時無呼吸症候群について説明している鞆津院長
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に一時的に呼吸が止まる疾患です。10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上ある場合に診断され、重症になると1時間に40回以上も呼吸が止まることがあります。原因はさまざまで、肥満、扁桃腺やアデノイドの肥大、加齢、アルコールや睡眠薬の使用、遺伝的要因のほか、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による鼻詰まりも関係します。治療せずに放置すると、高血圧や糖尿病の発症リスクが高まるだけでなく、薬物治療の効果が低下したり、狭心症、心筋梗塞、不整脈による心不全、脳卒中などの深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、できるだけ早期に診断を受け、適切な治療を開始することが非常に重要です。
- Qどのような症状がある時に受診すれば良いのですか?
-
A
▲資料なども使用しつつ、わかりやすい説明の実施を心がけている
睡眠時無呼吸症候群は、名前のとおり睡眠中に起こるため、本人が気づきにくい疾患です。もし家族やパートナーからいびきや無呼吸を指摘された場合は、一度は受診してみてください。また、日中の強い眠気や倦怠感、夜間の頻尿、起床時の頭痛、集中力や記憶力の低下などを感じる場合も、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。すでに生活習慣病で内科にかかっている方は、診察の中で睡眠時無呼吸症候群の可能性を指摘されることがあります。その機会を逃さず、治療につなげていきましょう。さらに、この病気は小児にも起こります。学習や成長にも影響を与えるため、お子さんでも気になる症状があれば、早めに専門家に相談することが大切です。
- Qこちらではどのような治療が受けられますか?
-
A
▲症状や原因に合わせて、一人ひとりに沿った治療を提案している
まず睡眠中の呼吸を調べるため、自宅で手指や鼻下にセンサーを装着し簡易検査を行います。この検査で睡眠時無呼吸症候群の重症度を判定し、重症の場合は手術適応の検討も含め、入院できる医療機関で1泊して行う精密検査をお勧めし紹介いたします。診断確定後、症状や原因に応じ適切な治療を開始します。代表的な治療法はCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)。無呼吸やいびきを軽減し睡眠の質を大きく向上させるため、鼻に装着したマスクから空気を送り気道を広げていきます。もちろん、原因疾患の治療や減量を含む生活習慣の改善も重要です。その他、手術やマウスピース治療をご希望の場合は適切な医療機関を紹介しますのでご安心ください。
- Qアレルギー疾患の治療は、どんな疾患が対象ですか?
-
A
▲複合的な症状に悩む患者のため、幅広く診療を行っている同院
当院のアレルギー科では、アレルギー性鼻炎や花粉症に対する診療だけでなく、気管支炎や気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、じんましん、食物アレルギーやアナフィラキシーショックに至るまで、幅広いアレルギー疾患の相談を受けつけています。アレルギー疾患は、一つの症状にだけというよりも複合的な症状に悩まされていることが多いと思います。原因も遺伝的な要素から後天的な要素までさまざまで、種類も無数にありますので、総合的に治療していくことが望ましいと考えています。当院では赤ちゃんからご年配の方まで、アレルギーに関する症状やお悩みに関して幅広く診療していますので、お気軽にご相談ください。
- Qどのような治療が可能なのでしょうか?
-
A
▲耳鼻咽喉科疾患に対するさまざまな治療機器がそろえられている
当院では、まず今悩んでいる症状を抑えることを最優先に治療していきます。症状や重症度に合わせて抗ヒスタミン剤やステロイド剤などの薬剤を適切に使用しながら患者さんとよく話し合い、その後の治療方針を立てていきます。花粉症など季節限定の症状であれば症状がひどい時期に対処するだけで良いかもしれませんし、通年性アレルギーの場合には舌下免疫療法なども検討していきます。アレルギー疾患は治療が難しいこともありますが、症状を大きく軽減し生活の質を保つため、適切な診断と治療をめざしています。治療法もどんどん進歩していますし、専門機関とも連携しますのでご安心ください。