鞆津 匡宏 院長の独自取材記事
ともつ耳鼻科・アレルギークリニック
(宝塚市/中山寺駅)
最終更新日:2025/04/18

中山寺駅から徒歩8分。閑静で自然豊かな住宅街にある「ともつ耳鼻科アレルギークリニック」は、2024年11月に開業した。同院を率いる鞆津匡宏(ともつ・まさひろ)院長は、大学病院や急性期総合病院で耳鼻咽喉科全般の一般診療や処置、手術に数多く携わり、耳・鼻・喉・頭頸部の疾患や、他科も含むアレルギー性疾患にも目を向け、幅広い悩みに対応している。精密な診断を実現するための充実した検査体制、親子が快適に過ごせるような工夫が至る所に施された院内も大きな魅力の同院。今回は、つい相談したくなるような優しい雰囲気の鞆津院長に、クリニックのコンセプトや診療へのこだわりなどについて詳しく聞いた。
(取材日2025年3月14日)
乳幼児連れの親子にも優しいクリニックを意識
温かみのある、すてきな院内ですね。

ありがとうございます。当院は目の前に保育園があり、小さなお子さん連れの親御さんがたくさんいらしているんです。そのため、お子さんが怖がらないようなクリニックの雰囲気づくりを意識しており、待合室は大きな窓を設けて黄色のソファを置いてみたり、エックス線室には魚の壁紙をあしらって気が紛れるようにしたりしました。ベビーカーや車いすの方も不自由なくいらしていただけるよう、入り口にはスロープを造り、廊下やお手洗いもスペースを広く取っています。お手洗いにはおむつ交換台や授乳室も用意しており、乳幼児と一緒の保護者の方がどなたでも利用いただける「赤ちゃんの駅」にも登録しました。安心していらしていただければと思います。また、隔離室も設置しており、感染症の予防に配慮しながら発熱患者さんにも対応可能です。
医師を志されたきっかけや、開業までのご経歴を伺います。
神戸市で生まれ育ち、私の父も耳鼻咽喉科の医師であり、開業している影響から同じ道を志しました。兵庫医科大学卒業後は神戸大学医学部附属病院に入局し、1年間は基礎的な解剖学や悪性疾患の手術などを学んだ後、大阪市西淀川区にある千船病院にて7年半ほど勤め、耳・鼻・喉・頭頸部といった耳鼻咽喉科全般の一般診療や、良性疾患の手術を担当していました。勤めてからしばらくして開業について考え始め、目の前に保育園のあるこの土地に出会い、2024年11月に開業。宝塚市には千船病院で勤務していた頃から保育園の健診で年に1回は訪れていたので、縁があったのかもしれませんね。
クリニックのコンセプトをお聞かせください。

先ほど申したとおり、当院の患者さんは乳幼児の小さなお子さんとその親御さんが多く、中高年や高齢者の方々もいらっしゃいますが比較的少ないほうではないかと思います。そこで、良い意味で医療機関らしくなく、誰もが気構えず相談に来られる場所にしたいという思いでクリニックをつくりました。特に小さなお子さんは医療機関に対し「怖い所、嫌なことをされる所」という印象を持ちやすく、連れて来られる親御さんも大変な思いをすることが多いと思うんです。少しでも恐怖心を拭えるよう、安心してもらえるクリニックの雰囲気づくりや、接し方を心がけています。
精密な診断を実現するための充実した検査体制
診療へのこだわりを教えてください。

精密な診断ができるよう検査機器や設備の導入に力を入れました。例えば、聴力検査を行うための遮音性が高い防音室、副鼻腔炎や喉の痛みを詳細に確認できるファイバースコープ、副鼻腔の形や周囲の骨壁の状態、粘膜の腫れなどを確かめるためのエックス線装置など。当院のエックス線装置は胸部撮影にも対応していますので、心臓や肺の異常が見つかった場合は、適切な医療機関にご紹介することも可能です。今後は聴力検査室を生かし、補聴器の選択や調整、メンテナンスなどの相談にも力を注いでいきたいです。また、質に配慮した医療を提供できるよう、積極的に勉強会に参加し、取り入れるようにしています。アレルギー領域は特にガイドラインの改定で次々と新たな情報が出るので、「5年前と同じ診療をしているようでは駄目だ」と考えています。今後も新たな情報や知識をいち早くキャッチアップすることを忘れず、患者さんに還元していきたいです。
アレルギー科についてはいかがでしょうか?
耳鼻咽喉科領域では、春の季節に多い花粉症などのアレルギー性鼻炎や、アレルギー反応によって引き起こされる好酸球性副鼻腔炎の治療を行っています。しかし、ピンポイントで耳鼻咽喉科にまつわるアレルギーだけにお悩みの方は少ないですよね。そのため、気管支喘息やアレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎やじんましんなどといった皮膚疾患、食物アレルギーなど、内科・小児科・皮膚科・眼科領域の疾患にもアプローチしており、今まさに診療を行いながら日々勉強しているところです。患者さんお一人お一人のアレルギー疾患に対して幅広い治療を行える医師となることをめざしています。
診療を行う上で、どのようなことを大切にされていますか?

患者さん一人ひとりに合わせた医療を提供することです。お仕事や学業、家事などで毎日忙しく、なかなか受診の時間を取ることが難しいため、詳細な検査は希望せず、ただお薬だけ欲しい方もいらっしゃいますし、一方でどの医療機関にかかってもお薬だけ処方されるけれど「何か快方に向かわせる手立てはないのか?」とお悩みの方もいらっしゃいますよね。そうした個人のご希望に合わせた対応ができるよう意識しています。症状を良くする方法を探られてお悩みの方には、さまざまな選択肢をご提案できるような準備も欠かしません。患者さんが満足いく医療を提供するために、初診時は特に、時間が長くかかってしまうこともしばしばあります。現在の課題として捉えていますが、このスタンスは変えずに良い方法を見つけていきたいと思います。
満足してもらえる治療を追い求めたい
患者さんとの接する際に心がけられていることはあるのでしょうか?

患者さんが何を求めているかを聞き出すようなコミュニケーションの取り方を心がけています。そして、以前の勤務先である千船病院で学び、今でも癖になっている私の診療スタンスは、その患者さんが満足するまでは定期的にフォローしていくことです。また、ただお薬を処方するだけでなく、そのお薬を使う意味や使い方について、一言でもアドバイスをお伝えするよう意識しています。例えば塗り薬であれば「1日1回は必ず塗ってください」、「この状態になったら、週に1回で良いですよ」などとお話しすることで、患者さんも治療に取り組みやすいのではないかと思います。
今後のご展望をお聞かせください。
手術や入院が必要となる可能性がある方や難治症疾患の方など、病気の状態によって適切な判断をした上で対応可能な病院をご紹介させていただいています。地域の基幹病院との連携をより強化し、患者さんに満足いただける医療を追い求め続けていきたいです。
最後に、読者や地域の方々に向けてメッセージをお願いします。

患者さんに満足していただけるような医療を提供するため精進していきたいと思います。気軽に足を運んでいただけるクリニックになっていけるよう、まずはこの地域に根づいていきたいです。どんな小さな症状でも「こんなことを相談しても良いのかな?」と悩まず、気軽にご相談しにいらしてくださいね。皆さんのご来院をお待ちしております。