久保 環 院長の独自取材記事
久保皮膚科
(西都市/日向新富駅)
最終更新日:2025/02/07

日本最大級の古墳群である西都原古墳群で知られる西都市の「久保皮膚科」。福岡県出身の久保環院長が2024年11月に開業したクリニックだ。夫が院長を務める「久保循環器内科医院」に隣接する場所で、一般皮膚科の他ウイルス性皮膚疾患、皮膚腫瘍に対応。落ち着いた色合いの外観で、屋根の下に配した星型の窓がポイントだ。25台分の駐車場を完備しているのも魅力。久保院長は宮崎大学医学部を卒業後、福岡大学病院での研修を経て、宮崎病院皮膚科や宮崎大学医学部附属病院で研鑽を積んできた。院内には手術室を設け、粉瘤(ふんりゅう)や脂肪腫といった良性腫瘍の治療を行う。患者一人ひとりの生活スタイルを踏まえた上で、それぞれに合った治療方針を立てているという久保院長に、同院の特徴から今後の展望までを語ってもらった。
(取材日2024年11月28日)
落ち着いた雰囲気でリラックスして過ごせるクリニック
開業にあたって、この地を選ばれた理由を教えてください。

まず一つは、4年前に夫が隣接する循環器内科のクリニックを開業したということ。もう一つの理由は、西都市を含む児湯地区には皮膚科が数軒しかないため、多くの方が宮崎市まで治療に通っているというのを耳にしたからです。ここで開業することで、地域の皆さんが遠くまで通わなくても良くなるなと思って。夫も私も宮崎県外の九州出身で、大学進学をきっかけに宮崎県に来ました。私は大学を卒業後、地元の福岡県に戻っていた時期もあったのですが、結婚を機に宮崎県に戻って来ました。2人とも宮崎県が好きで、特に西都市の自然や日本最大級の古墳群などの歴史的遺産に惹かれています。それも、2人がこの地で開業した理由の一つです。
クリニックの外観と内装のこだわりをお聞かせください。
外観は落ち着いていて親しみやすい雰囲気をめざしました。星型の窓は、私が星モチーフが好きなので設計士さんと建築会社さんに無理を言って作ってもらいました。待合室の内装も落ち着きのある感じにしてもらっています。皮膚科は検査をすることが多く、待ち時間が長くなることもあるため、少しでもリラックスした気分で過ごしていただければと思ってそのように設計をしました。さらに、1人ずつ座れるカウンターには、スマートフォンやタブレット端末を充電できるようコンセントを設けました。
なぜ、皮膚科の道に進まれたのですか?

父と姉が医師をしているので、自然と医学部をめざすようになりました。学生の頃は最初、病理学といった基礎医学や法医学が楽しそうだなと思っていました。でも、研修や実習を重ねるうちに患者さんと接する臨床のほうに行きたいと考えるようになりました。さらに、私は手を動かすのが好きなので、手術を行う診療科に進みたいなと考えるようになりました。そこで、福岡大学病院の研修では、形成外科と皮膚科を選び研修をさせていただきました。その一環として、皮膚科の外来で検査の方法を教えていただいた時に、症状の原因を追究していく面白さを感じたのです。皮膚科の疾患は、体外からの刺激が原因の場合もあれば、内臓や精神面が原因の場合があるという特徴にも興味を持ちました。皮膚科は、外科的な側面だけでなく内科的な側面を併せ持っているところも魅力です。また、症状の治療の過程が目に見えるので、患者さんと一喜一憂できる点にも引かれました。
患者それぞれの生活スタイルに合わせた治療を提供
治療で心がけている点はどんなことですか?

患者さんに症状や治療方法などを、わかりやすくお伝えすることを心がけています。皮膚科の疾患は原因を特定できないこともありますが、判明した場合は患者さんが理解できるようにわかりやすくお伝えし、薬の使い方もなるべく詳しくお話をしたいと思っています。また皮膚科の疾患は、水を使う仕事をしていたら手が荒れるといったように、生活環境や暮らし方なども皮膚に影響するため、患者さんからじっくりとヒアリングをした上で、一人ひとりに合った治療方針を立てたり、アドバイスをしたりしています。例えば、仕事で接触しているものが原因だとわかったときは、配置換えをしてもらうだけでも症状の改善が図れる場合があるので、そういったことをお伝えするようにしています。
開業されてからどのような患者さんが来院されていますか?
開業前は、比較的年齢層の高い方が来院されると思っていたのですが、開業してからは、お子さんや20代から30代の若い方が多く来院されたのは意外でした。西都市だけではなく、近隣地域の木城町や新富町、川南町からもお越しになっています。もちろんご高齢の方も多いです。施設に入っている方の場合は、疥癬(かいせん)が目立ちますね。当院には手術室があり週に1回手術日を設けているのですが、今のところ先のほうまで予約が埋まっている状態です。
こちらのクリニックでは、どういった手術をされているのですか?

小さなできものの他、皮膚にできた袋に角質や脂肪がたまって少しずつ大きくなる粉瘤(ふんりゅう)や、皮下の脂肪細胞が増殖して生じる脂肪腫といった良性腫瘍の手術ですね。ほくろの手術もします。ただし、ほくろは悪性腫瘍の場合は保険診療となりますが、明らかに良性の場合は自費診療となります。いずれにしても、できものができたり、赤くなって膨らんできたりしたら、ご自分で処理をするのでなくぜひご相談ください。
ちょっとしたことでも気軽に相談してほしい
先生の休日の過ごし方と、健康のために意識していることを教えてください。

おいしい物を食べるのが好きなので、宮崎県内の評判のお店をあれこれ探して巡っています。夫と行くこともあれば、仲の良い女性医師たちで出かけることもあります。私は2~3ヵ月に1回、福岡県の実家に帰省しているのですが、地元でももちろん、おいしいお店巡りは欠かせません。時には、東京や大阪まで遠征することもあります。健康のために意識しているのは、歩ける範囲は歩くことです。もちろん皮膚科の医師なので、日焼け止めを塗って日傘を差して日焼けと紫外線対策はばっちりです。日焼けは肌の老化に関わってくるので、完全防備をして出かけています。
これまでの医師人生の中で、印象に残っていることはありますか?
皮膚科の医師になった頃、全身熱症の患者さんの担当になったことがあります。その患者さんは手術も治療も行い、リハビリテーションまで終えた後、退院されました。それから3年くらいたったある日、外で食事をしていたら声をかけてくださった方がいたのですが、なんとそれは全身熱症の患者さんの息子さんだったのです。手術の説明をする時に同席していただくなど、接することが多かったため、覚えてくださっていたのでしょう。私に感謝の言葉をおっしゃってくださった時は、本当にうれしかったですね。プライベートで患者さんやご家族の方から声をかけられることは珍しいので、心に残っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

皮膚に関することで、ちょっとでも気になることがあれば「こんなこと聞いてもいいのかな」と思わずに、気軽にご相談にお越しください。皮膚科の疾患は原因が多岐にわたりますので、お話をお聞きした上できちんと検査をして、患者さんお一人お一人に合わせた治療をいたします。大がかりになりそうな場合は、県立病院や大学病院をご紹介いたしますのでご安心ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは色素性母斑/切除 5ミリ以下は1万円、それ以上は1万2000円
※CO2レーザーで除去の場合、5ミリ以下は8800円、それ以上は1ミリごとに2000円追加