長引く痛みの原因究明にも有用
マイクロスコープを使った歯科治療
まつのき歯科古河駅前クリニック
(古河市/古河駅)
最終更新日:2025/02/14


- 自由診療
肉眼では見えない部分まで視野を拡大できる歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」は、今や多くの歯科医院で導入されている。「マイクロスコープを使うことでしか、できない治療も増えている」そう語るのは、根管治療の専門家であり、マイクロスコープを使った歯科治療を得意とする中川寛一先生。同じくマイクロスコープによる歯周病ケアを得意とする歯科衛生士の清水直美さんとペアを組み、治療にあたる。2人が掲げるのは「精密根管治療と精密歯周病治療」。先進のマイクロスコープと熟練の技術を生かし、長年続く歯の痛みや重度の歯周病の改善をめざしている。中川先生と清水さんに、マイクロスコープを使った治療やケアについて詳しく話を聞いた。
(取材日2025年1月20日)
目次
根管や歯周ポケットの内側など肉眼では見えづらい箇所を詳細に映し出し、痛みを繰り返さない治療をめざす
- Q根管治療とはどのような場合に行いますか?
-
A
▲歯の根には神経や血管が複雑に通っており精密な治療が求められる
【中川先生】歯の神経や血管が通っている部分を根管といいます。虫歯が原因で根管の中を埋める歯髄が炎症を起こしたり、根管の先端が病気になったりした場合、痛みや腫れを取り除くために行うのが根管治療です。根管は、肉眼で確認するのが難しいほどの細い管が複雑に枝分かれしています。さらに、細菌に感染した箇所を一つでも取り残すと再発のリスクが上がってしまいます。以前は、根管治療となると歯科医師の感覚やエックス線写真などを頼りに、ほとんど手探りで診察・治療を行うしかありませんでした。しかし、マイクロスコープの登場によって、現在は肉眼では見えない部分まで視野を拡大することで、精密な歯科治療が可能となりました。
- Qマイクロスコープを使った治療の特徴を教えてください。
-
A
▲マイクロスコープを用いて治療をする中川先生
【中川先生】マイクロスコープは、視野の拡大に加えて歯の奥の影となっている部分を照らす照明と、搭載カメラによる撮影の機能が備わっています。そのため診察の段階からマイクロスコープを使うことで、痛みの原因が精密にわかります。私たちはこれまで根管や歯周病の治療を受けたにもかかわらず、痛みが取れないという患者さんに対し、マイクロスコープを用いて診察と治療を行うことが多いです。実際に見てみると、歯の中に細い治療機器の先端や治療に使う綿が残っていることも少なくありません。外科手術においては、マイクロスコープを使ったほうが痛みや腫れの軽減が期待できる上、良好な予後が見込めることもメリットの一つですね。
- Q根管治療ではどのような部分にこだわっていますか?
-
A
▲精密な治療をするためのツールとしてマイクロスコープを活用
【中川先生】根管治療を必要として来院される患者さんは、長い間治らない痛みや不快感に苦しまれている方がほとんどです。まずはそうした痛みや不快感を取り除くために、そして再び症状を繰り返さないためにも、マイクロスコープを使った原因究明と丁寧な治療に努めています。患者さんの中には「歯を抜きたくない」と相談に来られる方もいて、歯に亀裂や穴が開いている場合には、どうすればその歯を抜かずに残せるかを第一に考えて治療します。治療中は患者さんの感じる痛みを抑えられるよう心がけているほか、ゴムのマスクで対象の歯を隔離し、唾液の飛沫などによる細菌感染の予防も徹底して行います。
- Q歯周病治療についてはどのようなこだわりがありますか?
-
A
▲マイクロスコープを用いてケアをする清水さん
【清水さん】よくあるのが、長引く痛みを歯周病によるものだと思っていたら、実は根管に原因があったというパターンです。そもそもの原因の認識が間違っていると、どんなに治療をしても歯周ポケットの深さや痛みは改善しません。ですから、最初の段階でマイクロスコープを使って歯周ポケットをよく観察し、根管のトラブルが見つかった際には中川先生と連携しながら治療を進めていきます。根管と同様に歯周ポケットの内側はとても見えづらく、人間の目だけではどうしても限界があります。治療以前に、マイクロスコープをはじめ先進の機器を使って正確な原因を知るのが重要だということを、患者さん自身にもぜひ知ってもらいたいと思います。
- Qおおまかな治療の流れや治療期間について教えてください。
-
A
▲治療経過を資料で共有しながら、わかりやすい説明を心がけている
【中川先生】基本的には最初の来院でエックス線撮影や診察、必要に応じて歯科用CTやマイクロスコープによる撮影を行い、口腔内の状況や原因を把握します。そして次回から治療開始という流れになります。根管治療は1回の治療ですべて終わらせることもできますが、そうすると痛みを繰り返しやすいため、数回に分けて治療するのがお勧めです。
【清水さん】歯周病に関しては症状の程度によって治療期間に差があり、1ヵ月以内に終わる方もいれば、根管治療と合わせて1年以上かかる方もいます。歯周病治療で何よりも大切なのは、治療後の定期的な通院で症状の悪化を予防することです。治療後は最低でも半年に1回の来院が望ましいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはマイクロスコープを使った精密根管治療/13万2000円~、マイクロスコープを使った精密歯周病治療/22万円~、MTAセメントによる歯髄保存療法/1万6500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。