漢方薬は保険での処方もできる
市販薬にはないメリットとは?
クリニックプラス池尻大橋
(目黒区/池尻大橋駅)
最終更新日:2025/07/15


- 保険診療
長引く症状に困っているのに、検査では異常がない。そんなとき、漢方薬に救いを求める人もいるだろう。天然成分由来成分を複数ブレンドしている漢方薬は、体への負担が少ないイメージだが、リスクもある。「一つでもアレルゲンがあれば服用できません。だからこそ安易に市販の漢方薬に手を伸ばす前に、医師に相談してほしい」と注意を呼びかけるのが「クリニックプラス池尻大橋」の佐藤順一朗院長だ。内科・小児科に加えて漢方内科も診療科目に掲げ、さまざまな疾患、症状の治療に取り組んでいる。漢方薬の処方は保険適用されているが、「そのことをもっともっと多くの人に知ってほしい」と語る佐藤院長に、漢方とはどのようなものなのか、詳しく解説してもらった。
(取材日2025年6月20日)
目次
デリケートな処方が鍵となる漢方薬は医師の診断のもとでこそ本領を発揮する
- Qそもそも漢方とは何なのでしょうか。
-
A
▲長年漢方薬について専門的な研鑽を積んできた佐藤院長
漢方とは中国の中医学をベースに日本で独自に発展してきた伝統医学です。紀元前に中国で誕生した中医学。西洋医学とはまったく異なる論理体系を持つもう一つの医学といってもよいでしょう。現代の中国でも専門的に学べる大学があり、免許を取得して開業している中医師も少なくありません。また、中国の病院では中医師と西洋医師が協力して診療にあたるのが一般的です。そのような診療がSARSの被害を最小限に抑えることに大きく貢献したという報告もあります。
- Q中医学と西洋医学は具体的にどのような点が違いますか?
-
A
▲病気の前段階に着目し、体の兆候から診断・予防を行う
西洋医学では検査結果に基づいた治療を行います。一方、中医学では検査を実施するのではなく、患者さんの顔色、目、脈など、見たり触れたりしてわかることを手がかりに診断していくのが大きな違いです。それは、漢方でも変わりません。漢方でよくいわれる「未病」というのは、病気の一歩手前の状態のことです。未病段階に特有の兆候をつかみ、病気に進行させないように注力します。そうすることで、病気になってからの治療よりも早い回復も見込めます。つまり、漢方とは予防医学の一種でもあるのです。
- Q漢方はどのような症状にお勧めですか?
-
A
▲中医学的な診察方法による診断をもとに適切な治療を行う
例えば、梅雨時になると頭痛がするなど、天候の変化で症状が出るいわゆる気象病ですね。気象病はいろいろな検査をしてもどこにも異常が見つからず、様子見になってしまう例も少なくないため、漢方薬が適していると思います。また、西洋医学の検査では問題がなくても、漢方の観点からは問題が見つかる場合も多々あります。漢方では、エネルギー・パワー・栄養分などを表す「気」、血液そのものである「血」、水分を意味する「水」のバランスが崩れると病気になると考えます。こうしたアンバランスな状態を整えるために漢方薬を用いることも多いですね。
- Q漢方薬が合わない人もいるのでしょうか。
-
A
▲内科で対応困難な症状に漢方薬でアプローチを行う
漢方薬は天然由来の生薬を原料としています。生薬とは薬効成分を含む植物、動物、鉱物の全部または一部を加工したものです。漢方薬は生薬を2〜3種類、多ければ約10種類をブレンドしたもので、一つでもアレルギーがあれば使用できません。ただ、アレルギーさえなければ大人だけではなく子どもでも服用できます。一方、西洋薬は化学的に合成されたものですが、漢方由来のものもあります。例えば便秘薬のセンノシドはセンナ、強心剤などに使うエフェドリンは麻黄という植物に含まれている成分と同じものです。
- Q市販の漢方薬を服用している人も多いですよね。
-
A
▲漢方に詳しい医師のもとで診察を受けてほしいと話す
確かに漢方薬はドラッグストアでも簡単に購入できます。しかし、漢方薬は自己判断で選ぶと間違ったものを選んでしまうリスクがとても高いです。西洋医学のようにこの症状にはこの薬と1対1で決まっているわけではないのが漢方の難しいところです。例えば、咳一つとっても、体調の変化などによって使用すべき漢方薬は刻々と変わっていきます。保険診療での処方もできるので、市販薬よりもコストがかからないというメリットも見逃せません。理論的にはすべての疾患に対応できますが、保険診療では使えない漢方薬もあります。まずは、漢方に詳しい医師の診断を仰いでみてはいかがでしょうか。