清水 達哉 院長の独自取材記事
清水歯科あさぶクリニック
(札幌市北区/麻生駅)
最終更新日:2025/06/09

札幌市営地下鉄南北線・麻生駅より徒歩1分という好立地に、2024年7月に開業した「清水歯科あさぶクリニック」。歯科口腔外科を専門とする歯科医師として研鑽を重ねてきた清水達哉院長が、オールマイティーな歯科医院をめざし、一般歯科から、審美歯科、インプラント治療といった専門的な診療まで幅広い歯科治療に対応している。院内は、広々とした個室やキッズスペースなどを設け、それぞれの患者がリラックスして受診できる環境を整備。「歯のことで気になることがあれば、なんでも相談できるかかりつけ医をめざしています」と、話す清水院長に、開業の経緯やクリニックの特徴、今後の展望などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2025年3月26日)
より日常に近いところで患者に貢献できる歯科医師へ
基幹病院での勤務が長かったそうですが、開業のきっかけをお聞かせください。

大学病院のように大きな病院では、町のクリニックでは治療できない難症例の手術を多く担当してきました。口腔外科を専門とする歯科医師として、技術を追求していく道もありましたが、患者さんの日常にもっと近いところでクオリティーの高い治療を提供したいという想いを持っていました。例えば、町のクリニックでは対応しておらず、大きな病院へ紹介されることの多い、根管治療や外科的な治療にも対応しながら、皆さんの悩みに寄り添いたいと考え、当院を開業しました。新琴似で38年診療を続ける本院の「清水歯科クリニック」を拡大することも検討しましたが、思い描く幅広い治療を実現するため、この地で分院として新たにオープンすることとなりました。
先生が口腔外科の歯科医師の道を選んだ理由は何だったのでしょう。
本院の「清水歯科クリニック」は父が1985年に開業したクリニックで、地域の患者さんに寄り添い頼りにされる姿を幼い頃から見てきました。私自身、もともと手先を動かすことが好きで器用だと言われることが多かったこともあり、外科の医師にも魅力を感じましたが、口腔外科や歯科治療は毎日の治療が外科治療のようなものだと気づいたんです。患者さんの日常に近い場所で、密に接することができる仕事のやりがいにも魅力を感じ、北海道大学歯学部へ進学しました。大学卒業後、大学院では骨の再生・治癒の基礎研究に取り組み、データや根拠に基づいて治療をする考え方が身についたと感じます。博士号取得後は、大学病院や基幹病院で口腔外科を専門として研鑽を重ねました。
きれいな内装で細部までこだわりを感じますが、クリニックづくりで力を入れたポイントはありますか?

院内の設計・間取りは、私が自ら考えました。患者さんとスタッフの導線や、実現したい治療内容を加味して、個室やキッズルームなどの配置を考案。自分が患者さんだったら、どんな歯科医院に通いたいかを考えてこだわりましたね。個室でなければ、ユニット7台は置けるスペースがありますが、あえて4台とし、患者さんの快適性を優先。珍しいのは、左右に2台のユニットを設置した広い診察室です。状況に応じて患者さんお二人まで同時に対応できるように造った空間です。あとは、窓が少なくても明るく開放感のある空間にと考えた照明や、アーチをアクセントに取り入れた内装も工夫したポイントです。カウンセリングルームやホワイトニング専用の部屋もあります。アクティビティールームは、お子さん連れの待合室としても使えますし、小児のお口のトレーニングを行う空間としても活用するため、楽しく過ごせる空間となっています。
先進の技術を積極的に導入し、患者に還元
お子さんのお口のトレーニングとは、どのような内容でしょうか?

小児のお口のトレーニングは、こちらを開業して実現したかった治療の一つで、専門用語では口腔筋機能訓練といいます。子どもの歯並びが悪くなる原因は、遺伝などもありますが、舌の位置や舌の出し方、飲み込む際の唇の動かし方も含む原因から顎の成長がうまくいかず、顎が小さくて歯が入りきらなくて歯並びが悪くなるケースがあります。それをトレーニングによって、自然できれいな歯並びへ誘導するのが、口腔筋機能訓練です。ワイヤーやマウスピース型装置で無理やり歯を動かすというよりは、自身の舌や唇の力を正常にすることで発育を促し、歯をきれいに並べる効果が期待できます。具体的には、月1回親御さんと一緒にアクティビティールームで口や体を動かす筋トレ・呼吸や姿勢を整えるトレーニングなどを実施。お家でも、1日5分のトレーニングを行っていただき、必要に応じて寝る前に1~2時間マウスピース型の咬合誘導措置をつけてもらいます。
新しい技術も積極的に診療に取り入れていると伺いました。
日々進化する歯科治療に対応できるよう、歯科用CT、口腔内スキャナー、マイクロスコープなどの先端技術を積極的に導入し、患者さんにご満足いただける「精密な治療」をめざしています。マイクロスコープ自体、町のクリニックでの導入するのはまだ珍しいと思いますが、当院では一般的なのぞき込んで治療するタイプの機械と、モニターに映し出せる機械があります。患者さんにモニターを見ていただくと状態が一目瞭然で、治療説明がわかりやすくなりますし、動画や写真も撮れるので治療のビフォー・アフターを保存して患者さんにお見せしています。
院内でできる治療の幅が広いのですね。
ほかにも、かぶせ物を製作できるCAD/CAMシステムとミリングマシンも導入しました。歯科技工所に送らなくても院内で製作できるので、仕上がりが早いことはもちろん、私がデータを取って厚みの調整なども行うことから、一人ひとりの患者さんに柔軟に対応できる体制となっています。また、滅菌・消毒は世界水準の機器を導入。口腔外科で数々の手術経験を生かし、感染予防対策であるスタンダードプリコーションも徹底。安心して受診いただける環境づくりに努めています。
患者への思いやりを第一に、丁寧な口腔ケアをサポート
診療のポリシーや心がけはありますか?

当院のコンセプトは「大切な人に受けてほしい治療を」です。患者さんお一人お一人を「自分の家族や大切な人」だと思い、自分の大切な人にしてあげたい治療を、皆さんに提供することをめざします。これは本院が開業し、分院である当院ができても、ずっと変わらない私たちのポリシーです。日々の診察で心がけていることは、患者さんとのコミュニケーションが一方通行にならないように気をつけています。歯科医師として知識と技術の習得に励み、最良の治療を提案するよう心がけていますが、押しつけるのではなく、それぞれの治療のメリット・デメリットをきちんとお伝えし、患者さんとともに悩み、一緒に決めていきたいのです。自分だったらそういう歯科医院に行きたいですし、そういう先生に見てほしいと思いますから。患者さんに寄り添う姿勢は父から学んだ部分が大きいです。
痛みに配慮し、麻酔にもこだわっているとか。
麻酔を得意とする父が「痛みをなくすための麻酔が痛かったら本末転倒だ」と、よく言っていて。理論上なるべく痛くない箇所に、痛くない速度で、ゆっくりゆっくり入れるという教えを、私もシビアに守っています。一番大切なのは、痛くないようにしてあげようという思いやりなんです。なので、患者さんから「もう針を打ったの?」「もう終わったの?」と驚かれるような処置ができるように、鍛錬を重ねてきました。父はいわゆる地域のかかりつけ歯科医院として40年診療を続けています。父の専門は補綴歯科ですが、麻酔を含めた治療全般、腕が良く、小さい頃は、自分の歯は絶対に父に診てほしいと思っていました。今は自分も歯科医師となったわけですから、自分の歯は自分で治療したいと自信を持って言える歯科医師になりたいですね(笑)。
読者へのメッセージをお願いします。

目標は、当院でほとんどの患者さんのお悩みを解決することですね。もちろん口腔がんの治療など、当院で対応できない難症例は、信頼できる大きな病院を紹介しますが、できる限り患者さんをたらい回しにしたくないという想いがあります。せっかく当院を頼って受診してくださっているのですから、できる限り断らず、自分の手で治してあげたいと思っています。おかげさまで開業以来、毎月新規の患者さんにたくさんお越しいただいています。私としては、数をたくさんこなすというより、一人ひとりを大切な人だと思って丁寧に治療することを心がけているので、何か困ったことがあれば気軽にご相談いただければと思います。どうすれば解決できるか一緒に考えていきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/32万円~、小児矯正/30万円、セラミックによる修復治療/6万6000円~(1本)、ホワイトニング/1万5000円~(片顎)、マウスピース型装置を用いた矯正/40万円~