経験豊富な医師が提案
患者のライフプランを見据えた腹腔鏡手術
芦屋ウィメンズクリニック
(芦屋市/芦屋駅)
最終更新日:2025/04/15


- 保険診療
腹腔鏡手術とは、腹腔鏡と呼ばれる細長いビデオカメラでおなかの中を拡大視しながら、子宮筋腫や子宮内膜症の病変、子宮や卵巣などの臓器を切除する手術。豊富な経験や高度な医学知識、腹腔鏡の緻密な操作テクニックが求められる。JR神戸線・芦屋駅からすぐの場所にある「芦屋ウィメンズクリニック」の錢鴻武(せん・こうぶ)院長は、腹腔鏡・子宮鏡を用いる内視鏡手術、婦人科疾患、女性骨盤底医学の分野において研鑽を積んできたドクター。これまで数多くの内視鏡手術を手がけてきた。現在も提携している市立芦屋病院で多くの腹腔鏡手術を行っている。高度な技術を要する腹腔鏡手術の特徴や注意点、同院で提供している出張手術によるトータルサポートについて聞いた。
(取材日2025年3月15日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q腹腔鏡⼿術はどういうときに対象となりますか?
-
A
すべての婦人科疾患が対象になりますが、代表的なのは子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫です。いずれも、未来の生活や妊娠に影響する可能性があります。例えば、子宮内膜症は本来子宮の内側にしか存在しない子宮内膜組織が、それ以外の場所で炎症や出血を起こす病気で、進行すると月経困難や不妊の原因になることも。子宮筋腫にも同じことが言えます。手術には、卵巣にできたチョコレート嚢胞などの嚢腫を切除する手術、痛みの原因となる骨盤深部の病巣を切除する手術、妊娠の妨げになっている筋腫を摘出する手術などがあり、患者さんの症状やニーズに応じて術式を決定。小さな切開創から内視鏡カメラを入れ、患部を拡大視しながら行います。
- Q術式はどのように決めるのでしょうか?
-
A
患者さんが手術に何を期待し、何を目的に手術をするかで変わります。目的が病変の根治なのか、機能の温存なのか、その人の病態や年齢、妊娠を考えているか、いつ頃考えているのかなど、詳しく話を伺った上で術式を判断します。また手術のタイミングも考慮する必要があります。例えば、子宮筋腫は再発するリスクがあるので、仮に妊娠の具体的な予定がまだない時点で手術をすると、数年後に実際妊娠しようとしたタイミングに、また手術が必要なこともあります。長期的な目線で経過を見ながら、今の状態はどうなのか、妊娠に向けて手術をすべきなのか、手術をせずにも積極的に妊娠をトライすべきなのかなどを患者さんと一緒に検討していきます。
- Q腹腔鏡⼿術のメリットは何ですか?
-
A
世間一般的には、開腹手術と比べて傷が小さい、痛みが少ない、傷が目立たない、社会復帰が早いなどの表層的なことがメリットとしてフォーカスされることが多いですが、腹腔鏡の何よりのメリットは患部を拡大視できること。今、カメラの性能はものすごく上がっていて、4K画質の高解像度の映像を見ながら手術を行います。ですから肉眼よりもはるかによく見えるわけです。また、おなかに入れたカメラは、骨盤の深いところや狭いところにも入ることができ、開腹手術よりも組織を間近で観察できます。例えば卵巣腫瘍の手術では、卵巣の正常な部分と腫瘍の境目、そこにある細かい血管もよく見えるので、開腹手術よりもきめ細かな手術が可能です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・診察
-
問診票は来院前にオンラインで入力。それをもとに医師による問診が行われ、症状、既往歴などが確認される。また、近い将来、具体的に妊娠を計画している場合は、不妊治療など生殖医療に対しての向き合い方を事前にパートナーと話し合っておくことも重要だという。問診後は内診や超音波検査を行う。診察・検査結果から、手術の適応と判断された場合、今後の方針について話し合う。
- 2手術前準備
-
手術適応となった場合、腹腔鏡⼿術は市立芦屋病院で行う。患者の希望を聞いた上で、手術の術式、私立芦屋病院で行われる術前検査と手術の日程を決めていく。ここまでをすべて同院で行う。初診から手術までの段取りをワンストップで対応できるのが同院の強みだ。入院までは、別日に1日だけ市立芦屋病院へ足を運び、手術前に必要な検査と手術の説明、入院についての案内を受けるだけ。市立芦屋病院での手術説明も錢院長が自ら行う。
- 3病院にて⼿術を受ける
-
市立芦屋病院で錢院長による⼿術を受ける。手術時間は、1時間足らずで終わる手術もあれば、4~5時間かかるものまであり、患者の病態により異なる。前日の午後に入院して翌日朝に手術をするパターンと、当日の朝に入院して午後に手術をするパターンがあるが、術後は2~3日目には退院できる。錢院長が執刀した場合は、次の外来予約までに何かあれば、ホットラインで24時間連絡できる体制を取っている。
- 4手術と病理検査の結果説明
-
退院前に、行われた手術の説明を受ける。同院は情報をオープンにするのがポリシー。手術の写真などを見せながらわかりやすく、かつ詳細に説明する。手術時の写真も渡してもらえる。術後2~3週間後に、クリニックに来院し、錢院長から病理検査の結果報告を受ける。また患者の要望に応じて不妊症クリニックなどを紹介する場合は、紹介先医療機関への情報提供も併せて行っている。
- 5継続的なケアのために定期通院
-
疾患に対して根治的な手術を行った場合は、術後3ヵ月ぐらいで傷が治癒すれば、手術に関する定期通院は一般的には終了となる。ただし、子宮内膜症で温存手術をした場合などは、再発を予防するための薬物治療や、積極的に妊娠に進めていく人は、引き続き妊娠に向けてのサポートが行われるという。