甲状腺疾患は専門のクリニックで
迅速な検査と確かな治療を
とつか駅前糖尿病・甲状腺クリニック
(横浜市戸塚区/戸塚駅)
最終更新日:2025/01/15


- 保険診療
甲状腺疾患は女性に多い病気だ。更年期障害、不妊症、うつ病などを疑ってクリニックを訪ね、実は問題があったのは甲状腺だったとわかるケースも少なくない。「別の病気とされたまま、治療が遅れてしまう方もいます。甲状腺疾患はわかりにくいので、できれば専門のクリニックに相談してください」と注意を呼びかけるのが「とつか駅前糖尿病・甲状腺クリニック」の田島一樹院長だ。日本内分泌学会内分泌代謝科専門医として、長年にわたり横浜医療センターで甲状腺疾患に携わってきたスペシャリストでもある田島院長。バセドウ病と橋本病を中心に、甲状腺疾患の気になる初期症状や検査や治療について詳しく解説してもらった。
(取材日2024年12月18日)
目次
女性に多いバセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患。長期の治療が必要だからこそ専門のクリニックに相談を
- Q甲状腺疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。
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A
▲2024年11月に開院。糖尿病、甲状腺の治療に力を入れている
甲状腺とは喉仏の下にある蝶のような形の臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは全身の代謝や成長を調整する働きがあり、多すぎても少なすぎてもいけません。甲状腺疾患はバセドウ病、橋本病がよく知られていますが、いずれも甲状腺ホルモンに関する何らかの自己抗体ができる自己免疫疾患です。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるバセドウ病は20代から40代の女性に比較的多いですね。一方、橋本病は、甲状腺に慢性の炎症が起こる疾患で、20代後半以降、特に30~40代に多く見られます。いずれも自覚症状があまりないため発見が遅れがちなので注意してください。
- Q甲状腺疾患の初期症状について教えてください。
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A
▲甲状腺疾患について研鑽を積んできた田島院長
バセドウ病は体重低下・動悸・異常発汗などが見られます。一方、橋本病は無気力・記憶力低下といった症状があり、精神疾患や更年期障害を疑う方もいます。心療内科や婦人科で血液検査をして橋本病がわかることも。甲状腺の機能異常は不妊とも関連があり、不妊症治療を始めて甲状腺疾患が発覚する方もいますね。また、健診で甲状腺が大きいと指摘されたら、できるだけ早く甲状腺内科を受診することをお勧めします。初期の橋本病を知らせるサインの可能性がありますが、甲状腺を専門としている医師でなければ見分けが難しいからです。橋本病の進行とともに甲状腺は萎縮することもあり、初期段階の腫れを見逃さないのが大事ともいえます。
- Qどのように甲状腺疾患の検査を行うのでしょうか。
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A
▲触診で甲状腺の大きさやしこりの有無などをチェックする
まず、甲状腺が腫れていないか視診をして、しこりができていないか触診をします。次に血液検査によって、甲状腺ホルモン、下垂体から分泌され甲状腺を刺激する働きを持つ甲状腺刺激ホルモン(TSH)、自己抗体などの濃度を測定。超音波で甲状腺の形態を見ることも欠かせません。橋本病は表面がゴツゴツしている傾向があり、またバセドウ病は、甲状腺内部の血流が豊富であることが多いです。ただ、甲状腺エコーは一般的なクリニックで行っているところは少ないので、しっかり検査をするのであれば、甲状腺を専門とするクリニックを受診したほうが良いでしょう。
- Qバセドウ病と橋本病の治療はどんなことをしますか?
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A
▲超音波検査を活用し、甲状腺の機能の確認も
バセドウ病は薬物療法、アイソトープ治療、手術の3つの段階があります。まずは甲状腺ホルモンの産生を抑えるための薬を副作用に注意しながら服用。改善が見込めない場合は、専門病院での放射性ヨウ素が入ったカプセルを服用するアイソトープ治療や手術などを検討します。一方、橋本病は血液データを考慮して、甲状腺ホルモンが不足しているようならば甲状腺ホルモン剤を投与。治療開始時は、バセドウ病だと2〜3週間に1回、橋本病は1ヵ月に1回程度の通院が必要ですが、症状が落ち着けば2〜3ヵ月ほど間隔を空けることも可能です。いずれも、症状が改善したか否かにかかわらず、自己判断で治療をやめないようにしてください。
- Qこちらでの甲状腺疾患の治療の特色についてお聞かせください。
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A
▲手術が必要な場合は、連携している病院へスムーズな紹介を実施
例えば、一般的なクリニックでは甲状腺ホルモンに関する検査結果が出るまで数日かかりますが、当院では当日中に結果が判明する医療機器を導入しています。過去のデータではなく現状に基づいて適切な治療をすぐに開始できるのは大きなメリットといえるでしょう。また、バセドウ病、橋本病はもちろん、甲状腺腫瘍の診断に有用な甲状腺エコー検査も院内で受けていただけます。甲状腺腫瘍における穿刺細胞診が必要な場合や、バセドウ病で手術やアイソトープ治療が必要な場合は連携医療機関へ紹介しております。軽症の方から重度の方まできめ細かに対応しているので、気軽にご相談ください。