川畑 和幸 院長の独自取材記事
かずゆき目のクリニック
(上益城郡嘉島町/南熊本駅)
最終更新日:2025/04/18

上益城郡嘉島町にある「かずゆき目のクリニック」は、大学病院やクリニックでの診療経験が豊富な川畑和幸院長が2024年7月に開院した眼科クリニックだ。川畑院長の専門は網膜疾患だが、子どもから高齢者までの目の疾患を幅広く診ている。結膜炎やドライアイといった疾患はもちろん、網膜疾患や緑内障など専門的な疾患の診療にも対応する他、白内障については先進の機器をそろえて安全性に配慮した手術に努めている。「幼少期に目にけがをして長い期間にわたり眼科に通院した経験があるので、患者さまの気持ちや、目が見えにくいといった感覚がよくわかるんです」と語る川畑院長は、寄り添う医療で地域のかかりつけ医として奮闘している。今回は、クリニックの特徴、白内障や緑内障の治療法、地域医療にかける思いなどを聞いた。
(取材日2024年11月14日)
長い患者経験を持つ、患者の気持ちがわかる眼科医
眼科医を志したきっかけを教えてください。

7歳の時、友達と外で遊んでいて黒目の部分を切ってしまったんです。すぐに眼科で治療をしてもらいましたが、その後、白内障や網膜剥離になるなどして、30歳頃までずっと眼科に通院していました。そのため、医師をめざそうと決めた後は、自然と眼科を選択していましたね。これほど長い患者経験を持つ眼科医は、なかなかいないと思います。そのため、患者さまの気持ちや、物が見えないという感覚、医師として患者さまにどう接すべきかといったことを考えるようになりました。もちろん、患者さま目線での医療を心がけていますし、患者さまの痛みがわかることが私の強みでもあると思っています。幸い、目のほうは良い先生に恵まれ、しっかり治療していただきました。
開業した理由と、この場所を選んだ理由を教えてください。
もともとは総合病院に勤務していましたが、開院する前は熊本県球磨郡の眼科で約2年間、院長として勤務しました。周辺に眼科が少なかったため、多くの患者さまを診察していました。クリニックの院長を務めたことで、地域医療に貢献することの重要性をひしひしと感じるようになったんです。また当時、妻が別のクリニックで事務長をしており、夫婦でさまざまなことを話し合ううち、具体的な次のビジョンが見えてきました。その後、妻が上益城郡医師会のクリニックで働いていたのをきっかけに、私も上益城郡地域の医師とふれあう機会が多かったんです。そうしたご縁を大切にしたかったことと、地域への貢献ができればと思い、この場所で開業することにしました。高齢者が多い地域ですが、近くで大規模な宅地開発が行われている関係で若い世代が増えているので、小児の患者さまも数多く来院されます。
開院する際、どのようなビジョンをお持ちでしたか?

さまざまな疾患に対応ができるように、多くの医療機器を導入しました。需要の多い白内障の手術に特化した機器はもちろん、私の専門である加齢黄斑変性症や糖尿病網膜症など網膜疾患の治療のため、光干渉断層計(OCT)検査機器などの先進の機器も導入しています。診療内容は、基本的に一般眼科と小児眼科です。結膜炎やドライアイから、白内障、緑内障、網膜疾患など専門的な疾患まで幅広く診療しています。地域に根差しながら、かかりつけ医として、専門的な治療を提供できるクリニックでありたいと思っています。
豊富な経験と先進の機器で行う白内障手術
その他にこだわった点を教えてください。

目のことでお困りの方が気軽に通える、来院ハードルの低いクリニックをめざしています。そのためクリニック名も親しみを持っていただけるように、地名や苗字ではなく名前を平仮名にして、「◯◯眼科」だと堅くなるので、わかりやすく「かずゆき目のクリニック」としました。クリニックのロゴは、愛犬のシーズーをモチーフにユニークなイラストにしました。眼科なので色にもこだわりました。例えば、内装は落ち着いたグレーを基調に、手術室は清潔感を出すためにライトブルーを、手術前後のリカバリー室はリラックスできるように緑を用いています。また、白内障手術後の見え方を楽しんでいただけるようアクアリウムを置いたり、絵を飾ったりもしています。
白内障の手術について教えてください。
「視力が落ちた」「視界がかすむ」「日差しや照明が異常にまぶしい」「ものが2重3重に見える」などが白内障の主な自覚症状です。80歳以上の白内障の有病率は100%です。免許更新で指摘され、普段の生活では特に困っていないけれど来院すると白内障だとわかる患者さまも多くいらっしゃいます。当院では、日帰りでの白内障手術を行っております。手術時間は10分程度です。リラックスして手術を受けていただけるように手術では笑気ガスを吸入いただいています。先端の白内障の手術に特化した機器や手術用顕微鏡を導入して、安全な手術を心がけています。また、私はこれまで数多くの手術を経験しており、技術にも自信がありますので、白内障でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。
専門の網膜疾患では、どのような治療をしていますか?

加齢黄斑変性症は、ゆがんで見えたり、真ん中の見たい部分が見えなかったり、視野が欠けるといった症状が出ます。当院では硝子体注射による治療を行います。再発が多い病気のため定期的な注射が必要です。完治は難しいのですが、薬の有用性を長く維持させ再発を防止することをめざします。新薬が次々に発売されているので、当院ではできるだけ新しい薬を処方して治療にあたっています。糖尿病網膜症は、糖尿病の罹患歴が長くなるほど起こりやすくなります。症状が現れにくく、気づいた時にはかなり進行しています。そのため、糖尿病を罹患している方は、定期的な検査が必要になります。なかなか眼科へ行こうとは思わないかもしれませんが、当院では広角の眼底カメラを導入していますので、写真を1枚撮るだけで糖尿病網膜症のスクリーニングが可能ですので、ぜひ受診してください。なお、手術が必要な網膜疾患の場合は、速やかに適切な医療機関を紹介します。
早期発見・早期治療が重要な緑内障
緑内障も増えているそうですね。

緑内障とは、目の奥にある視神経が傷んでいくことで、視野が狭くなっていく病気です。40歳以上の20人に1人が緑内障と言われ、成人の失明原因の第1位でもあります。視野が狭くなり始めても、もう片方の目が補ってしまうため、数年放置してしまう患者さまが多いんです。気づいた時には中心付近まで視野が狭くなっているといったケースもあります。一度狭くなった視野は、現在の医学では元に戻らないため、何より早期発見・早期治療が重要な病気です。検診で緑内障が疑われたら、早めに眼科を受診してください。
診療に際して心がけていることはありますか?
患者さまに、当院に来て良かったと思っていただくことを第一の目標にしています。数ある眼科の中で、当院を選んで来てくださっているので、帰宅される時には少しでも不安なお気持ちが解消できていることを心がけて診療にあたっています。患者さまの症状は一人ひとり違いますので、まずは患者さまの話をしっかり聞くことがなにより大切だと思います。目の疾患の場合、どんな症状なのかは伝えるのが難しいのですが、どんなことで困っているのかを知るためにも、初診の方は特に時間を取り、患者さま目線で話を聞いています。治療後の患者さまの笑顔を見ることができると、医師になって良かったと思いますね。
読者へのメッセージをお願いします。

現代は近視の子どもがとても増えています。近視は8〜13歳が最も進みやすいので、検診などで視力低下が見られた時は、早めに来院していただきたいと思います。予防はもちろん、目を酷使しない生活注意も大切です。適切な眼鏡やコンタクトレンズを使用することも重要ですので、眼鏡やコンタクトレンズを作る場合も、眼科専門の医師が目の状態を診察した上で作ったほうが良いでしょう。度数が合わない、レンズが目にフィットしないといったトラブルも起こりませんし、必要に応じて目の治療を行うこともできます。また、高齢の方は、白内障や緑内障が進行していることもありますので、気になる症状がございましたら気軽にご来院いただければ幸いです。子どもからお年寄りまで、どのような患者さまでも幅広く診察し、地域のかかりつけ医になれるよう、この場所で長く診療を続けていきたいと考えています。目のことでお困りの方は、気軽にご相談ください。