近藤 元 院長の独自取材記事
こころ歯科県央クリニック
(三条市/燕三条駅)
最終更新日:2024/12/11

燕三条駅燕口から徒歩10分、2024年10月に開院した「こころ歯科県央クリニック」。歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科と幅広い治療を提供し、地域住民の歯と口腔の健康をバックアップする頼れるサポーターとして新たに加わった。新潟市内の歯科医院で長年経験を積み、今回新たに院長という責務を担う近藤元院長。その挑戦の背景には、物作りの町として世界的に有名な地域への深い愛着と尊敬、先進のデジタル技術を活用した歯科医療への情熱がある。開業から約1ヵ月、「当院にご来院いただいた患者さんは家族同然です」と言う近藤院長に、クリニックの理念や地域医療への思い、そしてめざす未来像について話を聞いた。
(取材日2024年11月13日)
「物作りの町」で歯科医師として貢献したい
開業地のこのエリアの魅力を教えてください。

燕三条は日本国内でも製造業が盛んなエリアとしての歴史を持ち、代々古くからこの地にお住まいの方もいらっしゃいますし、その「物作りの町」や豊かな自然環境に魅了され、近年では若い世代の移住も増えています。古さと新しさが混在していて、これからの新潟全体を活性化していく火種となるエネルギーにあふれるエリアだと思います。私自身は今までこちらのエリアに縁がなかったのですが、そういった文化背景の中で希望を持ってこの地域で頑張っていきたいという方々のお口の中や健康面の一助になれればと考え、最終的に開業地として決めました。患者層もバランスがいいといいますか、いろいろな方とコミュニケーションを取れるところが大きな魅力ですね。
開業されて1ヵ月ですが、印象はいかがですか?
私が当初予想していたよりも、ご自分の歯とお口の健康への関心や意識、いわゆる「デンタルIQ」の高い患者さんが多い印象です。勤務医として働いていた以前の歯科医院は、ファミリー層や高齢の方が多く、患者さんのニーズに合わせて保険治療が中心だったのですが、こちらでは自費診療を希望される方も多いですね。当院では保険診療や自費診療のくくりに捉われず、患者さん一人ひとりに合った治療をご提案して丁寧に説明しています。皆さん、こちらの話をしっかりと理解した上で治療内容を吟味してくださるということも、結果的に自費診療を選択する患者さんの多さにつながっているのだと思います。
自費診療のメリットはどんなところでしょうか?

自費診療は高額なイメージですが、長い目で見れば、保険診療よりメリットがあるケースも多いんです。詰め物、かぶせ物などの修復物で長持ちする高品質の材料を使えますし、虫歯や歯周病の進行を抑える上でも有用です。とはいえ、まだまだ保険診療が一般的という現状ですので、開業前に考えていたことは、まずは定期的に来ていただいて、自費診療についてじっくり時間をかけてご説明しながらそのメリットを理解してもらい、数年後に自費診療を選択していただいて理想的な治療につなげる、という流れでした。ところが意外と初診の時からホワイトニングやセラミックなど自費診療メニューに興味のある方や、選択される方が多くいらっしゃったんです。理想の治療を突き詰めていくと、やはり自費診療のほうがメリットが大きいため、歯科医師として私の考えるより良い治療を、患者さんと一緒に追求できるのはうれしいことです。
先進的な機器を導入し、精度と安全性の向上につなげる
こちらのクリニックの治療コンセプトについて教えてください。

地域にお住まいの方や働いている方の歯と口腔の健康を支えていく、地域密着の歯科医院をめざしていきたいと考えています。診療内容については幅広く、虫歯や歯周病、入れ歯、根管治療、小児歯科、矯正歯科、予防歯科、インプラント、ホワイトニングなど多岐にわたるメニューを提供しています。今後、特に力を入れていきたいのは、歯科診療のデジタル化ですね。歯科診療の世界でも、昨今のAIなど、デジタル化がすごいスピードで進んでいます。賛否両論があると思うのですが、私はある程度積極的に取り入れていったほうが、インプラントにしてもセラミックにしても、より精密で長持ちするものが作れて、診療自体もより良いものを患者さんに提供できるのではないかと考えています。目まぐるしく進化を続けるデジタル化の可能性について、常に勉強するようにしています。
医療機器も先進的なものを導入されているのですね。
例えば、歯科用CAD/CAMシステムは歯の型採りと設計に使用します。3Dカメラを患者さんの歯に沿わせてなぞるだけで、立体的な歯型の画像をコンピューター上で作成し、自動でコンピューターがかぶせ物や詰め物などの修復物を設計してくれるんです。その設計図をもとに、ミリングマシンと呼ばれる自動切削機で、セラミックブロックを削り出して修復物を製作します。もちろん、微調整は私が行うのですが、患者さんにぴったりフィットするより精密な修復物を短時間で作製できるようになりました。今まで修復物は完成まで1、2週間かかっていたのですが、これらの機器を使用すると即日に治療を終えることも可能です。型採りから装着まで日数を空けると、歯に細かい穴が開いてそこから細菌が入り、数年後に神経の痛みを引き起こす原因になる懸念もあります。即日に修復物を入れることは、歯に細菌が侵入するのを防ぐことにもつながるのです。
予防歯科について教えてください。

「予防歯科」は、高齢の患者さんが歯周病対策のために行うというイメージがあると思うのですが、年齢に関係なく、治療後の歯を最大限に活用し、健康な状態を維持するサポートを徹底することが、クリニックの重要な使命だと思っています。セラミックやインプラントなど、先進の治療を行っても、放置すればいずれはその部分や周囲が炎症を起こし維持できなくなってしまいます。せっかく良いものを入れたからには、それを長持ちさせるためにメンテナンスのお手伝いをするというのが、私にとっての「予防」ですね。また、治療後のクリーニングやセルフケアの指導などを通じて患者さんのお口の健康管理を長くサポートしたいと考えています。
患者は家族同然。こまやかなアフターケアを提供したい
歯科診療で心がけていることを教えてください。

患者さんに「この歯科の治療を受けて良かった」と満足していただける治療を提供したいですね。特に、患者さんと一緒に治療方針を決める中で、私が提案したその患者さんに最善だと思われる方法を選択していただいた患者さんには、「この治療計画を選択して本当に良かった」と満足していただくことが理想です。もちろん、患者さんのニーズに合わせて治療方針を決定しますので、どんな治療計画を選択されたとしても、しっかり経過は見させていただいて、何か不具合が起こってもすぐ対応できるようにしています。治療した患者さんは「家族同然」と考え、アフターケアは体制を万全に整えたいと思っています。
歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。
父が内科医なので、医療という仕事が子どもの頃から身近にありました。漠然と医療系に進みたいと考え、一度は大学の薬学部に入学し、2年間在学していました。ところが、化学が苦手だったこともあり、さぼってばかりでバンド活動に熱中し(笑)、結局薬学部は辞めてしまいました。その後どうしようか考えていたとき、父から「歯科医師の仕事は薬剤師と違い、患者さんと話をして、患者さんのつらい思いをくみ取るような仕事だから向いているのではないか」とアドバイスを受けたことがきっかけで、歯科医師への道を歩みました。勤務医時代は、仕事は仕事と割り切って休みの日は仕事のことは考えなかったのですが、当院を開業してからは、歯科診療や歯科医院経営、先進的な医療機器、医療デジタル化などの情報収集や勉強をしています。そのほうが有意義ですし、逆にリフレッシュにつながったりしています。
今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

スタッフが「この歯科医院は居心地良いから長く働いていきたい、だから、この歯科医院をより良くしていきたい」と思うようなクリニックにしたいですね。結局、スタッフが居心地が良い、ずっと働きたいと感じるということは、患者さんにとっても居心地が良い、ずっと通院したいということだと思うんです。地域の患者さんと一緒に年を重ねていければと思います。もし、歯やお口のことで何か気になることがあれば、どんな些細なことでもいいので、気軽な気持ちで来ていただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは成人矯正/50万円〜、インプラント治療/40万円〜、ホワイトニング/3万5000円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。