全国のドクター13,760人の想いを取材
クリニック・病院 156,870件の情報を掲載(2025年6月08日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 海老名市
  4. 厚木駅
  5. トータルケアガーデン湘南海老名クリニック
  6. 西山 淳 院長

西山 淳 院長の独自取材記事

トータルケアガーデン湘南海老名クリニック

(海老名市/厚木駅)

最終更新日:2025/02/14

西山淳院長 トータルケアガーデン湘南海老名クリニック main

厚木駅から徒歩約10分の場所に位置する「トータルケアガーデン湘南海老名クリニック」は、「海老名市で脳神経疾患で困っている人を0にすること」を診療指針に掲げる医療法人社団NALUの尾崎聡理事長が開業し、西山淳先生が院長を務める。同院の特徴は脳・神経疾患の診療に特化していること。クリニック名の「トータルケア」には、「患者さんの過去も現在も未来も、すべて含めて総合的ケアをしていきたい」という西山先生の熱意が込められているという。西山先生は、日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医の資格を有し、豊富なキャリア持つベテランの医師であるが、普段は明るく話しかけやすい雰囲気で、時にはユーモアを交えて場を和ませることも。そんな西山先生に、大切にしているポリシーや今後の展開についてじっくり話を聞いた。

(取材日2024年11月15日)

ポリシーは、「地域への奉仕」と「生きることの肯定」

まずは脳神経外科を専門に学ばれた理由を教えてください。

西山淳院長 トータルケアガーデン湘南海老名クリニック1

理由は3つあります。1つ目は、親和性です。幼い頃、迷路や地図帳を見ることが好きだった私にとって、神経繊維のルートと血管をたどる脳神経の解剖学習の作業は、相性が良かったのです。2つ目は、手術に対応できるようになりたかったからです。患者さんにとって理想的なのは病気を予防することですが、その次は内科的な治療、そして外科的な治療へと進む流れがあります。その際に、自分は手術ができないので外科の先生に任せる、というのは避けたかったのです。ちなみにこの「患者さんを治療の始めから終わりまで一貫して見届けたい」という気持ちは、当院が外来とともに訪問診療に注力していることにも通じています。3つ目は、急変に対応できる医師になるためです。そのためには日常から技術と判断力を磨く必要があったため、それを学べる診療科を選びました。

悪性脳腫瘍の手術を数多く経験されていると伺いました。

東海大学医学部付属病院で、悪性脳腫瘍の手術に携わる班に配属され、10年ほど研鑽を積みました。私が配属された1年後、急きょ当時の上長が辞めることになり、33歳で一分野を任されることに。非常に大変でしたが、このときの経験により、自信とスキルを培えたと感じています。また、東海大学は術中MRIという、手術の途中に開頭した状態でMRIの撮影ができる手術室を保有しています。術中MRIの手術は全身麻酔の患者さんをMRI室に移動させるため、多職種の連携が不可欠です。麻酔科や看護師、臨床工学技士、放射線技師など、さまざまな職種がお互いを尊重しながら、対等な関係で協力し、何か発生した際には、すぐに議論できるような雰囲気づくりを心がけていました。この環境で学んだ連携と信頼関係の大切さは、今も私の医療に生きています。

先生が大切にされているポリシーを教えてください。

西山淳院長 トータルケアガーデン湘南海老名クリニック2

脳神経外科の医師として大切にしているポリシーは、「鬼手仏心」です。手術に臨む時は、鬼のような覚悟でメスを握りますが、その根底には患者さんへの深い慈しみと仏のような心を持ち続けることを意識しています。そして医師としてのポリシーは、「地域への奉仕」と「生きることの肯定」です。患者さん一人ひとり、残された人生をその方らしく生きてほしい、そして生きることを肯定してあげられるような医療のサポートをしたいと思っています。

脳神経外科専門医による脳・神経疾患特化型の訪問診療

外来診療だけでなく訪問診療も大事な診療の柱として考えている理由は何でしょうか。

西山淳院長 トータルケアガーデン湘南海老名クリニック3

脳腫瘍治療で課題に直面した経験が大きく関わっています。悪性脳腫瘍は、病原のコントロールができていても、手足の麻痺や記憶力の低下など、脳の部位によっては障害が残ってしまうことがあります。そのため以前は家族などの支援により自宅でのケアができる場合は退院し、社会福祉支援を活用しながら治療を継続。自宅でのケアが難しい場合は、病院で入院を続けながら、看取りまで行うケースが多かったのです。そんな中、国の方針もあり「患者を地域に戻してケアしていく」という動きが強まり、全国的に訪問診療の重要性が増加しています。私自身も、2017年に訪問診療に携わらせていただくことになり、大学での治療と訪問診療の連携を学習しました。この経験から、脳・神経疾患でも訪問診療が可能であると確信し、当院は脳・神経疾患に特化した訪問診療と外来診療の2本柱で運営することとなったのです。

クリニックの特徴を教えてください。

訪問診療において、脳・神経疾患に特化している点です。専門的な診療が可能なため、患者さんやご家族に大きな安心感を提供できると考えています。当院の患者さんには、基幹病院に定期的に通院されている方が多くいらっしゃいます。基幹病院でフォローを受けていて、自宅療養中に問題が発生した場合、基幹病院では緊急の受け入れが難しいこともありますが、当院ではそうした緊急時にも迅速に対応できる体制を整備しています。私のような脳神経外科専門医が「様子見で大丈夫」「大きな病院に行ったほうが良い」など、適切なアドバイスをすることで、患者さんやご家族、さらには基幹病院の医師にとっても大きな安心材料となると考えています。

クリニックづくりでは、どんなところにこだわりましたか?

西山淳院長 トータルケアガーデン湘南海老名クリニック4

設計段階から携わらせてもらいました。特にこだわったのは、地域の皆さんにより良い医療を提供するための機能性です。例えば、ピロティー構造の入り口を設けて、救急車が止められるスペースを確保しました。これにより、緊急時にもスムーズに対応できる環境を整えました。また、外来診療としては、小児の頭部外傷にも対応可能です。検査設備としては、CTや超音波検査装置、心電計などを備えてます。MRIについては、同じ法人で近隣にある「えびな脳神経クリニック」へつないで行っています。「えびな脳神経クリニック」とはサーバーをつなげているので、MRI撮影後すぐに当院でチェックできる体制を整えています。

めざしているのは「話しかけやすい主治医」

休日や空いた時間には体を鍛えられているそうですね。

西山淳院長 トータルケアガーデン湘南海老名クリニック5

トライアスロンに挑戦するために、日々トレーニングに取り組んでいます。特にランニングは月に100km以上走ることをノルマにしているんです。もともとランニングはダイエットのために始めたのですが、次第に楽しさを感じるようになり、一昨年はフルマラソンに出場しました。体を鍛えることは、健康の維持だけでなく、仕事にも欠かせない大切な時間です。適度に体へ負荷をかけることで、頭がクリアになり、クリエイティブなアイデアが生まれやすくなります。実際に、ランニングやスイミング中に経営方針や学術活動のアイデアがひらめくこともよくあるんです。

将来的に取り組んでみたいことを教えてください。

当院で築いた診療スタイルを後世に伝え、神奈川県、さらには全国に広げていきたいと考えています。ゆくゆくは地方自治体も巻き込み、医療機関の一つのロールモデルとして、神奈川県から全国に発信していきたいですね。また、私たちが築いた理念や仕組みは、後世に引き継いでいかなければなりません。そのために、地域の医療を支える後進育成や啓発活動にも力を入れています。今後は、基幹病院と地域をシームレスにつなぎ、訪問看護スタッフやケアマネジャー、リハビリテーションスタッフなど多職種と連携しながら、地域で患者さんを支える体制をつくりたいですね。めざしているのは「話しかけやすい主治医」。患者さんやご家族はもちろんですが、どんな職種の方でも気軽に相談できる心理的安全性が確保された環境をつくることが私の役割だと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

西山淳院長 トータルケアガーデン湘南海老名クリニック6

当院では、脳・神経疾患に特化して、小児から高齢者まで、年齢を問わず幅広い患者さんを診療しています。私は、基幹病院と地域医療の両方の立場や理念を深く理解し、幅広い視点を持って患者さんを診ることが可能です。私が最も大切にしているのは、病気を診るのではなく、病気を抱えたその人自身を診ることです。そのため、患者さんとご家族の過去や現在の状況だけでなく、どのような未来を望んでいるのかも含め、総合的なケアを提供したいと考えています。当院の名前に「トータルケア」とあるのは、その思いを反映したものです。診療指針に基づき、脳・神経疾患に特化した専門的な訪問診療を通じて、地域の皆さんが安心して暮らせる医療を提供していきます。今後は、脳神経内科の医師ともタッグを組み、幅広い脳神経疾患の外来と訪問診療を展開する予定ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

Access