欠損した歯を補い、しっかり噛めることをめざす
インプラント治療
しばた歯科医院
(茨木市/茨木駅)
最終更新日:2024/12/09


- 自由診療
虫歯や歯周病、事故などで失った歯を補うための選択肢の一つが「インプラント治療」だ。最近は入れ歯やブリッジに並ぶ治療法として提示されることが多いが、どういった治療法なのかあまりよくわかっていないという声もよく聞かれる。また自費治療のためかかる費用や、手術に対する不安など、気になることは多い。そこで今回は、インプラント治療を得意とする「しばた歯科医院」の柴田健介院長に、インプラント治療のメリット・デメリットや、手術の前に知っておきたい治療の流れなどについて話を聞いた。
(取材日2024年11月16日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療のメリットとデメリットは何でしょうか?
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A
インプラント治療では、歯を失った部分に人工歯根と人工歯を装着します。そのため隣の歯を削らなくても完結する治療法であることがメリットです。次に噛む力です。天然歯の噛む力を100%とすると、大体がインプラントは80~90%、ブリッジだと50%、入れ歯だと30%ぐらいになることが見込まれ、インプラントの場合は自分の歯に近い感覚で噛むことが期待できます。デメリットは、費用面の負担や手術を伴うこと、また治療期間はおよそ3ヵ月から1年と、入れ歯など他の治療法と比較すると治療期間が長めであることなど。また高血圧や糖尿病といった基礎疾患がある方に関しては、適応かそうでないかはしっかり見極める必要があります。
- Qこちらのインプラント治療の特徴は何かありますでしょうか?
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A
基本的なことになりますが、まずはインプラント治療という方法を知らない人に対して、インプラントのメリットとデメリットを丁寧に説明していることですね。そしてインプラント治療に進むことになりましたら、診断のために、エックス線検査やCT検査、口腔内写真や模型などの資料採得をしっかり行うこと。そして得たデータをもとにインプラントガイドを作製します。このガイドを使用することでより安全性に配慮して手術を行えるようになります。周りを気にせずリラックスしていただけるように、手術は個室で行います。インプラント治療を行う際、顎の骨が少ないと治療を受けられない場合がありますが、当院では骨造成を行うことができます。
- Qインプラント手術後のメンテナンスが大事と伺いました。
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A
インプラント治療は手術をして欠損した歯を補ったら終わりではありません。治療後、毎日の歯磨きや歯科医師によるメンテナンスが不十分だと、インプラント周囲の歯茎や骨が歯周病菌に感染し、歯茎の腫れや出血など歯周病のような状態になるインプラント周囲炎が発生することがあります。さらに進行すると歯槽骨の破壊が進み、最終的にはインプラントがグラグラして抜け落ちてしまいます。メンテナンスでは、インプラント専用チップを用いたクリーニングを行い細菌を徹底的に除去。インプラントの動揺度や傷みの確認も行います。インプラントの寿命は10〜25年といわれており、しっかりとメンテナンスをすることで長持ちさせることが望めます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング・診査診断
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主訴や基礎疾患など、患者のバックグラウンドを聞き取る。続いて、インプラントのほか、入れ歯やブリッジといったインプラント以外の治療法についても、メリットとデメリットを説明。インプラント治療がその人にとって最善であるかを検討する。治療に進むことが決まれば、エックス線・CT撮影、噛み合わせチェックなど各種必要な検査を行い、口の中の現状を精密に把握した上で、詳細な治療計画を立案する。
- 2一次手術
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インプラント体を埋入する一次手術を行う。埋め込む部位に局所麻酔を打ち、麻酔が効いているかを確認した上で歯茎を切開し、インプラント体を埋め込む。手術時間は1時間から1時間半程度。骨が足りない場合は、インプラント埋入時に骨造成も行う。インプラント体と顎の骨が結合するのに必要な期間は、一人ひとりの状態によって異なるが、埋入してから通常約2~6ヵ月の期間を置く。
- 3インプラントと顎骨の結合状況測定
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小さく歯肉を切開してインプラントの状態を確認。インプラント体を埋め込んだ後、インプラント体がどれだけ顎骨と結合しているか安定度を調べるため、専用の機器を用いてISQ(Implant Stability Quotient)値を測る。超音波を用い、インプラントに負荷をかけずに、骨にしっかり結合しているかどうかを知ることができる。数値が高いほど安定していることがわかるという。
- 4上部構造印象・上部構造装着
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骨との結合状態を数値化してから、最終のかぶせ物製作に入る。歯科技工士と相談し、形態や材質、色合いなどを患者に提案して、相談した上で決定。精密に作製された人工歯をインプラント体に装着する。
- 5定期メンテナンス
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手術後しばらくは1ヵ月に1回の頻度で、状態が安定してきたら3ヵ月に1回の頻度でメンテナンスを受ける。インプラントは埋めれば終わりではなく、毎日のブラッシングと、定期的なプロによるクリーニングを受けることでトラブルを防ぎ、長持ちさせることが重要。定期メンテナンスでは、インプラント専用チップによる洗浄や、インプラントの動揺度のチェック、インプラントの傷み具合などを確認する。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント(1本、上部構造込み)35〜45万円、骨造成/3万~20万円