入院せずに日帰りで受けられる
心臓や血管などの循環器系手術
かさゆき内科循環器内科クリニック
(東大阪市/瓢箪山駅)
最終更新日:2025/04/15


心臓や血管などの問題が引き金となり、胸部圧迫感や眼前暗黒感、間欠性跛行といった症状から心筋梗塞や下肢切断に至る重症虚血肢に発展する可能性のある循環器系の病気。ケースによってはカテーテル治療や心臓ペースメーカー植え込みなどの手術が必要になるというが、入院なしの日帰りで、しかもクリニックにて対応しているのが「かさゆき内科循環器内科クリニック」だ。院長の笠行典章先生は日本循環器学会循環器専門医であり、これまで数多くの手術に携わってきた循環器内科のエキスパート。どのような検査や診断を行うのか、当日は手術後すぐに生活復帰ができるのか、気になる流れを詳しく追ってみた。
(取材日2025年3月19日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qどのような症状の人が手術の対象となるのでしょうか?
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A
循環器系の病気は、主として心臓と血管に関するものです。中には手術が必要となるケースも考えられるため、症状を自覚するようであれば早めに専門の医療機関を受診する必要があるでしょう。例えば狭心症では運動時に胸が圧迫されるような症状が現れますし、徐脈性不整脈があれば目の前が暗くなったり失神発作を発症したりすることがあります。また、下肢に閉塞性動脈硬化症があると足がだるくなり、次第に歩行困難になるといった症状が見られます。いずれの場合も症状があるからといって必ずしも手術が必要というわけではありませんが、重症化や合併症を防ぐためにも、適応と診断されれば手術その他の治療を受ける心づもりが必要です。
- Qこちらのクリニックでは日帰り手術に対応しているそうですが。
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A
当院で行っている手術の一つは心臓につながる血管、あるいは足や腎動脈などの血管の病気に対して行うカテーテル手術で、同じ血管内治療としては透析患者さんに行うシャントPTAにも対応しています。もう一つは心臓ペースメーカーの植え込み手術で、電気刺激によって脈拍の低下を防ぐ目的で、不整脈などの心臓機能障害がある方の鎖骨下の皮下に機械を埋め込みます。いずれの手術も当院では日帰りで対応しています。循環器疾患の日帰り手術を行っている施設は少なく、もっと必要と考えたことが当院の開業の目的でした。診断・手術に必要な検査機器や透視装置も病院レベルにこだわっていますので、安心して受診してください。
- Q病院でなくても手術が受けられるのですね。
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A
多くの方が「手術は病院に入院して受ける」というイメージをお持ちだと思います。クリニックでありながら当院が日帰り手術を行えるのは、循環器内科のエキスパートとして長年にわたって磨いてきた経験や技術、知見を有しているからだと自負しています。病院と比べても何ら遜色はないものと考えています。なかなか予約が取れずに数ヵ月間待たされることもなく、患者さんの時間的な負担は抑えられるでしょう。ただし、すべての患者さんに日帰り手術が適応できるわけではありません。病気の状態によっては適切な病院で入院手術を受けていただくケースもありますが、当院ができることに関しては全力でサポートさせていただきます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1検査で手術の適応を診断
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初診では何らかの自覚症状があって受診する患者が多いという。まずは原因となる疾患を見極めるために、血液検査や心電図検査、エコー検査などを実施。さらに検査が必要になれば、狭心症の場合はエルゴメーター負荷心電図や冠動脈造影検査、徐脈性不整脈の場合はホルター心電図による検査などをさらに追加し詳しい状態を確認。手術が必要と診断され、日帰り手術を希望する場合は、医師と相談して日時を決めた上で手術当日に備える。
- 2当日の術前準備
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手術当日は、手術開始時刻の約1時間前に受付を済ませ、処置室で手術着に着替えて点滴を受けた上で透視室へ。検査台に横たわり、心電図や血圧計などのモニターを装着すれば準備は完了。麻酔は局所麻酔を用い、手術の直前に実施する。局所麻酔のため意識ははっきりとしているが、体への負担にも配慮された治療なのでリラックスして手術に臨むこと。
- 3手術を受ける
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カテーテル手術は血管造影下で行われる。カテーテルは動脈に挿入して血管内の標的にアプローチするもので、その目的や手法によっても異なるが所要時間は30分〜1時間程度。ペースメーカー植え込み手術は左側の鎖骨の下を数cmほど切開して皮膚の下に機械をセッティングするもので、所要時間は1〜2時間程度が目安となる。手術の後もそのまま点滴を続け、終了するまでベッドやリカバリースペースのソファーにて休憩する。
- 4休憩後、点滴の終了を待って帰宅
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局所麻酔による影響はほとんどないが、造影剤を排出する目的の点滴を行うため休憩が必要。リカバリーに要するのは手術後1〜2時間程度。点滴終了をもって日帰り手術は完了となり、激しい運動などを避ければ普段どおりの家事や仕事に戻ることも可能。穿刺(せんし)部分や切開創の腫れや出血に注意して過ごし、特にペースメーカー手術の場合は創部を濡らさないために当日の夜は入浴を控え、数日間は半身浴程度にとどめておくこと。
- 5術後のチェックを受ける
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手術翌日に来院し、医師による術後の経過チェックを受ける。カテーテル手術の場合は圧迫帯と沈子を外し、ペースメーカー手術の場合はバストバンドを外し、問題がないことが確認できれば後は注意しながら普通の生活を送っても良いという。ただし、ペースメーカーに関しては1週間以内にもう一度来院して装具の動作チェックや簡単な処置が必要。その後の通院に関しては医師の指示に従い、必要に応じて経過観察を続けることも重要だ。