藤原崇平院長の独自取材記事

藤沢石川パール歯科

(藤沢市／湘南台駅)

最終更新日：2024/11/19

湘南台駅から藤沢駅北口行きのバスに乗り、石川バス停留所で下車してすぐの「藤沢石川パール歯科」。大型駐車場を備える医療ビルの中にあり、自動車での通院も便利だ。院長の藤原崇平（ふじはら・しゅうへい）先生は「患者さんのどのようなお悩みにも幅広く応えられるクリニックでありたい」と2024年10月に開業。口腔内からひいては全身の健康を守るためにも、定期的にメンテナンスに通う重要性も呼びかけている。だからこそ、風景に溶け込み自然と立ち寄りたくなる場所でありたいとの思いも強い。すぐに医療にアクセスできる都心部とはまったく異なる、へき地医療の経験も重ねてきた藤原院長に、診療において大切にしていることなどを詳しく聞いた。

（取材日2024年10月28日）

幅広い歯科診療をモットーとする町の歯科クリニック
患者を家族と思い労を惜しまず見返りを求めず努力する
予防歯科にも注力して近隣住民の健康を口腔内から守る

幅広い歯科診療をモットーとする町の歯科クリニック

湘南台、高座渋谷に続いて藤沢市石川に開業した経緯を教えてください。

このエリアで複数のクリニックを経営して、可能な限り広く医療を提供したいという構想は昔からありました。ここにはもともと、20年以上も続く歯科医院があったそうで、閉院してしまいお困りの方も多かったと思います。湘南台と高座渋谷に他に歯科医院を運営している中での新規クリニックの立ち上げでしたので、「のれん分け」のように後進の先生にお任せするのが一般的かもしれませんが、僕は自分自身で挑戦したいタイプ。今、湘南台と高座渋谷は信頼できる先生にお任せしています。新しい場所では従来の方法ではうまくいかない場合もありますが、だからこそ意欲も湧いてきます。これまで培ってきた経験を石川地区にお住まいの皆さんのために、最大限役立てていきたいです。

現在、どのような患者さんが多いのでしょうか。

お子さんからご高齢の方まで、さまざまな訴えの患者さんがいらっしゃいますね。歯に穴が開いた、詰め物が取れた、転んで歯をぶつけたなど、どのようなお困り事にも対応したいと思っています。虫歯や歯周病治療などの一般歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科、インプラント治療と守備範囲は広いので、お口のお困り事は気軽に相談してほしいです。この治療に力を入れていますとこちらが主張するのではなく、あくまでも患者さんの要望を中心に据えています。水道をひねれば水が出るように、スイッチを入れれば電気がつくように、当たり前に皆さんのそばにあって役に立つ存在であることが理想です。

中でも歯科口腔外科的な治療を得意としているそうですね。

たしかに大学病院の歯科口腔外科での経験もありますし、対応の難しい親知らずの抜歯やインプラント治療も上手なほうかもしれません。でも、僕が何を得意としているのかよりも、患者さんの望んだ治療を実現することにこそ意味があると考えています。湘南台でも高座渋谷でもそのような考えで診療にあたってきました。ですから、当院でも歯科口腔外科だけに特化するつもりはないんです。患者さんにしかるべき情報を提供して、丁寧に説明を行い、選んでいただいた治療を妥協のないクオリティーでやり遂げたいと思っています。そのために、さまざまな勉強会や講座などに参加してきました。今後とも、歯科医師として特定分野にこだわらずオールラウンドな力を磨いていきたいです。

患者を家族と思い労を惜しまず見返りを求めず努力する

次に、歯科医師を志したきっかけやご経歴をお聞かせいただけますか。

私は島根県の山間部、旧・飯石郡三刀屋町（現・雲南市）で生まれ育ちました。平和を訴えた医学博士、永井隆ゆかりの地でもあります。現在も最寄りの木次駅まで車で10分以上かかりますし、私が子どもの頃は医療機関もほぼありませんでした。田舎なので全員が親戚のようなもので、いつもお菓子をくれたり庭先で遊ばせてくれたりするお年寄りたちが困っているのを見て、「何か役立てることはないか」と医療職を志すようになったんです。歯科の道に進んだ後も、いずれは高齢者や有病者の治療をしたいと希望し、全身疾患を学べる歯科口腔外科を選びました。長崎大学卒業後は島根大学医学部附属病院や隠岐病院の歯科口腔外科で研鑽を積み、町のクリニックでも数多くの症例を経験し、現在に至ります。

へき地医療のご経験もあるのですね。

都会で生活をしているとつい忘れがちですが、現代日本においてさえ医療が十分に届いていない人は大勢います。隠岐病院は地域の中核病院ではありましたが、歯科医師は私1人しかおらず、若輩の身ながら歯科口腔外科医長を務めていました。漁船のワイヤーロープが切れて顎を強打し骨折したかもしれないというような患者さんが来ることも日常茶飯事。最終的には大学病院に搬送するにせよ、時間もかかりますし、できるだけの応急処置をしなければと常に全力でした。今は患者さんが「この先生にお願いするしかない」ではなく、「どの先生にかかるか迷ってしまう」という180度異なる環境で診療していますが、ドクターショッピングをしてしまう方がいるなど、別の問題があるようにも感じています。

患者さんに接する時、何を大切にされていますか。

大学病院時代に教授から「患者を家族のように思え」と言われてから、ずっと大切にしています。単なるフレーズではなく具体的には「労を惜しまず、見返りを求めず、継続して努力すること」だとも教えていただきました。たしかに、自分の家族に対してはそのように行動しますよね。親身になって寄り添うのはもちろん、家族だからこそ厳しいことを言わなくてはいけない時もあります。特に歯科口腔外科では口腔がんなどのシビアなケースを告知しなくてはいけない局面もあり、大事なことでした。だからといって突き放すのではなく、最期までしっかりと命を全うできるよう支えた経験もあります。町のクリニックではそこまで深刻な例はあまりありませんが、適切な情報を伝え真摯な態度で患者さんに臨むことは、変わらずに続けていきたいです。

予防歯科にも注力して近隣住民の健康を口腔内から守る

今後の展望についてお聞かせください。

これからも、何か特殊な治療に特化するのではなく、患者さんの幅広い悩みに柔軟に対応できるクリニックでありたいと思っています。生活圏の中にあり、特にこれといった意識もなくいつも立ち寄るコンビニってありますよね。コンビニに切れた電球を買いに行くように、「近くて便利だから」くらいの感覚で気軽に利用してほしいですね。あえて得意分野を打ち出さないのは、後進の先生にバトンタッチしやすいようにという意図もあります。よりいっそう地域医療に貢献するためにも、複数のクリニックで標準的な治療を妥協なく提供する体制を、今後とも追求していきたいです。

お忙しい毎日でしょうが、休日はどのようにお過ごしですか。

当院が休診日の木曜は高座渋谷、日曜は湘南台で診療にあたっているので、ほぼ休みはない状況ですね。でも、健康維持のためには体を動かしておきたいところなので、パーソナルトレーニングを始めました。自分一人ではへこたれてしまいがちなエクササイズも、トレーナーさんが励ましてくれるからこそ頑張れます。スクワットマシンに加重する際にも、自分ではこんなに重くしないというレベルまでチャレンジできますからね。トレーナーさんの「あともう1回！」というかけ声があるからこそ頑張れます。時々「さっきも、あともう1回って言わなかった？」と気づいたら2回やらされていることもあって、上手に追い込まれていますね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

どのようなお悩みにも、適切に対応できるようにしっかりとした体制を整えています。お口の中で少しでも気になることがあれば、遠慮せずにお立ち寄りください。また、メンテナンスを始めたい方も歓迎しています。日本はいまだに欧米と比較して歯科受診率が低く、「痛くなったら行く場所」という間違った認識が根強いのは問題です。虫歯などができてからでは治療も大変になりがちで、最悪、抜歯が必要になってしまうこともあります。そうなる前に、定期的に通いたいと思える歯科医院を見つけてください。当院でも3人の歯科衛生士たちと予防歯科にも力を入れていく予定なので、ぜひご相談いただければと思います。