大杉 聖子 院長の独自取材記事
下北沢おとなこども歯科
(世田谷区/下北沢駅)
最終更新日:2024/11/15
下北沢駅から徒歩2分の場所にある「下北沢おとなこども歯科」のコンセプトは、「100年時代の笑顔を支える、本気の予防歯科」だ。虫歯や歯周病などの一般歯科に加え、予防歯科・歯列矯正・咬合育成の3つのプログラムを柱とし、患者の症状や年齢に合わせた治療提案を心がけている。大杉聖子院長をはじめ、同院のスタッフは全員が女性。栄養学や保育に関する知識を持つスタッフもおり、歯のことだけでなく、母乳や離乳食、ホームケアの相談まで、子育てファミリーを広くサポートしている。ユニットを家族で貸し切りで利用することも可能。「予防ケアは、家族そろって受けることに意義があるんです」と優しく語る大杉院長に、予防歯科や咬合育成などについて話を聞いた。
(取材日2024年10月30日)
家族の笑顔を支える、本気の予防歯科
こちらのクリニックのコンセプトを教えてください。
当院では「100年時代の笑顔を支える、本気の予防歯科」をコンセプトに、口腔トラブルの予防に力を入れています。最近では、お口の健康と全身の健康との関連性がメディアでも取り上げられるようになりました。つまり、虫歯や歯周病のリスクを下げるためにしっかりとした予防ケアをすることは、将来の健康を守ることにもつながるんですね。当院では、虫歯や歯周病などの一般歯科に加え、予防歯科・歯列矯正・咬合育成の3つのプログラムをご用意し、患者さんの症状や年齢に合わせて治療をご提案。矯正治療では、矯正を専門とする歯科医師と一緒に診断を行い、患者さんの要望をできる限りかなえられるよう努めております。
院名のとおり、大人も子どもも診てもらえるのでしょうか?
はい。ご家族皆さんで通っていただきたいと思い、院名に「おとなこども」とつけました。お子さんの場合、ある程度の年齢になると小児歯科から一般歯科に移ることが多いのですが、当院では大人も子どもも対象としていますので、小児歯科を卒業する年齢になっても引き続き通っていただけます。ユニットは決して多くはないのですが、これは貸し切りでの治療も想定したスタイルで、実際にそのようにご希望されるご家族はとても多いです。「子ども連れだと、騒いでしまいそうで心配……」という声をよく聞きますが、貸し切りならばそのような心配はないでしょう。キッズスペースもご用意しているので、親御さんやごきょうだいの診療中にも楽しく過ごしていただけます。お父さんも、お母さんも、ぜひご家族そろって予防ケアにいらしてくださいね。
予防ケアは、家族そろって受けるほうが良いのでしょうか?
これはもう、声を大にして「そのとおりです」とお伝えしたいです。まず、虫歯や歯周病の原因となるのは、お口の中にいる細菌です。例えばお母さんとお子さんが頑張って口腔環境を良くしても、もしお父さんのお口の中に原因菌がいたならば、食事や会話での飛沫感染などで菌がうつってしまうかもしれません。ですから予防は「家族みんなで取り組む」ことが大切なんです。そして口腔トラブルには、家族性のあるものも多いです。歯科医師の立場からすると、親御さんのお口の中や歯並びを診ることで、お子さんの予防で力を入れるべき部分が見えてきます。当院では大人の患者さんに唾液検査をお勧めしていますが、これはご自身の口腔内の状態を知ってもらうと同時に、お子さんの予防ケアのサポートにもなるんです。
健康の土台をつくるため、子どもの成長力を利用する
先生は、これまでどのような経験を積んでこられたのですか?
歯科医師になった当初に専門としていたのは歯内療法です。その後、出産を経てからは歯科全般に携わるようになったのですが、患者さんがお子さんの場合に「女性の先生で」と親御さんからご希望をいただくことが何度もありました。そうしてお子さんの診療が増えてきたのですが、子育ての経験はあっても歯の診療となると簡単にはいかず、例えば患者さんをしっかりと支える技術も十分ではなかったんです。そこで次の勤務先には小児歯科専門のクリニックを選び、治療技術や対応など、小児歯科についてしっかりと学びました。その頃、虫歯にかかるお子さんは年々減っていて、代わりに増えていたのが矯正に関するご相談です。ワイヤーや拡大床を用いた方法だけでなく、咬合育成からアプローチする方法もあるのだと知りました。現在、当院ではこの「咬合育成からのアプローチ」に力を入れています。
咬合育成はどのように行い、なぜそれにより良い歯並びが期待できるのですか?
当院ではマウスピース型の装置を使い、唇や舌の運動など毎日5分程度のトレーニングも組み込みながら、上顎や顔周りの筋肉の正しい成長を促していきます。歯そのものを物理的に動かすことをめざす方法とは異なり、顎や筋肉が正しく成長すれば、歯は自然と正しい位置に並ぶことが望めるという仕組みです。また装置を毎日装着することで舌が正しい位置に収まり、口呼吸の改善も期待できますね。気道が広がれば、脳や全身に酸素が行き渡りやすくなるんですよ。上顎は9歳前後で成長が止まるといわれています。子どもの成長力を利用するこの方法では、発育のゴールデンタイムを逃さないことがポイント。乳歯が生えたら歯のチェックを始めて、適切な時期にスタートすることが大切です。
子どもの患者さんに接する際に心がけていることをお聞かせください。
お子さんと目の高さを合わせ、治療に不安を感じているようならば、まずはアニメなど楽しい話をして緊張をほぐします。治療に入ったら注射など痛い思いをさせてしまうこともありますが、決してごまかしたりはしません。「これから、こういう治療をするよ」ときちんと話せばわかってもらえますし、子どもたちは意外と強いんですよ。安全性を考えて姿勢を工夫したり、喉に水が落ちないようにラバーダムを使用することもありますね。その日の治療を終えたり、毎月のトレーニングを頑張ったお子さんに対しては、十分に褒めていただくよう親御さんにお願いしています。もちろん私からも言葉をかけますし「頑張った、できた」という達成感が次のステップの原動力になりますから。
歯科医師と母親、両方の視点で子育て家族をサポート
こちらのクリニックは、スタッフの方も全員女性だと伺いました。
そうなんです。私も子を持つ母として、他科で女性の先生に対して「話しやすいな」と思うことがあります。同じように当院にいらっしゃるお母さんには、なんでも相談してほしいと思っているんです。歯のことだけでなく、母乳や離乳食、ホームケアのことも。当院のスタッフは全員が歯科衛生士で、患者さんやご家族からの質問にわかりやすく答えられるよう、日々勉強を続けています。地域の保健施設で勤務していたスタッフもおり、栄養学や保育に関する知識も豊富です。私も歯科医師と母親の両方の視点を持ちながら、子育てファミリーをサポートしていきたいと思っています。
ところで、先生はなぜ歯科医師をめざしたのですか?
子どもの頃、祖母が歯が悪く「痛い、痛い」と歯科医院に通い、先生のアドバイスどおりにせっせと歯を磨いていました。先生は厳しく指導されていたようで、それを真面目に実行していました。悪化したら抜歯が当たり前だった時代に、先生は根気強く歯磨き指導に向き合ってくださったんですね。子ども心に人の健康を支える医療職に興味が湧きました。これが、私が「歯科医師」という職業を選んだきっかけです。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
私は物心ついた頃から小田急線を利用しており、下北沢もなじみのある町です。お子さんが大きくなっても、いつまでも歯科から健康を支えたい。そう思い、アクセスの良いこの場所で開業しました。複数の路線が乗り入れて、多くの人が行き交う下北沢ですが、当院はご家族で貸し切りで利用していただくこともでき、外のにぎわいとは雰囲気の異なるゆったりとした空間です。ぜひご家族でいらしてホッと一息、リラックスしてお過ごしくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/14万3000円~58万3000円、ワイヤー矯正/88万円、マウスピース型装置を用いた矯正/38万5000円〜90万2000円、唾液検査/1100円程度
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。