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肛門からの出血で疑う病気
大腸がんと切れ痔の違いは何?

のだクリニック

(福岡市早良区/金山駅)

最終更新日:2025/04/23

のだクリニック 肛門からの出血で疑う病気 大腸がんと切れ痔の違いは何? のだクリニック 肛門からの出血で疑う病気 大腸がんと切れ痔の違いは何?
  • 保険診療

座ると痛い、排便時の出血など、いくつかタイプがある「痔」は誰にでも起こり得る身近な病気だ。中でも「痔核(イボ痔)」「裂肛(切れ痔)」「痔ろう(あな痔)」の3つが代表的だが、デリケートな悩みだけに受診に至らず市販薬でしのぐ人も少なくない。これまで数々のお尻の疾患と向き合ってきた「のだクリニック」の野田尚孝院長は、「痔だと思って受診された方の中に大腸がんやポリープが見つかるケースもあります」と、自己判断せず、違和感があれば躊躇せずに受診してほしいと呼びかける。初期の痔であれば軟こう薬などで治癒が見込めるものの、長期にわたる市販薬の使用や我慢を重ねた後の受診では手術が避けられないことも多いそう。そこで今回、デリケートな悩みと日々対峙する消化器の専門家に痔の症状や治療法について解説してもらった。

(取材日2025年4月1日)

肛門からの出血は痔だけではなく、大腸がんや直腸がんなど命に関わる病気が潜んでいることも

Q痔になりやすい生活習慣や年齢はありますか?
A
のだクリニック 消化器疾患のスペシャリストである野田尚孝院長

▲消化器疾患のスペシャリストである野田尚孝院長

痔は老若男女に起こり得る病気です。痔には種類があり「イボ痔」「切れ痔」「痔ろう」の3つが代表的で、発症に至る要因もさまざまですが、中でも一番の大敵は便秘。硬い便を出すために息んで肛門周辺がうっ血してイボ痔ができたり、切れ痔の原因になったりします。出産時にイボ痔になる女性も少なくありません。また、慢性の下痢も肛門に負荷をかけ痔が起こりやすくなります。辛い食べ物やアルコールの過剰摂取も要注意。便の中に成分が残り肛門を刺激して痛みや出血を招く原因になります。それから長時間座ったまま・立ったままといった仕事をされている方の場合、肛門周辺の血流が悪くなりがち。そのため痔になりやすい傾向にあります。

Q市販薬での様子見や放置した場合どのようなリスクがありますか?
A
のだクリニック 躊躇せずに軽い症状のうちに受診してほしいという

▲躊躇せずに軽い症状のうちに受診してほしいという

デリケートな悩みだけに受診のハードルが高く、市販薬でしのぐ方も少なくありません。しかし、自己判断で市販薬に漫然と頼り続けるのは危険です。数回の使用で症状が落ち着いたとしても、それが本当に痔であるか否かは受診しないとわかりません。市販薬でなかなか改善しないと来院される方の中には、大腸がんやポリープが見つかったり、手術が避けられない状態だったりするケースもあります。今は、大腸がんも早期であれば完治をめざせる時代です。ポリープもがん化する前に切除することで大腸がんの予防につながります。自己判断による市販薬の使用や、症状の放置はさまざまなリスクを高めることをぜひ知っていただきたいと思います。

Q痔の治療法について教えてください。
A
のだクリニック プライバシーに配慮した環境で診療を行う

▲プライバシーに配慮した環境で診療を行う

痔の治療と聞くと、手術をイメージされる方もいると思います。しかし、痔の多くは軟こう薬や服薬などの薬物療法で軽快するケースが実は多いんですよ。そして暴飲暴食を避ける、適度な運動を取り入れるといった生活習慣の改善。ストレスや冷えも便秘の原因になるのをご存じでしょうか。ストレスがたまると大腸の働きをコントロールする自律神経が乱れ、便秘や下痢が起こりやすくなります。冷えも腸の働きを低下させ、便秘や下痢の原因になりますので、入浴もシャワーではなく湯船に浸かるなどの対策が大切です。このような排便のコントロールと、薬物による保存的な治療を1ヵ月ほど続け、それでも改善が見られない場合のみ手術を検討します。

Q日帰りで手術を受けることも可能だとお伺いしました。
A
のだクリニック 内視鏡検査や簡単な手術もクリニック内で行える

▲内視鏡検査や簡単な手術もクリニック内で行える

はい。痔にもタイプがあるように、手術にもいくつか種類があります。当院では、幅広い年齢の方が苦痛なく気軽に受けていただけるように、痛みを伴う切除術ではなく、薬を痔核に注射して硬化縮小を図る「ALTA注射療法」という日帰り手術をメインで行っています。これはいわゆるイボ痔に対して行う手術で、イボ痔の中でも肛門の内側にできる内痔核に適用。局所麻酔で痛みもほぼ感じずに、30分ほどで終えられる手術ですので、患者さんの負担も最小限で済むのが特徴です。外側に起こる痔核(血栓性外痔核)に対しては局所麻酔で切除することも。入院が必要な症状に関しては対応可能な専門の機関のご紹介しております。

Qお尻からの出血で、痔以外の病気の可能性もあるのでしょうか?
A
のだクリニック 患者の話をしっかり聞くことが何より大切だと語る院長

▲患者の話をしっかり聞くことが何より大切だと語る院長

大腸がん、直腸がん、潰瘍性大腸炎、虚血性大腸炎、直腸潰瘍など、痔以外にもたくさんの病気の可能性があります。当院では、まず肛門鏡を用いて痔からの出血か否かを確認します。痔からの出血ではなく、その奥からの出血であると判断した場合、直腸とS字結腸まで入る内視鏡検査を実施。この検査は軽い下剤と浣腸の処理だけで検査ができます。これまで外科医として大腸がんの手術もたくさん執刀してきましたが、そうならないための早期発見が今の私の使命。肛門からの出血は真っ赤な鮮血だと痔の可能性が高く、黒っぽい出血は肛門よりもずっと奥からの出血が疑われますので、出血の色の違いも視野に入れてしっかり検査を行います。

ドクターからのメッセージ

野田 尚孝院長

肛門からの出血は痔だけではなく、大腸がんや直腸がんなど命に関わる病気が潜んでいるケースもあります。声を大にしてお伝えしたいのは年齢問わず定期検診と早期受診の重要性。そして、痔は老若男女に起こり得るポピュラーな病気であるということ。デリケートな場所だけに受診を足踏みされる方も多いと思いますが、デリケートな場所だからこそ初期に治しておくことが重要ですし、根本的な原因へのアプローチが大切ですので、何かしら違和感があれば躊躇せずに受診されてください。当院はプライバシーに配慮した環境で診療を行っています。出血がなくとも便秘に悩んでいる方、あるいは慢性的な下痢でお悩みの方も気軽にご相談にいらしてください。

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