高橋 奈央 院長の独自取材記事
松が丘皮フ科
(茅ヶ崎市/茅ケ崎駅)
最終更新日:2025/01/09

神奈川県茅ヶ崎市の「松が丘皮フ科」は、2024年10月に開業。清潔感あふれる落ち着いた雰囲気の同院には、小さな子どもから高齢者まで、幅広い世代の患者が訪れている。院長を務める高橋奈央先生は、大学病院でキャリアをスタートし、基幹病院からクリニックまでさまざまな医療現場で経験を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の資格も取得。自身がアトピー性皮膚炎だったこともあり、患者としての目線も大切に診療を行っているという。地域の駆け込み寺のような存在をめざす高橋院長に、クリニックのことや皮膚科医としての思いなどを語ってもらった。
(取材日2024年11月27日)
茅ヶ崎エリアで家族全員が通える皮膚科を開業
2024年の10月に開院されたそうですね。

いつかは開業したいと考えていましたが、子どもがまだ小さかったので時間の制約もあり、ここ何年かは他院で勤務していました。気づけば医学部を卒業して20年が経過。そんな中、整形外科医だった父が高齢になり、診察をやめて地元の診療所を閉院したこともあって、改めて「そろそろ自分のクリニックを持つタイミングなのかな」と思ったんです。主人が神奈川県出身ということもあって、5年ほど前に茅ヶ崎に引っ越して来ました。近所の皆さんが優しくて、海も近く、買い物する場所も学校も周辺にあって、とにかく快適で住みやすいと感じました。こんなすてきな場所で診察できたらと思い、ここで開業することを決めました。
ナチュラルで開放感のある院内ですね。
ありがとうございます。訪れる方たちにとって少しでも居心地の良い空間になるようにと、待合室は天井を高く開放的な造りにしています。また、院内が明るくなるよう窓を大きくして日の光がたくさん差し込むようにしました。白を基調に、全体的にナチュラルなテイストでまとめています。あとは私やスタッフ、患者さんの動線を大切に、限られたスペースの中で無駄なく効率的に動けるような院内にできたらと考え、業者の方のお力を借りて実現しました。
先生が皮膚科医をめざされたのはどうしてですか?

父が整形外科医でしたので、子ども時代からその背中を見てきました。医師が人の役に立てる職業であること、学ぶ過程から面白さを感じたことなどが理由で、自分の仕事にしたいと考えました。あとは、私自身がアトピー性皮膚炎だったことも大きいですね。在籍していた医局の教授がアトピー性皮膚炎を専門とされていたので、当時「ちゃんと薬を塗らないと!」とよく言われていました。そういったことから、自分の経験が生かされる道へと自然と導かれていったような気がしています。
大切にしているのは、患者の気持ちに寄り添う診療
先生が診察で心がけていることを教えてください。

皮膚疾患には本当にさまざまな原因が存在しますし、症状も多様です。虫刺されやかぶれなどすぐにわかるものもありますが、そうでないものも多いので、まずは患者さんや親御さんからの聞き取りがポイントになってきます。きちんと聞き取りを行うためには、何より話しやすい温かい雰囲気を医師がつくることが大切だと思います。まずは笑顔で患者さんと向き合い、緊張をほぐして差し上げることや、患者さんのお悩みに耳を傾けて寄り添うことを心がけています。現在も私や子どもが患者として診察を受ける機会があり、その経験を生かして患者さんの目線に立った診療を大切にしていますね。皮膚科医として、アトピー性皮膚炎の経験者として、また子どもを持つ母親としてと、それぞれの立場がわかる自分だからこそ提供できる医療があるはずですし、自分がされて嫌なことはしないように意識しています。
具体的には、どのような治療を行っていますか?
当院には、赤ちゃんからご高齢の方まで、本当に幅広い年代の患者さんがいらっしゃいます。保険診療が中心で、お子さんならおむつかぶれや湿疹、あせも、ニキビ、アトピー性皮膚炎など、大人の方も同じような皮膚疾患やじんましん、イボ、水虫、ヘルペス、帯状疱疹、円形脱毛症、巻き爪、陥入爪、やけど、白斑症、乾癬といったさまざまな疾患を診ています。また、当院ではエキシマライトという紫外線治療を導入しています。病変部位に照射を行い、症状の回復を促すというもので、アトピー性皮膚炎、乾癬、掌蹠膿疱症、尋常性白斑、円形脱毛症の方は保険診療での対応が可能です。はっきり原因がわからなかったとしても、「こんなことで来院しても良いのかな?」と思わずに、小さなことでも遠慮せずに聞きにいらしてください。皮膚のお悩み相談所のように利用してもらえたらうれしいです。
小児皮膚科の看板を別に掲げていらっしゃるのはどうしてですか?

開院したばかりの頃、「子どもも診てもらえるのですか?」とお問い合わせをいただいたことがあったんです。私としては、年齢問わず皮膚のお困り事にはお応えしようと考えていたのですが、そのお問い合わせをきっかけに、小さなお子さんがいるご家庭では、皮膚疾患はどこにかかったらいいのか迷われる方もいるのではと改めて思いました。それでわかりやすいようにと別途、小児皮膚科という看板を掲げたんです。当院のホームページでも、乳幼児から学童期のお子さんを対象に皮膚症状の治療を行っていることを明記するようにしました。あせもや乾燥肌といった一般的なものから、麻疹、風疹、リンゴ病、水ぼうそう、手足口病、ウイルス性疾患などの流行性のものまで、お子さんの診療にも幅広く対応しています。
皮膚のことなら何でも相談できるかかりつけ医が目標
皮膚科医としてのやりがいはどんな時に感じますか?

皮膚疾患は回復の経過が目に見えてわかるので、例えばニキビで悩んでいた方の肌がきれいになって表情が明るくなり、喜んでくださるようなことがあるととてもうれしいですね。今は自分のクリニックを開業し、院長として毎日患者さんと向き合う日々を送っていますが、かつての父がそうであったように、医師は自分1人という環境です。責任は大きいですが、最初から最後まで患者さんを一貫して診ることができ、継続したお付き合いができるのは、開業医だからこそのやりがいだと実感しています。
院内の体制についてもお聞かせください。
医師である私と受付スタッフ2人、看護師1人の4人体制でスタートしました。全員女性です。本当に良い人が来てくれて、信頼しているので私から細かい指示を出すというよりも、安心して皆さんに仕事をお任せしているという形です。それぞれ業務は違いますが、同じ職場で働く仲間として一緒にクリニックをつくっていこうと思っています。改まって話し合うというよりも、気がついたらその場で意見を言い合えるような雰囲気を大切にしています。
最後に、今後のビジョンと読者へのメッセージをお願いします。

保険診療を中心に今後も行っていきたいですが、患者さんのお話を聞いているとしみに悩まれている方も多くいらっしゃいます。現在も自費の外用剤でのケアは行っていますが、将来的にはレーザーでのケアなども当院でお力になれたらいいなと考えています。患者さんには、治療中の疾患のことでなくても、皮膚のトラブルやちょっとした疑問など、何でもお話しいただけたらうれしいです。あの先生なら話しやすい、あそこのクリニックなら何とかしてくれると頼りにしてもらえるような存在をめざしています。今後も、皆さんの気持ちに寄り添い、治療の道筋を一緒に考えていける皮膚科医であり続けたいと願っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみのケアのための外用剤/2200円~ ※症例により異なりますので、詳しくはクリニックへお問い合わせください