須藤 和樹 院長の独自取材記事
須藤医院
(岡山市北区/備前一宮駅)
最終更新日:2024/11/12

備前一宮駅から徒歩圏内にある「須藤医院」。須藤和樹院長の専門は消化器で日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医として、胃腸、肝臓、胆嚢、膵臓などの消化器の不調の診察にあたるほか、一般内科、発熱の外来の診察もしている。物腰がやわらかく、優しい雰囲気が印象的なドクターだ。現在は診察が主だが、来春には、内視鏡検査設備を導入し、検査も診察も同クリニックでできるようになる予定だという。また、妻の須藤梨沙副院長は日本糖尿病学会糖尿病専門医資格を持ち、女性医師の診察を希望する女性患者にも親身に対応している。「何かあれば須藤医院がある」と思ってもらえるような相談しやすいクリニックをめざす須藤院長に、クリニックの特徴や患者への思い、今後の展望について聞いた。
(取材日2024年10月16日)
患者が相談しやすい環境づくりを大切に診療にあたる
このエリアで開業された経緯を教えてください。

ここはもともと、外科医だった祖父が1965年に開業した医院で、祖父が亡くなった後、2年の休業期間を挟んで僕が継承しました。岡山医療センターで消化器内科の医師として経験を積み、2021年4月に当院を開業し、現在に至ります。クリニックの外観は、祖父が診療していた頃から大きく変わっていないと思います。
再び開業となり、地域の方にも喜ばれたのではないでしょうか。どんな患者さんが多いのですか?
患者さんは地元の方が多いです。祖父の代から来られている方も何人かいらっしゃいます。定期的に通院される方は、ご高齢の方が多いですね。発熱や風邪症状を専門に診る外来も開設していて、そちらにはお子さんからご高齢の方まで幅広い方がいらっしゃいます。また、私の妻が副院長を務め、糖尿病専門医なので糖尿病の患者さんは少し遠くからでもご来院されていますね。ほかにも、私や副院長が前の病院で診ていた患者さんもいらっしゃいます。一番遠い方だと、高梁市から片道1時間半ほどかけて来てくださっていますね。医院が変わっても、遠くからわざわざ通ってくださるのは本当にうれしいことです。当院は小児科は標榜していませんが、ワクチンの接種や、新型コロナウイルス、インフルエンザの検査など、お子さんも診療しています。
診療方針やクリニックの理念などはありますか?

患者さんが症状を訴えやすい環境、相談しやすい雰囲気づくりは、診察の際に心がけています。具体的には、「何か気になることはありますか?」といったお声がけをこちらからするなど、患者さんに質問してもらいやすいように気をつけています。また、当院は消化器内科も診ているので、胃腸炎などで強い痛みを訴えて来られる方もいらっしゃいます。そのような方には、横になって診察を待ってもらい、できる限り痛みを取ってあげられるよう配慮していますね。
スタッフの皆さんにも先生の方針は共有されているのでしょうか?
つらそうにされている患者さんがいらっしゃったら、すぐに処置室のベッドで横になってもらうようにお願いしていますが、そのくらいでしょうか。皆、私が特に何も言わなくてもしっかり対応してくれているので、安心して任せていますね。とにかく、患者さんのことを思って接してもらえれば良いと思っています。
来春頃に内視鏡導入を予定。検査も診察も可能に
どのような主訴で来院される方が多いですか? また、どんな症状があれば受診したほうがよいでしょう。

消化器内科が専門なので、腹痛や吐き気、下痢などの症状でいらっしゃる方をはじめ、糖尿病のほか、高血圧症、脂質異常症など生活習慣病の方も多くいらっしゃいます。ほかに一般内科や発熱症状を診る外来もあるので、熱や風邪の症状がある方ですね。発熱や風邪症状のある患者さんは、裏口から入って個室でお待ちいただくというように感染症対策も行っています。何らかの症状が出た場合はもちろん、少しでも不安に思うことがあるときや、健診で異常が見つかったときも気軽に来ていただきたいですね。特に糖尿病の方は、がんになるリスクが普通の方よりも高いといわれています。がん検診や糖尿病の治療もできるので、ぜひ早めにお越しください。また、検診はできる限り定期的に受けてもらいたいです。内臓系の疾患も、がんなど大きな病気につながりやすいので、予防のためにもぜひ検査をお勧めします。
こちらの医院の強みは何でしょうか?
消化器病専門医と糖尿病専門医がいるということでしょうか。消化器病専門医の私は常勤していますし、糖尿病専門医の副院長は、今は週に1〜2回の勤務ですが、今後常勤になる予定です。また、女性医師が在籍していることは強みといえるかもしれません。同性の医師に話を聞いてほしい、診察してほしい、とわざわざ来られる女性の患者さんも少なからずいらっしゃいますから。やはり同性だと、デリケートなことも話しやすいでしょうしね。
こだわっている医療機器などもあるのでしょうか?

糖尿病専門医が在籍しているということで、「Hb(ヘモグロビン)A1c測定器を導入しています。これは、糖尿病の検査結果が5分ほどでわかる機械です。専門医の在籍するクリニックでないと導入していない場合が多く、検査後、結果がわかるまでに待たされるストレスを感じてもらわずに済むというメリットがあります。あと、来年の春頃に胃と大腸の内視鏡を導入予定です。ちゃんと仕切って個室をつくり、検査後には少し横になって休めるスペースもつくる予定です。内視鏡検査が必要な場合はこれまでは他院で検査を受けてもらう必要がありましたが、内視鏡が導入され次第、検査も診察も当院でできるようになります。
何かあれば頼れる、地域クリニックをめざして
プライベートについての質問なのですが、副院長の奥さまとはどこで知り合われたのですか?

大学の同級生なんですよ。お互いの出身大学である福岡大学で知り合いました。副院長は佐賀県出身で、結婚を機に岡山へ。私は生まれも育ちも岡山市で大学だけ地元を離れましたが、卒業後してからはずっと岡山市で診療経験を積んできました。
先生はどのようなきっかけで医師をめざされたのですか? なぜ消化器内科を専門に選ばれたのでしょう?
祖父が医師だったという環境が理由でしょうか。ここで診療をする祖父の姿を見てきましたし、私も小さい頃はケガをした時に診てもらっていたので。基本的にどんな患者さんにも優しく接する祖父の姿を見て、私自身も患者さんに寄り添う診療を心がけるようになりました。消化器内科の医師になったのは、胃カメラや大腸カメラなどの手技に興味を持ったからです。今でも週に1回岡山医療センターで内視鏡検査を担当しているので、手技の向上には努めています。また、私が小学生の頃に父を大腸がんで亡くしたことも一つのきっかけになっています。父も医師でしたが、診察している姿は残念ながらほとんど見たことがないんです。消化器がんを早期に発見して、亡くなってしまう方を一人でも少なくできればという思いで、日々の診療にあたっています。
最後に、今後の目標やクリニックの方向性について教えてください。

「何かあれば須藤医院がある」と地域の方に思ってもらえるような、相談しやすいクリニックにしたいです。消化器の不調や糖尿病など何らかの症状で困っている方はもちろん、健診で異常が見つかった方にも気軽に相談に来ていただきたいですね。また、来春から内視鏡を導入することもあり、これからは胃がんや大腸がんをはじめとした予防検診にも力を入れていきたいと思っています。定期検診の呼びかけも積極的に行っていきたいと考えていて、がんのほかにも心筋梗塞や脳梗塞の発症を防ぐために、糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病の治療や予防にも取り組んでいきたいです。