島田 聖 院長の独自取材記事
島田歯科医院 Nishimachi
(札幌市西区/発寒南駅)
最終更新日:2025/03/10

札幌市営地下鉄東西線の発寒南駅より徒歩5分、西町北7丁目バス停より徒歩1分、道道124号宮の沢北一条線と新琴似通の交差点に、2024年に開業した「島田歯科医院 Nishimachi」。倶知安町出身の島田聖(しまだ・しょう)院長は、患者との対話を何より大切にし、患者一人ひとりの気持ちに寄り添う診療に努めている。夫の島田歩先生は、共和歯科診療所の院長を務めつつ、週に2回、同院で診療を行い、専門分野の歯周病治療やスポーツ選手を対象にしたマウスピース製作などを担当している。こざっぱりとした朗らかな口調から飾らない人柄と明るさが伝わる島田院長。自身の育児経験から保育士がクリニックにいる日を設けたり、患者の目を楽しませるために花を飾るなど、クリニック内には至るところに細かな心配りが感じられた。
(取材日2024年10月3日)
虫歯治療から歯牙移植まで幅広く対応
歯科医師としての歩みをお聞かせください。

子どもの頃から、祖父が開業していた歯科医院に遊びに行っていて、歯科を身近に感じていました。私はおじいちゃんっ子だったんです。虫歯になったこともありませんし、歯科医院への恐怖心もまったくなく、歯科医院の消毒薬のにおいが好きだったくらいです。高校生の時に、生物の成績が良かったことから、祖父に「歯科医師になればいいのでは」と勧められたのを機に、歯科医師をめざすことを決めました。最終的には北海道に戻って開業するつもりでしたが、違う土地を経験してみたくて神奈川歯科大学に進学。勉強は大変でしたが、良い友人たちに恵まれて頑張ることができました。横浜の歯科医院で4年ほど臨床経験を積んだ後、北海道に戻って札幌の歯科医院に勤務しました。結婚し、出産・育児で中断しながらも歯科医師としてのキャリアを積み、2024年にこの場所で開業しました。
こちらの診療内容を教えてください。
虫歯や歯周病の治療から、クリーニングやメンテナンスなどの予防歯科、義歯作成、睡眠時無呼吸症候群の相談、ホワイトニング、妊婦さんの歯科相談まで、幅広い歯科医療を提供しています。来年からインプラント治療も行う予定ですが、保険適用の歯牙移植にも対応しています。インプラントが人工歯根の移植であるのに対し、歯牙移植は天然歯牙の移植です。例えば、すでに噛み合う相手がなくなってしまった親知らずを使い、状態の悪い歯牙と交換することで、歯の不具合と機能を一挙に回復することが見込め、以前あった歯とほとんど変わらない状態で使用できることも望めます。
歯科医師2人体制ですが、どのように分担しているのですか?

主に診察を行うのは私ですが、歯周病を専門にしてきた夫が、週に2回、診察を担当します。私は一般的な歯科診療の全般に対応していますが、例えば、細かな根管治療など、専門的な治療は夫が行います。夫が大学の6年間ラグビー部に所属していた経験もあり、スポーツ選手のマウスピース製作などもしています。
患者との対話と「見える」診療を心がける
これからどのような歯科医院にしたいとお考えですか?

乳児から高齢者まで、年齢に関係なく、どんな患者さんも気軽に受診できる歯科医院にしたいと考えています。自分が出産した時、誰かが子どもを見てくれないと自分のことが何もできなくて困ったので、子連れの方も安心して受診できるよう、隔週の水曜日と土曜日に保育士に来てもらっています。診療に関しては、できるだけ痛みを感じさせない、なるべく削らない治療を心がけています。例えば、前歯のほうが痛みを感じやすいので、麻酔の針は細いものを使うなど気を配り、「診察中に痛みを感じたら手を挙げてください。それが無理なら声を発するだけでもいいです」と、お声がけします。痛くても瞬間的なことで、とっさに動けないことも多いですからね。
設備面でのこだわりはありますか?
和の雰囲気の内装は夫のこだわりです。のれんを見て、「団子屋さんかい?」と、ご高齢の患者さんに言われたこともあります。トイレは、タイルをあしらったデザインから、子連れの親御さんのためのおむつ交換台や、歯を磨く方のために洗面台を2台設置することまで、私がこだわりました。消毒室やかぶせ物を製作する場所などのバックヤードをガラス張りにしたのは、患者さんに見てもらい安心していただき、歯科医院への恐怖心を払拭したいと考えたからです。この「見える」というコンセプトは診療にも共通しています。当院は、マイクロスコープや歯科用CTといった先進の検査機器を導入していますが、精密な検査・治療が可能なことに加え、それらの機器で撮影した画像を患者さんにもご覧いただくことで、ご自身のお口の中の状態や治療について、言葉で説明するだけではわかりづらい点も、しっかりご理解いただけるのではないでしょうか。
患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

患者さんとのコミュニケーションを何より大切にしています。歯科医師が良いと思う治療も、患者さんに引っかかりがあったら行うわけにはいきません。歯科医師と患者さんの双方が納得の上で治療するということは譲れない点です。そのために、患者さんのお話にしっかりと耳を傾けます。痛みがあって緊急性が高い場合は処置を優先させますが、カウンセリングに時間をかけるため、初診は1時間くらいかかりますね。患者さんの状態や考えを把握するだけでなく、リラックスしていただき、歯科治療への不安や恐怖心を取り除くためにも、お話しすることはとても大切なんです。
口の健康を保つための予防歯科に注力したい
どのような時に、歯科医師になって良かったと感じますか?

やはり、治療を終えた患者さんから「ありがとう」と言われると、疲れも吹き飛びます。そして、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、良好な関係が築けることに喜びを感じます。歯科医師になったばかりの頃は、年配の患者さんとの接し方に悩んだりもしましたが、横浜市の歯科医院を退職した時に、わざわざお電話をくださった患者さんがいて、涙が出るほど感激しました。歯科医師をめざす原点になった祖父が、とても患者さんに慕われていたので、目標にしています。
今後の展望をお聞かせください。
実は、私は虫歯になった経験がなく、毎日のセルフケアと定期的なクリーニングやメンテナンスの大切さを身をもって知っているので、予防歯科に力を入れていきたいと考えています。やはり子どもの頃からのケアが重要なので、育児中のご家族の相談に乗ったり、仕上げ磨きの指導も積極的に行いたいですね。さらに、赤ちゃんがおなかの中にいる段階から、しっかりお話をさせていただくなど、妊婦さんの口腔ケアを通じて赤ちゃんのお口の健康を守ることにも力を入れたいです。私が虫歯ゼロなのは、母のおかげだと感謝しています。
最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

痛みなど、お口のトラブルを抱えた時はもちろん、ちょっとした質問でも、何かあったら気軽に相談にいらしてください。そして、何もなくても、クリーニングや歯の健康のチェックやメンテナンスに来る習慣をつけていただきたいです。虫歯も歯周病も、悪化してから受診したら、それだけ苦痛を伴う治療が必要だったり、治療に時間も費用もかかったりします。患者さんは歯を削られるのが怖いと思いますが、歯科医師の側も歯を削りたくはありません。お口の健康を保つためにも、早期発見・早期治療のためにも、定期的に受診していただきたいですね。当院では、保険診療を基本としていて、患者さんとの対話を大切に、納得の診療を提供したいと考えていますので、安心して足をお運びください。また、毎週水曜日の午前中と隔週の土曜日は保育士がおりますので、お子さん連れの方もご安心ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツ用マウスピース作製/1万5000円~、ホワイトニング/2万5000円~