動悸、息切れ、疲れやすさなどの症状
放置が危険な循環器疾患とは
横浜綱島フォレスト内科・循環器クリニック
(横浜市港北区/綱島駅)
最終更新日:2024/12/13


- 保険診療
不整脈、心筋梗塞、狭心症、心不全といった循環器疾患。「動悸」「胸の痛みや違和感がある」「少し動いただけで息切れがする」など、日々の生活で感じる体調の違和感が、突然死など大きなリスクのある疾患の兆候である可能性も。だからこそ違和感があれば放置せず、早期に専門のクリニックを受診することが大切だ。2024年12月、東急東横線綱島駅近くに開院する「横浜綱島フォレスト内科・循環器クリニック」の畠山和昌院長に、どのような症状を感じたときに受診すべきか、循環器疾患の兆候を放置した場合のリスク、循環器疾患の具体的な予防策について聞いた。
(取材日2024年11月26日)
目次
循環器疾患は、「早期発見、早期治療」が大切。気になる症状があれば早めの受診を
- Q循環器疾患にはどのような種類がありますか?
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A
▲エコー検査をはじめ、疾患を見逃さないよう幅広い検査に対応する
代表的な循環器疾患として挙げられるのは、心臓を取り巻く血管・冠動脈が細くなり血液が流れにくくなった状態の「狭心症」、心臓を動かす心筋に血液が届かなくなる「心筋梗塞」です。この2つは相関関係があり、狭心症は心筋梗塞の前段階といえます。患者さんに説明する際は「狭心症は爆弾が爆発する前」「心筋梗塞は爆発した後」と例えを交え説明します。この他、心臓のポンプ機能が低下して全身に血液を送り出せなくなる「心不全」、脈のリズムが一定でなくなる「不整脈」を加えた4つが代表的な循環器疾患です。心臓から全身へ血液を送る大動脈が裂けてしまう「大動脈解離」、血管の壁にこぶができる「大動脈瘤」なども循環器疾患です。
- Q循環器疾患が進行するとどんなリスクがありますか?
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A
▲患者の生活背景も察する診察を心がける
循環器疾患は、軽度であれば適切な治療を施し経過を見ていくことができます。しかし心筋梗塞の場合、後遺症として心不全になるリスクもあるのです。また、不整脈の一つである心房細動は心房内に血栓ができやすくなります。この血栓が血流に乗って脳へ運ばれ、脳の血管が詰まると脳梗塞に発展します。重篤な場合は短期間で症状が悪化し、突然死に至るケースもあるので注意が必要です。循環器疾患は初期症状が軽微な場合も多く、気づかないうちに進行してしまうことがあります。気になる症状は放置せず専門機関を受診し、適切な治療を行い進行抑制や合併症予防をめざしましょう。
- Q日常生活の中で気をつけるべき初期症状は?
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A
▲院長の専門分野は狭心症や心筋梗塞。病気の予防にも力を入れる
初期症状としては胸の痛み、息切れ、動悸、めまい、むくみなどが代表的です。「同年代の人と一緒に歩くとついていけず息切れがする」など、同年代の人と比べて明らかに状態が良くないと感じる場合、前述の症状を繰り返す場合は要注意です。さらに心臓が原因で起きる「痛み」の部位は多岐にわたり、胸のほか背中や肩、腰、歯に痛みが出る人もいます。痛みは少し休むと楽になることもあり、「年のせいだろう」などと放置してしまう方も少なくありません。上記の痛みは狭心症の初期症状で、心筋梗塞に進行してしまうケースもあります。命を脅かしかねない合併症を予防するためにも、日頃からご自身の体と注意深く向き合うことが大切です。
- Q循環器疾患のリスクを高める要因について教えてください。
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A
▲チーム全体で気軽に悩みを相談できる雰囲気を大事にする
循環器疾患のリスク要因は多岐にわたり、特に大きく関わってくるのは生活習慣です。日本人は伝統的に塩分を多く摂取する傾向があり、高血圧はリスクを高める要因の一つといえます。また、外食や加工食品の摂取が増えることによる高カロリー・高脂質の食事、過度な飲酒や喫煙なども動脈硬化を促進し、循環器疾患のリスクを高めます。遺伝については、ご家族に循環器疾患の方がいる場合はリスク因子になりますが、コレステロール値が高い場合は遺伝性に当てはまらない症例もあります。リスク要因を把握しつつ、循環器疾患の早期発見・早期治療を行うためにも定期的な健康診査が重要です。
- Q循環器疾患を予防するには? 受診のタイミングは?
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A
▲適切な診断のために必要となるレントゲン検査
循環器疾患には高血圧症、糖尿病、高脂血症など生活習慣病が大きく関与します。高血圧は放置すると頭痛などの自覚症状も出てきますが、コレステロールは自覚症状がほとんどなく、異常に気づかないケースが少なくありません。そのため日頃からバランスの取れた食生活と適度な運動を心がけ、定期的に健康診査を受けることが、循環器疾患予防に大切です。脈拍確認など簡単なセルフチェックも、不調に気づくきっかけとなります。自覚症状が出にくく、短期間で症状が悪化しやすい循環器疾患だからこそ、少しでも気になる症状がある場合は、早めに医師へ相談しましょう。