畠山 和昌 院長の独自取材記事
横浜綱島フォレスト内科・循環器クリニック
(横浜市港北区/綱島駅)
最終更新日:2024/12/02

綱島駅から徒歩5分の「横浜綱島フォレスト内科・循環器クリニック」。院長の畠山和昌先生は循環器が専門の医師として全国各地のクリニックで狭心症や心筋梗塞など専門領域の診療を経験し、それらの原因になり得る生活習慣病をケアすることにも力を入れてきた。自覚症状が出にくい心臓疾患の早期発見と早期治療にこだわり、心臓CT検査を導入するなど精密な検査を行える体制を整える。徒歩圏内には同じ医療法人の呼吸器内科、消化器内科、耳鼻咽喉科があり、医療連携もスムーズ。「何でも気軽に相談できるクリニックをめざしたい」と話す畠山先生に、クリニックの特徴や診療のポリシーを語ってもらった。
(取材日2024年9月26日/情報更新日2024年12月2日)
充実した検査設備で心臓疾患を早期発見
こちらのクリニックの特徴について教えてください。

当院は横浜綱島フォレスト内科・呼吸器クリニックの分院です。循環器クリニックである当院の役割は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、あるいは不整脈、心臓弁膜症など、心臓や血管に生じるさまざまな疾患を診ることです。それらの原因にもなる糖尿病や高血圧症、脂質異常症など生活習慣病の患者さんも診療します。本院は発熱症状に対応する外来や風邪などを対象とする内科外来全般の診療を行っていますが、心臓疾患や生活習慣病のある方はウイルス性の感染症を患うと症状が重症化してしまうリスクがあります。本院と役割を分担して新たに循環器クリニックを立ち上げる背景には、感染症リスクを人一倍懸念しなければならない方々が安心して足を運べる場所をつくりたいという思いがありました。
どのような症状を感じた時に受診すべきですか?
「胸の痛みや違和感がある」、「軽く動いただけで息切れする」、「同年代よりも疲れやすい」など、これらの症状を感じたら、日常生活に支障がなくても気軽に受診していただきたいです。他にも手足のむくみや冷えなど、心臓が原因で起きる症状はたくさんあり、胸や背中、肩や歯に痛みが出る人もいます。それらは少し休むと楽になることもあり、放置してしまう方も多いのですが、狭心症は初期症状がわかりづらいことが特徴で、心筋梗塞へと進行してしまう可能性があります。命に関わる合併症を予防するためには、早めの診断と治療が大切。だからこそ、適切な診断を徹底するために、当院は精密な検査を行える環境をつくることにこだわっています。
具体的にはどんな検査を受けられますか?

血液検査や心電図検査、エックス線検査、心臓と腹部の超音波検査はもちろん、大きな病院が積極的に採用している心臓CT検査も取り入れています。心臓の栄養血管である冠動脈を造影剤を用いて撮影する心臓CT検査は、狭心症や心筋梗塞などの心疾患の診断やバイパス手術後の患者さんの経過観察に有用です。従来のカテーテルを使った検査は入院が必要でしたが、心臓CT検査は30分前後で対応できますし、患者さんの負担が少ないことが特徴です。そのような精密な検査を行うことで、疾患の予兆を早期発見して患者さんに予防を促すことができますし、仮に入院が必要な場合も詳しい診断書をお渡しできるため、専門病院との連携もスムーズになります。
糖尿病の予防や治療にも力を入れる
本院や他の分院との連携も特徴の一つですね。

内科、呼吸器内科、アレルギー科クリニックの本院と、消化器内科クリニックの系列院が徒歩圏内にあります。肺、消化器、心臓は隣接していて、例えば肺の痛みを訴える患者さんが実は心臓疾患だったり、胸の痛みの原因が胃潰瘍だったりといったケースもあります。私たちは電子カルテが連動しているため連携が取りやすく、そしてお互いのクリニックが歩いて行ける場所にあるため、適切な検査や治療を素早く受けられる体制を整えています。また、当院の心臓CT検査は心臓だけでなく周辺の状況もクリアに映すことができるため、肺に気になる影が見えることも考えられます。その場合は本院の院長や読影を専門とする先生にも見解も聞き、ダブルチェックを徹底することで検査の精度を高めたいと思います。
先生が「早期発見、早期治療」の大切さを実感したエピソードはありますか?
夜間救急に対応する大きな病院に勤務していた頃、発作的な胸の痛みを訴える患者さんが自分で歩いて来院されました。心電図検査をしたら狭心症の可能性が非常に高く、そのまま入院をすることを勧めたのですが、その患者さんは「仕事が休めないから」と固辞して自宅に帰られたんです。その1週間後に再び胸の痛みで受診され、その時には心筋梗塞になっていました。心筋梗塞によって壊死した心筋は再生しないので、その後も不整脈を起こしやすくなってしまいます。このエピソードをはじめとして、これまで私は循環器疾患の診療に当たる中で、わずか数日で生活に支障を来すレベルにまで症状が悪化してしまう患者さんをたくさん見てきました。だからこそ、治療や手術の腕を磨くだけでなく、地域に密着したクリニックで予防に力を入れたいと思うようになったんです。
生活習慣病患者が日常生活で気をつけるべき点とは?

やはり規則正しい生活を送ることが一番重要です。食生活は高血圧症の方であれば特に塩分、糖尿病は炭水化物、脂質異常症は脂質を控えることがポイントです。また、運動は30分以上の運動を週に3回以上を目標にしてください。私自身も「医者の不養生」にならないように、ジムに通って日常的に運動をするようにしています。喫煙や飲酒、食生活の見直しも含めて、病気になりにくい状態に導くことも循環器の医師の重要な仕事です。ご自身の生活習慣について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
何でも相談しやすい雰囲気づくりを徹底
先生が循環器の医師をめざしたきっかけを教えてください。

私は子どもの頃に風邪をひきやすく、地域のクリニックにお世話になることが多かったので、進路を考える時に「自分も医師になって人の役に立つ仕事がしたい」と思いました。循環器を専門に学んだのは、生活習慣病の治療ができることが、医師として人の役に立つイメージにつながりやすかったからです。そして大学卒業後は千葉西総合病院に勤務し、狭心症などのカテーテル治療を得意とする先生のもとで約5年にわたり研鑽を積みました。その後は、循環器に関わるより幅広い症例を経験するために北海道や都内のクリニックで勤務して、2024年の4月から横浜綱島フォレスト内科・呼吸器クリニックに所属することになり、当院の開業に向けて準備を進めてきました。
日々の診療で心がけていることはありますか?
本院は「NOと言わないクリニック」という信条を掲げていますが、私も患者さんの幅広いお悩みに寄り添える医師でありたいと思っています。そのため診療では、その人の病状に直接関わることだけでなく、できる限り生活全般の様子をお聞きします。循環器の疾患や生活習慣病はその人のライフスタイルの影響を受けやすいからです。例えば病気に関係がなさそうな「最近始めたばかりの趣味の話」も有用なアドバイスを行うための大事な情報になるのです。高齢者に多い膝や腰の痛みも循環器の疾患と無関係ではない可能性があるので、何でも遠慮なく話していただきたいと考えております。当院には気さくなスタッフが多いですし、私だけではなく、チーム全体で気軽にお悩みを相談できる雰囲気をつくっていきたいですね。
最後に患者さんにメッセージをお願いします。

いつもと違う胸の痛みや動悸など、気になる症状を感じた際は一度ご来院ください。大きな病気ではない可能性もありますが、小さな不安を取り除き、安心して暮らすことが心身の健康にもつながると思います。当院は心臓や血管に関わる疾患を中心に、患者さんの健康状態をトータルで把握しながら適切な治療と生活指導をすることで、大病にならない健康づくりをサポートしたいと考えてます。皆さん清々しい気持ちになるために定期的に美容院に行かれると思いますが、同じような感覚で循環器クリニックに通うことを習慣にしていただきたいですね。