中島 聡子 院長の独自取材記事
大津なかしま皮膚科・美容皮膚科
(菊池郡大津町/肥後大津駅)
最終更新日:2024/12/09

肥後大津駅から車で5分、「道の駅大津」近くの国道57号沿いに、2024年に誕生した「大津なかしま皮膚科・美容皮膚科」。今までは、近隣に皮膚科のクリニックが少なく、遠方の総合病院まで通っていた患者も多かったそうで、「皮膚科が近所にできたと喜んでいただけてうれしいですね」と院長の中島聡子先生は話す。アトピー性皮膚炎や湿疹、虫刺され、やけどなどの一般皮膚科疾患や小児科皮膚疾患を主に診療し、さらにしみやしわなどの自由診療を含む美容皮膚科も標榜していることから、男女を問わず幅広い世代からの相談が多いという。肌というデリケートな部位の悩みを真摯に受け止め、薬の使用方法や治療後のケアまできめ細かくフォローしている中島院長に、これまでのキャリアやクリニックの強みなどを聞いた。
(取材日2024年10月10日)
地域住民の切実な思いに後押しされて、開業を決意
皮膚科の医師を志したきっかけを教えてください。

熊本大学卒業後の研修プログラムにおいて複数の診療科を回る中で、どの診療科の患者さまも何らかの皮膚のトラブルを抱えていることを知り、力になりたいと思うようになりました。また、大学病院の皮膚科診療ではアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬から膠原病まで幅広い疾患の診療に携わることができる上に、手術の機会が多いので医師としてレベルアップできると考え、皮膚科に進みました。
疾患に興味を持たれたとのことですが、特に専門的に研究された疾患はありますか。
大学院で2年間ほど研究に打ち込み、高齢の方がごくまれに罹患される血管肉腫という皮膚がんについて研究をしました。また、国立療養所菊池恵楓園でハンセン病の患者さまの診察に携わった際、たこなど足のトラブルのご相談を受けることが多く、フットケアの大切さに気づかされました。今でも水虫や巻き爪の治療においては、患部だけではなく足全体を丁寧に診て疾患を見逃さないように心がけています。
さまざまな研鑽を積まれ、満を持して開業されたのでしょうか?

実は、自分は一生勤務医を続けるものと思っていました。ところが、夫が地元の大津で眼科クリニックを開業していて、この辺りの地域は人口が増えて成長している一方で病院やクリニックがかなり少ないと伺いました。特に皮膚科を専門に診るクリニックはかなり少なく、熊本市内まで出向く方が多かったんですね。夫のクリニックの患者さまからも「奥さまが皮膚科専門の医師ならば、ぜひ、皮膚科クリニックを開いてほしい」というお声を頂くようになり、開業を考えるようになりました。総合病院では、なかなか平日の遅い時間や土曜日の診察が難しいので、地元の患者さまのライフスタイルに柔軟に対応できるという点でも、この地に開業すればお役に立てると考えました。
地域の人に愛される「かかりつけ医」へ
地元の患者さまにとっては待ちに待っての開業だったのですね。

そう思っていただけたらありがたいですね。実際、「近所にできたから」と来院される患者さまは多いです。患者さまのお薬手帳を拝見し「こんなに遠いクリニックに通われていたのか」と驚くこともしばしばです。通院自体が一大イベントになってしまっていたような患者さまも多かったみたいですね。患者層は赤ちゃんから高齢の方まで老若男女問わずですが、平日夕方は学校帰りのお子さま、土曜は家族での受診が目立ちます。やけどやかぶれの治療に来られたついでに、「ここにしみができちゃって……」といった流れで美容皮膚科についてご相談されるケースもありますよ。
クリニックの強みを教えてください。
アトピー性皮膚炎やニキビのご相談について注力しています。どちらも若年層を中心に多くのご相談が寄せられますね。クリニックで一番大切にしていることは外用薬指導です。意外に量が不足していたり、塗り方が間違っていたりする方が多いです。アトピー性皮膚炎の中でも、従来の治療で効果不十分な患者さまには、生物学的製剤を用いた治療もご案内しています。ニキビに関しては最近は保険適用の外用薬でも十分に改善が見込めるため、看護師の外用指導や院内のポスターなどで情報を発信し、諦めずに治療できる可能性があることをお知らせしています。ニキビ痕になってしまうと治療が難渋するため、ニキビを早くケアし、かつできにくくするための治療を勧めています。また薬の塗り方だけでなく、日頃のお手入れに問題があるニキビの患者さまも見られますので、薬を処方して終わりではなく、これまでのスキンケアについて詳しく伺い、丁寧にアドバイスしています。
デリケートなご相談も多いと思います。患者さまと接する際、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

患者さまの痛みや困っていることを丁寧にくみ取り、「妊娠や授乳をされている」「定期的な通院が難しい」などといった患者さまの状況を踏まえた上で薬の処方などを行うようにしています。私自身が女性なので、長年悩まれて来たような女性のデリケートゾーンのお悩みも、お気兼ねなく打ち明けていただけたらうれしいです。特に女性の患者さまとは、抵抗感のある部分の症状についても気軽にお話ししてもらえるような関係を築いていきたいですね。患者さまに安心してもらうには、スタッフ全員でのスキルアップも大切です。定期的に業者さんを交えた薬剤説明会を設け、スタッフ全員で新薬の情報や患者さまへの指導方法を共有し、ブラッシュアップに励んでいます。
患者が気持ち良く受診できる環境を、女性目線で追求
患者さま目線を大切にされているのですね。院内も患者さまが気持ち良く過ごすことができる雰囲気ですね。

皮膚科クリニックというと混んでいるイメージがあったので、待合室はゆったりとスペースを取り、木目を基調としたぬくもりのある空間をめざしました。診察中にも処方薬の使い方を指導しますが、しっかりと覚えていただきたいので、待合室に設置しているモニターで外用薬の詳しい使用方法の解説動画を流しています。映像を観た患者さまから「今までずっと、間違った薬の塗り方をしていました」などと言われるので、お役に立ててもらえているようですね。自由診療と保険診療の中待合室を分けているので、患者さまが混在せず、プライバシーも守られるようにしています。美容皮膚科については、身だしなみを整えていただけるよう診療後のドレッサーなどを用意しています。また、アプリを使った順番待ち受付システムを導入し、受付後の待ち時間を院外で過ごしてもらうことも可能にしました。
子どもの患者さまが多いとのことですが、先生も子育て中と伺いました。
はい。2児の母ですがまだ小さいので、休みの日は公園などに遊びに連れて行くなど子どもにかかりきりです。子育ては本当に大変ですが、いろいろなことができるようになっていく姿や笑顔を見ていると、「自分も頑張ろう」という気持ちになりますね。ですから、親御さんの気持ちには寄り添うことができると思います。院内のキッズコーナーは居心地が良いのか特に好評で、中には「帰りたくない」とだだをこねるお子さまもいるんですよ。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

皮膚はパッと目に入るものなので、日頃から気になり、見た目の問題で悩んでいらっしゃる方も多いと思います。今は保険診療でもさまざまな選択肢があります。ただ、中には刺激のある薬もありますし、かぶれてしまう方もいらっしゃるでしょう。また、より早くきれいにケアしたい方には美容皮膚科の施術もご案内しています。お子さまのニキビやイボで通われる親御さまが、ご自分のしみが気になってしみ取りを希望されることも多いです。他にも、CO2レーザーを使ったほくろやイボの除去、内服薬によるAGA(男性型脱毛症)の治療、女性の薄毛、スキンケアやサプリメントのご相談なども行っています。患者さまが治療後に再来院された時に、表情が明るくなったり、「先生のおかげです」というお言葉を頂けると、開業して良かったと思います。地域の方に愛されるかかりつけ医として、ご家族皆さまで通ってもらえるクリニックに育てていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみのケア/3300円~、しわのケア/2万2000円~、巻き爪治療/8800円~、男性型脱毛症治療(AGA)/5000円~、女性の薄毛のケア/2500円~、小児のイボのケア/5500円~、成人のイボのケア/5500円~、ほくろのケア/5500円~