マウスピース型装置を用いた
歯の機能向上もめざした矯正
サカイ歯科クリニック
(丹羽郡大口町/柏森駅)
最終更新日:2025/01/15


- 自由診療
近年、身だしなみの一つとも思われるほど一般的になってきた歯列矯正。従来、ワイヤーとブラケットによる方法が主流だったが、現在ではマウスピース型装置による方法も浸透してきている。「サカイ歯科クリニック」の酒井雄規院長は、開業前の勤務時代に矯正専門の歯科医師に学び、診療にも取り組んできた経験を持つ。同院ではワイヤーとブラケットによる矯正もマウスピース型装置による矯正も可能で、患者それぞれに合わせた計画を立案し、すべての患者にチェックしてもらい、矯正専門の歯科医師とのダブルチェック体制で診療を行っている。「矯正により、歯並びを整えることだけでなく、歯の機能の回復もめざすことが重要」と話す酒井院長に、同院で行う、マウスピース型装置を用いた矯正について教えてもらった。
(取材日2024年12月12日)
目次
見た目の美しさだけでなく噛み合わせを重視。専用機器による診断のもと、患者のやる気を大事に治療を進める
- Qマウスピース型装置を用いた矯正とはどのような方法ですか?
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A
▲患者からのニーズも高い、マウスピース型装置を用いた矯正
ワイヤーとブラケットを歯に固定する方法と違い、透明の樹脂のマウスピース型装置を装着することにより歯を動かしていくことをめざす矯正方法です。専用のカメラで口内をスキャンし、そのデータをもとに3Dで模型を作成、歯並びがどのように変化していくのかを最終の状態までコンピューター上でシミュレーションすることができます。患者さんにとっても、現状が把握でき、矯正後の状態もイメージしやすいと思います。シミュレーションにより、患者さんそれぞれに必要な数のマウスピース型装置を発注、届いたらお渡しし、自宅で1~2週間ごとに取り換えていただく形で進みます。もちろん歯科医院での定期的なチェックが必要です。
- Qマウスピース型装置の長所と短所を教えてください。
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A
▲さまざまな症例を対応する酒井院長
開始前に最終の形までシミュレーションできることのほかに、透明なので目立ちにくいこと、そして装置を外せることが大きなメリットでしょう。ワイヤーで固定されているとどうしても歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病のリスクにつながってしまいます。外して歯磨きができると衛生管理がしやすいですね。また、マウスピース型装置を取り替えたときの圧迫感は強いですが、ワイヤーを装着した当初に比べると痛みが少ないという利点もあると思います。デメリットとしては、歯の移動量や、抜歯が必要なケースなど症例によってはワイヤーより通院期間が長くなることが挙げられます。
- Q矯正中、患者が注意すべき点はどんなことですか?
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A
▲口腔内を把握してその人に合った矯正を提供
まずは1日20~22時間の装着というルールを守ることが重要です。歯磨きと食事の時間以外は装着してください。マウスピース型装置の数は人によりますが、多い方では50~60個。最初に全部お渡しすることも、4個ずつお渡しすることもあります。1つずつ袋に入っていて番号がふってあるので、順番どおりに1~2週間ごとに交換しましょう。歯はシミュレーションどおりに動かないこともあり、その場合は装置を再作製することになります。マウスピース型装置がフィットしているかどうか、適正に矯正が進んでいるかどうか、歯科医院でチェックしてもらうことはとても重要です。1~2ヵ月に1度、必ず定期検診を受けましょう。
- Qマウスピース型装置による矯正はどんな人に向いていますか?
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A
▲3D画像を用いてわかりやすく説明
見た目を気にされる方や、人前に出ることが多い方、ワイヤーの締めつけによる痛みが心配な方などでしょうか。また、歯が内向きに詰まっていて前後しているような方には適していると思います。非抜歯で、歯のアーチを広げるにはマウスピース型装置が向いています。マウスピース型装置というとお手軽なイメージがありますが、取り外せるだけに「サボる」こともできてしまうため、矯正に対する患者さんの強い意思も大切です。当院では写真撮影や前回との比較で患者さんにやる気を持っていただき、一緒に取り組む姿勢を大切にしています。歯の問題は早めに気づくことが大事。お子さんはもちろん、年配の方もできますので、どなたでもご相談ください。
- Q通院期間やアフターケアについても教えてください。
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A
▲患者にわかりやすく丁寧な説明を心がける酒井院長
症例によりますが、期間は1年半から2年ほど。矯正が終わっても、どうしても歯が元の位置に戻ろうとする後戻りは起こりますので、それを防ぐためにリテーナーという保定の役割をするマウスピース型装置を装着していただきます。矯正後、半年間が特に動きやすいのでその期間、1日中装着することが必要です。その後はメンテナンスとして、歯周病が心配な方は3ヵ月に1回、それほど心配でもない方は半年~1年に1回の頻度で定期検診をお勧めします。きれいに整った歯をよりきれいに保っていただくため、定期検診では専門的なクリーニングや歯磨き指導を行います。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/55万円以上、ワイヤー矯正/11万円以上
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。