鈴木 雅司 理事長、伊藤 栄紀 院長の独自取材記事
ねこざわクリニック
(岡崎市/東岡崎駅)
最終更新日:2026/01/08
岡崎市郊外の緑豊かなエリア、近くにある猫沢池にちなんだ、猫のマークのサインボードが目を引く「ねこざわクリニック」。内科・腎臓内科を診療し、同クリニックの法人内にある介護施設と連携を取りながら、西三河地域の地域住民の健康を包括的に支えている。法人を運営する鈴木雅司理事長と、同クリニックの伊藤栄紀院長は、大学時代の同級生だ。学生時代からそれぞれの専門分野で研鑽を積みながら友情を育んできた。「いつか一緒にクリニックを」という夢をかなえ、2024年にクリニックを設立し、伊藤院長が就任。力強いリーダーシップでより良い介護をめざす鈴木理事長と、丁寧な人あたりから患者から頼りにされている伊藤院長。「動」と「静」の2人が地域住民に寄り添う姿や、福祉と医療の融合をめざす様子を取材した。
(取材日2025年12月1日)
クリニックがめざすのは「福祉の中の医療」
鈴木理事長が医師をめざした理由について教えてください。

【鈴木理事長】私の父が特別養護老人ホームを運営していることが理由です。父は生まれが豊田市で職場が岡崎市、母はみよし市の出身、そして私も豊田市生まれです。自分たちのゆかりの地に恩返しをしたいという想いから、父は1996年に岡崎市に特別養護老人ホームを開設。現在は11の施設を運営し、西三河の福祉・介護に携わっています。父は医師ではなかったので、医療の面でわからないことや対処できないことも多く、非常に苦労していました。その姿を見ていた私は、自分が「福祉の中の医療」を担おうと決意し医師になりました。
ねこざわクリニックを開設しようと考えたのはなぜですか?
【鈴木理事長】クリニックの構想は、父の代からありました。当初は私が医師を務め、施設の運営も担っていくつもりでした。しかし、ありがたいことに施設の数が増え、すべて自分で運営するのが難しくなって。それで、大学の同級生だった伊藤院長に声をかけたんです。彼は本当に穏やかな良い人で、うそがないし何でも真摯に向き合ってくれる。学生時代は半分冗談で「一緒にやろう」と言っていたんですが、本気でオファーしました。
【伊藤院長】鈴木理事長は、学生時代からどんなことにもNOとは言わない、なんでも受け入れてくれる性格です。そんな彼からのオファーですし、私は医師の家系でなく、どこの医療現場でも行くつもりがあり、好きなことをしたいと思い、快諾しました。
クリニックの特徴や治療方針などを教えてください。

【鈴木理事長】以前ここで内科の医院を開設していた先生がご高齢になり、ねこざわクリニックとして新たにスタートしました。
【伊藤院長】以前あった内科の医院の頃から通院していた方、近隣の住宅地からの方などが多く、患者さんの年齢層は少し高めです。内科と腎臓内科の診療を中心に、生活習慣病の予防と管理、予防接種、健康診断など幅広い治療とサポートを行っています。地域の方々の健康を支えるため、スタッフ一同で真心を込めた対応を心がけています。
「何でも答えてくれる先生」でありたい
伊藤院長は腎臓疾患の治療に力を入れているとお聞きしました。

【伊藤院長】患者さんの中には、遠方から来られる方もいます。そういう方はだいたい腎臓の病気をきっかけに来院されることが多いですね。腎臓の疾患が進行すると透析治療が必要になることがあるため、そうなりたくない方が来られます。セカンドオピニオンで来院し、そのまま当クリニックに通院し続ける方もおられます。私としては、これ以上悪化しないようにという一心で患者さんを診ています。また、生活習慣病の予防や指導にも力を入れています。当クリニックで一番多いのは高血圧症の方です。高血圧症になる原因の一つが塩分の取りすぎです。腎臓や心臓の病気などを引き起こすことも多いので、日頃からどの患者さんにも塩分を取りすぎないよう伝えています。それもあり、診察時間はどうしても長くなりますが、自分が納得できるまでやりたいし、患者さんに納得してもらいたいと思うんです。
患者さんに対して、どのような接し方を心がけていますか?
【伊藤院長】どんなに忙しくても「変わりないですね、同じ薬を出しておきます」だけで終わるのでなく、ちょっと顔色が悪いなど気づいてあげられるよう、一人ひとりへの声かけを大切にしています。患者さんには不満を持たずに帰ってほしいです。私は小学生の頃よくおなかや胸が痛くなり通院していた時期があったのですが、当時原因はよくわからず、たぶんストレスだろうということになりました。それに納得がいかず、不満を持ったんです。ならば自分で調べてわかるようになりたいという考えから、医師をめざしました。私が思い描くかかりつけ医は、「何でも治療してくれる先生」というより、「何でも答えてくれる先生」です。どの診療科に行けばいいかわからない・病気になってどうしたらいいか迷っているといった疑問や不安にアドバイスができれば。私にできることがあるのなら、とにかくしてあげたいです。
スタッフの皆さんについても教えてください。

【鈴木理事長】クリニックのスタッフはもちろん、当法人の職員皆さんに本当に感謝をしています。現代では技術が発展し、素晴らしい機械ができている中、業界ではまだまだ人力で患者さんをサポートしなければならない場面も多いです。また、どの業界も人材不足が叫ばれる中、当院を選んでくださった。スタッフの皆さんは本当によく働いてくれていますから、私にできることはとにかくスタッフを大事にして、より良い働き方改善していくことと、スタッフの皆さんとその家族が幸せに、豊かに生活していけるように考え続けていくことだと思っています。
一緒にやるから、強く、優しくなれる
開院して1年がたち、クリニックの現在をどのように見ていますか?

【鈴木理事長】経営者としての観点では、もちろん患者さんが増えるのはうれしいですが、患者さんが来るということは、病気の人がいるということでもあります。だから、病院や診療所は、本当は患者さんがゼロのほうがいいですよね。そんな中で患者さんに続けて来院してもらえるというのは、ありがたいです。患者さんが増えてきているのは、選んでいただいているということですから、うれしいですね。当クリニックでは、法人内の特別養護老人ホームと連携して対応にあたっています。特別養護老人ホームというのは医療に特化した施設ではありませんから、24時間365日連絡が取れる医師がいないと、利用者さんもご家族の方も安心できないと思います。その意味でも、伊藤院長の存在は大きいですね。
今後、どのように福祉と医療を連携させていきたいとお考えですか?
【鈴木理事長】たぶん「連携」という言葉でなくなると思います。福祉と医療を別に考える時代は終わりに来ていると感じます。超高齢社会の中で、われわれの施設も、病院に近いようなことができないといけない時代になってきています。そうしたニーズからクリニックを開設しました。今はまだ介護保険と医療保険が別になっていますが、いつか融合という形で、福祉も医療も一つになるかもしれません。そんな中、クリニックがあり医師の診療ができるというのは、大きなメリットだと考えます。
【伊藤院長】私は、地元の方が気軽に来院できるクリニックにしたいですね。「何でも相談できる」「ここに行ったら困っていた疑問に答えが出る」と思っていただけるような、そんなクリニックになれるといいなと思っています。
鈴木理事長と伊藤院長、対照的なようで息ぴったりのすてきな間柄ですね。

【鈴木理事長】伊藤院長には、今の丁寧な医療をずっと続けてほしいです。すごく丁寧な診察でカルテも非常に丁寧に書かれている。人は長くやっていると、慣れてきて手を抜いたりもしますが、伊藤院長は絶対にそうしないです。真面目でちゃんとやる人、そこは心配していません。
【伊藤院長】鈴木理事長はすごく相手を労わる人です。先日、休日診療の当番医が回ってきたのですが、多くの患者さんが来ると聞いて、どうなるかとドキドキしていました。すると、鈴木理事長が「一緒にやるよ」と手伝ってくれました。気使いがあり、人を大事にしてくれる。これからもついていきたいですね。

