永里 昂己 院長の独自取材記事
ながさと歯科クリニック
(薩摩川内市)
最終更新日:2025/05/21

2024年4月、薩摩川内市・大小路町に開業した「ながさと歯科クリニック」。木のぬくもりを感じる明るく開放的な空間で、虫歯や歯周病の一般的な治療に加え、小児歯科、透明で目立ちにくいマウスピース型装置を用いた矯正、インプラント治療、ホワイトニングなど幅広い診療に対応している。精密な診断に役立つ歯科用CTも導入し、設備面にも力を入れているのが特徴だ。院長の永里昂己先生は、首都圏での勤務医・病院長の経験を経て、生まれ育った薩摩川内市で開業。子どもから高齢者まで、誰もが通いやすい、安心して相談できるクリニックをめざしているという。地域に根差しながら、より良い医療を追求し続ける永里院長に、これまでの道のりやクリニックの診療について話を聞いた。
(取材日2025年4月14日)
父の背中を追い、歯科医療の道へ
どういった経緯で歯科医師を志したのですか?

父が歯科医師だったことが、進路を考える上で大きなきっかけとなりました。私が幼い頃、父が自宅で歯科治療のDVDを見て学んでいた姿が印象に残っています。当時「歯科にはこんな治療があるのか、すごいなあ」と子どもながらにインパクトがあったのを覚えています。小学校から高校まではバスケットボールに打ち込んでいて、自分の将来について真剣に考えることはあまりなかったのですが、部活動を引退し、進路について考えるようになった頃に、自分も歯科医師をめざそうと思うようになりました。
実際に歯科医師となってみていかがですか?
歯科医師として働く中で、患者さんが歯科治療に対してネガティブな印象を持っていたり、人によってはトラウマを抱えていたりすると感じるようになりました。「何年ぶりかに来ました」とおっしゃる方も少なくなく、長いこと放置されていた口腔内を診て「もう少し早く来ていただけていれば」と感じる場面も多くありました。私自身は、子どもの頃から虫歯治療や矯正で歯科にかかる機会も多くあり、痛みを伴う治療ももちろんありましたが、特に「歯科が怖い」という印象は持っていなかったんです。それだけに、歯科を苦手に感じる方が多いことに最初は少し驚きました。歯科医師として経験を積む中で「いずれ開業する時は、患者さんが緊張せずに通えるような場所にしたい」という思いが強くなっていきました。
開業までの経緯を教えていただけますか?

歯科医師をめざした当初から、いつかは自分のクリニックを持ちたいという思いがありました。どのような患者さんにも対応できるような、いわばオールラウンダーとしての力をつけることをめざし、さまざまなセミナーに参加しながら幅広い知識と技術を習得してきました。首都圏での勤務経験を経て、開業を具体的に考えるようになった時、生まれ育った地域に少しでも貢献できたらという思いから、「自分が子どもの頃から過ごしていた場所の近くで開業したい」と考えるようになりました。2024年4月に開業した当院は、目の前に自分が通っていた幼稚園があり、近くには自分の母校である小学校もあります。自分や家族になじみのある場所で開業できたことは非常にうれしいですし、安心感もありますね。
安心して通院できるよう「痛みに配慮した治療」を
クリニックのこだわりを教えてください。

先ほどの繰り返しになりますが「患者さんが緊張せず、リラックスして気軽に通えるクリニックにしたい」という思いがあったため、設備や機器だけでなく、雰囲気づくりにもこだわりました。クリニックらしさをできるだけ感じさせないように、白と木目を基調とした、落ち着いたカフェのような空間にしています。お子さんにも歯科に対して怖いイメージを持ってほしくなかったので、窓から光が差し込む開放感のあるキッズスペースも設けました。おかげさまで「おしゃれなクリニックですね」「キッズスペースがあるのがとてもありがたいです」といった声をたくさん頂いています。また、患者さんに親身になって寄り添うスタッフの存在もクリニックの特徴の一つです。
治療機器などにもこだわっていると伺いました。
そうですね。治療の質を高めるために、機器や設備にもこだわっています。歯科用CTは高性能な機種を導入し、細部まで詳細に診断し、精密な治療計画を立てられる環境を整えました。また、マウスピース型装置を用いた矯正を行う際は、歯型の採取に専用スキャナーを使用しているため、負担が少なくスムーズに進められます。さらに、精密な治療が行えるよう高倍率ルーペを使用していますし、痛みや出血を抑えた処置を行うためのヤグレーザーや、こだわりのメーカーのインプラントシステムを導入しています。より高度な処置が必要な場合は鹿児島大学と連携しながら対応していますが、クリニックでできることは、私自身が責任を持って治療にあたるようにしています。
患者さんを診療するにあたり、どんなことを意識していますか?

歯科に対する苦手意識を少しでも和らげていただけるよう、不安や痛みに配慮した診療を心がけています。治療中のちょっとしたストレスで、歯科から長く足が遠のいてしまうケースも少なくありません。麻酔一つにしろ、注射は一瞬だからといきなり行ってしまうと恐怖感を与えてしまうので、きちんと説明をし、表面麻酔からゆっくり進めていくようにしています。また、患者さんの訴えに耳を傾けるのはもちろんのこと、表情や様子からくみ取ることも大切です。口を開けるのがつらそうな方には、顎関節症の可能性を考えて「顎は痛くないですか?」「つらければ一度お口を閉じても大丈夫ですよ」と声をかけます。患者さんが増えると、つい気持ちがバタついてしまいがちですが、そんな時こそ余裕を持って丁寧に患者さんと向き合いたいですね。
子どもから高齢者まで、気軽に相談してほしい
クリニックの今後の展望を教えてください。

地域の皆さまのお口の健康を、これからも長く支えていけたらと思っています。特に予防歯科には一層力を入れていきたいですね。痛みなどの症状が出てから受診するのではなく、定期的な検診やメンテナンスが大事なんです。特にお子さんは、症状がなくても一度はクリニックに来ていただけたらと思います。子どものうちから予防に取り組めば、大人になってから虫歯で悩むリスクを減らすことにつながります。歯が生え始めたタイミングで来ていただければ、歯磨きの習慣づけや正しいケアの方法をお伝えできますし、虫歯予防だけでなく「口腔育成」という視点でも確認することができます。最近では、口の機能がうまく発達しない「口腔機能発達不全症」のお子さんも増えているんですよ。
口腔機能発達不全症について、もう少し教えてください。
口腔機能発達不全症は、口の周りの筋肉や舌の動きなどがうまく発達せず、食べる・話す・呼吸するといった基本的な機能に影響が出る状態で、「ごはんを食べるのに時間がかかる」「テレビを見ているときに口が開いたままになっている」「前歯がきれいに並ばない」「口呼吸が多い」などのサインが見られます。こうした状態が続くと、例えば感染症のリスクが高くなるなど、健康にも影響が出る恐れがあります。3〜4歳頃から症状が見られることが多いため、できるだけ早い段階で気づいてあげることが大切です。治療はすぐに結果が出るものではありませんが、「口を閉じようね」といった声かけや、ガムを使ったトレーニングなど、日常生活の中でコツコツと取り組んでいくことで改善が期待できます。中学生、高校生になってからでは癖を直すのにも時間がかかるため、早めの対応をお勧めします。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯科の受診を後回しにしてしまう方が多いと感じています。「詰め物が取れたけど仕事が忙しくて……」「痛くなったからやっと来ました」という方も少なくありません。しかし、痛みが出る前に来ていただいたほうが、短期間で治療できる可能性が高くなります。当院では虫歯や歯周病の治療はもちろん、予防歯科、根管治療、矯正、インプラントまで幅広く対応していますので、安心してご相談いただければと思います。中でもマウスピース型装置を用いた矯正は、この地域ではまだ導入しているクリニックが少なく、目立ちにくいので周囲に知られず矯正を進めたい方にはお勧めです。取り外しができるため虫歯リスクも抑えやすく、7〜8歳くらいのお子さんから大人の方まで、幅広い世代に対応できます。私をはじめスタッフも患者さんの期待を越えられるよう日々スキルアップを図っています。お口のことで気になることがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/33万円~、インプラント治療:インプラント埋入22万円、インプラント上部16万5000円、ホームホワイトニング/2万2000円、オフィスホワイトニング(両顎)/1万6500円