便潜血検査で陽性が出たら
大腸内視鏡検査で原因の究明を
ひろしま内視鏡内科クリニック
(広島市南区/広島駅)
最終更新日:2025/02/27


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主に大腸がんの早期発見を目的に、健康診断などで行われている便潜血検査。その結果を受けて、さらに深く調べるために促されることが多いのが大腸内視鏡検査だ。しかし、体内にカメラを挿入する検査であるがゆえに、躊躇して検査に踏みきれない人が少なくないという。「ひろしま内視鏡内科クリニック」の畑幸作院長は、精密な検査でポリープの発見することが大腸がんの予防につながるとして、大腸内視鏡検査を強く勧めていると話す。便潜血検査と大腸内視鏡検査の関係や内視鏡の進化、同院の痛みの軽減への取り組みなどについて、畑院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2025年1月28日)
目次
先進機器と熟練の技術により「受けやすい内視鏡検査」を追求。ポリープは検査後の日帰り手術も可能
- Q便潜血検査について詳しく教えてください。
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A
▲便潜血検査についてわかりやすく教えてくれる畑幸作院長
便を提出していただき、血液の成分が混入しているかどうかを調べる検査です。自治体などの健康診断や人間ドック、特に大腸がん検診でよく行われるので、受けたことのある方は多いのではないでしょうか。大腸がんがある場合は陽性になりやすいことがわかっておりますので、陽性になった場合は次のステップとして、大腸内視鏡検査でさらに詳しく調べていくという流れになります。つまり便潜血検査には、「大腸内視鏡検査を受ける必要があるかどうかを調べるための検査」という意味合いもあるわけです。ただ、陽性になる方はかなり多いのですが、そのままにしてしまう方が日本では特に多いといわれているのが現状です。
- Q陽性が出たら、やはり大腸内視鏡検査を受けるべきですか?
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A
▲小さなサインを放置しないことが大切
必ず受けてもらいたいですね。便潜血検査は非常に簡易で体への負担が少ないという点では優れていますが、精度となるとやはり大腸内視鏡検査に比べて低いんです。例えば、痔核など大腸がん以外の要素でも陽性になることがあります。「陽性になったから大腸がんやほかの疾患がある」とは断定できませんが、体が何かしらのサインを送っていることには変わりありません。大腸内視鏡検査を受けて大腸がんの可能性を取り除くことができれば安心にもつながるので、小さなサインを放置してしまわずに受け止めることが大切だと思います。
- Q大腸内視鏡検査にAIを導入されていると伺いました。
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A
▲AI診断支援技術搭載の大腸内視鏡を導入
多くの大腸がんは、ポリープが徐々に大きくなってがん化していくものなので、仮に良性のポリープであっても治療しておくことが大腸がん防止の手立ての一つです。大腸内視鏡検査ではごく小さなポリープも見落とさないように注意深く観察することが重要です。そこで、取りこぼしのないように導入したのが、AIがリアルタイムで画像を解析し病変を検出する、AI診断支援技術搭載の大腸内視鏡。医師1人の目だけではなく2人の目で見ればダブルチェックになりますので、AIに手助けをしてもらっている感じです。2024年6月から保険適用になり、他院でも導入したと度々耳にしますので、今後はさらに利用が広まるのではないでしょうか。
- Q内視鏡検査にはつきものの「痛み」にはどう対応されていますか?
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A
▲内視鏡検査を楽に受けられるように気を配っている
内視鏡検査における患者さんの苦痛を取り除いてあげることはとても大事です。内視鏡のやわらかさや細さ、画質などは常に進化しており、当院でも先進の製品を採用しています。また、検査後の膨満感を和らげるべく、内視鏡の挿入前に腸を広げる時は、吸収されやすい二酸化炭素を使っています。鎮静剤を用いながら検査できますが、内視鏡の挿入や注射の仕方、体質などいろいろな要素が絡み合い、眠っていても目が覚めてしまうことも。当院では、最小限の薬量に抑えつつ、検査後は短時間でリカバリーできるようコントロールに努めています。機器や手技、麻酔までトータルで気を配り、楽に受けていただける検査をめざしています。
- Qこちらでは、検査結果次第で日帰りで手術ができるそうですね。
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A
▲検査結果次第で検査から治療までが一日で済む
大腸内視鏡検査ではポリープが見つかることがよくあります。ただ、別の日に手術となると、また下剤を飲んでいただく必要があるので患者さんにはストレスになりますよね。その日のうちに手術できるポリープは多いので、当院ではポリープが見つかった時点で手術することを勧めているんです。もちろん、クリニックでは切除が難しいポリープや入院などが必要と判断した場合は適切な医療機関を紹介しますが、可能な限りは当院で治療しています。検査から治療までが一日で済むので、お仕事の合間に来院して検査することも可能です。
自由診療費用の目安
自由診療とは大腸内視鏡検査(自費の場合)/2万2000円~