中島 絵里香 院長の独自取材記事
下丸子リバープレイスデンタルクリニック
(大田区/下丸子駅)
最終更新日:2024/11/12
東急多摩川線下丸子駅から徒歩8分ほど、下丸子公園に面したタワーマンションの敷地内に「下丸子リバープレイスデンタルクリニック」はある。同院は、中島絵里香院長が2024年に開業。地域にとって親しみやすい場所であってほしいという院長の思いが反映され、海を思わせるターコイズブルーがアクセントになった院内には海の生き物が散りばめられて、子どもから大人まで過ごしやすい雰囲気だ。「患者さんに嫌な思いをさせたくなくて、自分だったらどうだろうと常に考えながら、患者さんの立場になることを忘れないようにしている」と語る中島院長の横顔には、診療への熱意がにじむ。そんな中島院長に、開業の経緯やこだわり、診療についてたっぷり話してもらった。
(取材日2024年10月1日)
地域に根差したクリニックをめざして開業
2024年9月に開業されたと伺いました。開業の経緯について教えてください。
私の父も歯科医師で、漠然とゆくゆくは後を継ぐんだろうなと思っていました。大学を卒業して10年経験を積んで、患者さんお一人お一人に合った治療の提案をする自信がついてきた時に、今が継承のタイミングかなと具体的に考えるようになったんです。ですが、10年後、20年後のクリニックを想像しながら検討を進めるうちに、自分が今後携わっていきたい診療のスタイルと父のクリニックがある土地の相性を考えると難しいのではないかと思い始めました。そんな折に、私が取り組みたいと考えていた「地域に根差して、患者さんに寄り添いながら健康をサポートしたい」というクリニック像にぴったりの場所を紹介していただいて、この場所に開業したというのが経緯です。私にとって、多摩川沿いは昔からなじみのあるエリアで、この辺りの景色にもどこか懐かしさを感じます。地域の親しみやすさが、背中を押してくれました。
開業して1ヵ月ほどですが、地域への印象や患者層はいかがですか?
歯への健康意識はとても高いエリアだと感じています。高齢でも健康的な方が多いですね。ただ、中には久しぶりにクリニックに来たという方もいらっしゃいます。そういう意味では、ばらつきがあるかもしれません。小学生から中学生のお子さんを持つご家庭を中心に、ご高齢の方まで年齢層は幅広い印象です。患者さんの主訴としては、急に歯が痛くなったり、詰め物が取れてしまったりという方もいなくはないのですが、基本的には予防目的や定期クリーニングを受ける場所を求めている患者さんが中心です。
ロゴマークもかわいらしいですし、院内には海の生き物がたくさん描かれていますね。
開業を決めた時、いかにもクリニックらしい内装ではなくて、少しでも気持ちがほぐれるような雰囲気にしたいと考えたんです。当院はリバープレイスというマンションの敷地内にありますし、多摩川も近いので、「川は海につながっている」という連想から、海をコンセプトにしました。実は、ロゴマークの深海魚のメンダコは私が描いた落書きがもとになっているんですよ。歯ブラシを持っていて、頭に紙コップが乗っているようなデザインにしました。院内はゆとりのある設計にしてもらい、患者さんとスタッフの動線分離にも配慮して、診療中のプライバシーが保たれるようにしています。トイレにはおむつ交換台もありますので、小さなお子さんがいるご家庭でも来院していただきやすいと思います。クリニックはどうしてもスタッフルームや消毒に使う場所が狭くなりがちですが、私のこだわりで、こちらも十分な広さを取りました。
患者を好きになり、患者の立場に寄り添う診療を
先生の診療方針について教えてください。
私には、患者さんに嫌な思いをしてほしくないという気持ちがあります。自分だったらどうされたいのかを常に考えて、患者さんの立場になって診療を行うことを心がけています。そのためにも、まずは患者さんを好きになりたいと考えているんです。家族や自分の大切な人には、誰だって嫌なことをしないものです。それに、歯科医師が患者さんを大切にすれば、必ず患者さんにも伝わります。「ああこのクリニックでは大事にしてもらえるんだな」と感じていただけたら、気軽に相談もしやすいと思うんです。ですので、患者さんを大切にすることが当院の診療のスタートラインだと考えています。
予防に力を入れていらっしゃると伺いました。
けがをしても皮膚が治るのとは違って、歯は生まれ持ったものを削ってしまったら元に戻せません。歯を抜いたら再び生えることもありませんし、歯を支えている骨が溶けてしまうと元には戻りません。当然のことだと思うかもしれませんが、お口のトラブルについては70~80代になってから「若い頃に治療しておけばこんなことにならなかった」と後悔される方が多いからこそ、しっかり予防していくことで虫歯や歯周病、口臭の対策を図れますし、ひいては生活の質や全身の健康にもつながります。当院では、精度にこだわった口腔内スキャナーを利用して、患者さんご自身にどんなふうに歯が生えていてどんな状態なのかを客観的に知っていただくことから始めていきます。その上で歯磨きの指導や歯周ポケットの洗浄など、患者さんに合わせた診療の提案をしながら、お口の健康をサポートしています。
睡眠の質を低下させる要因への治療もされていると伺いました。
当院では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)など睡眠時の呼吸や、歯ぎしり、食いしばりに悩んでいる方向けに、マウスピースなどを用いた歯科的なアプローチを行っています。一番多いのは、食いしばりまではいかなくとも無意識に上下の歯を接触させてしまう上下歯列接触癖(TCH)で、寝ている時でも歯を接触させてしまうことで歯をすり減らしてしまったり、歯茎が部分的に下がったりして、眠っても疲れが取れず頭痛などの不調を抱えてしまう方ですね。そうした方には、睡眠時につけるマウスピースで癖を直すことをめざす提案をしています。私自身が食いしばりによる頭痛で悩んでいましたので、同じようなお悩みを持つ方の力になれたらと思っています。
口臭ケアの相談も受けていらっしゃるのですね。
口臭はご自身では気づきにくいものですが、一度指摘されるとずっと気になってしまいますし、どうしたらいいのかわからない方も多い悩みです。開業する前は3年ほど口臭ケアを専門とするクリニックで務めていた経験があるので、当院では、患者さん一人ひとりに合った口臭ケアの仕方についてご相談を受けつけています。お悩みの方は、まずはカウンセリング時にお気軽にお話しいただければと思います。
気軽に行けて頼りになる、地域のかかりつけ医として
患者さんと接することの多い歯科衛生士さんには、どんなことをお願いしていますか?
一番に伝えているのは、「患者さんお一人お一人に合ったケアをしてください」ということですね。お口の中って、本当にもう十人十色なので、歯並びも違えば磨きやすい歯ブラシのサイズも違うんです。全員が同じケアでいいはずがありませんので、「当院ではこの歯ブラシを使います」「当院ではこの方法です」と患者さんにクリニックの方針を押しつけるのではなく、個人に合わせたケアの方法を提案してくださいとお願いしています。
今後の展望について教えてください。
まだ開業したばかりですので、これからは日々の診療を通じてより地域の方に知っていただき、このエリアになじんでいきたいと考えています。お口の悩みはさまざまですが、この地域にお住まいの皆さんにとって、「こんなことで行ってもいいのかな?」と思うことでも気軽に相談できるかかりつけ医になれたらと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
開業して改めて感じたのは、治療の痛みがネックで虫歯や歯周病がひどくなるまで我慢している患者さんが少なくないということです。痛みを感じるまでクリニックに行かなければ、いざ困った時の相談先がなくて迷ってしまうと思います。当院は、普段から定期的にクリーニングに通われている方もそうでない方でも、気軽に相談できる場所でありたいと考えています。医療機関に行くのは緊張しますし、「痛いことをされるのではないか」と不安になるものです。だからこそ、当院では患者さんの立場になったつもりで診療を心がけていますので、安心してお越しください。当院が地域にとって身近なかかりつけ医になれるよう、励んでいきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正11万円~、歯列矯正(表側矯正)/77万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。