杉野 健太郎 院長の独自取材記事
新潟レディースライフクリニック
(新潟市秋葉区/新津駅)
最終更新日:2024/11/19

JR羽越本線・新津駅から徒歩14分。2024年4月に開業したばかりの「新潟レディースライフクリニック」は産科から婦人科まで女性のトータルライフをサポートすることがモットー。院長を務める杉野健太郎先生と副院長を務める松本賢典先生は大学時代からの仲で、あうんの呼吸で日々の診療を行っている。今回は杉野院長にクリニックの特徴や入院室の設備、診療に対する思いなど、話をじっくりと聞いた。
(取材日2024年9月11日)
患者がリラックスできる雰囲気づくりを大切に
2024年4月に開業されて半年近く経過しましたね。現在の心境を教えてください。

開業以来、想像以上に多くの方に来院していただいており、皆さまから期待されているのを実感しています。特に新潟県内では、長年産科クリニックが不足していたこともあって、特に近隣住民の方に来院していただくことが多いですね。来院された理由をお伺いすると、友人やご家族のクチコミ、身近な方の紹介が多く「信頼して大切な人を紹介してくださっているんだ」と感じ、とてもうれしく思っています。皆さんの信頼を裏切らないよう、これからも一人ひとりの患者さんと向き合い、成長し続けていきたいです。
どのようなクリニックをめざして診療を行っていますか?
当クリニックでは、患者さんにとって「ほっ」と安らげる場所をめざし、日々の診療に取り組んでいます。病院は不安や心配を抱えて来院されることが多いですが、特に産婦人科は緊張しやすいですよね。少しでもリラックスして診療を受けていただけるよう、コミュニケーションを大切にしています。またお話をすることで、患者さんが抱えているストレスを和らげるお手伝いができればと考えています。女性は思春期から更年期まで、それぞれのライフステージごとにさまざまな産婦人科系の悩みが出てくる方が多いです。その度に私たちが皆さんを支えて、少しでも生活の質が上がるようにトータルライフサポートをしていきたい、そんな思いを込めてクリニック名にも「ライフ」という文字を取り入れました。
こちらのクリニックの強みは何ですか?

待ち時間をできるだけ減らし、診療時にはしっかり向き合えるような体制を整えていることです。そのためにシステム化できる部分は積極的に取り入れ、ウェブ予約時に問診票を一緒に入力していただくことで、初診時もスムーズにご案内できるようにしています。また、診療中は目の前の患者さんに集中できるように、カルテの入力や補助業務は医療クラークが担当しています。このサポート体制のおかげで、診療時間を長く取らなくても患者さんと向き合う時間をしっかり確保できています。その結果、待ち時間も少なくなり、患者さんの負担も軽減できているのではないかなと感じています。これからもより質の高い診療が行えるように、取り入れられることはどんどん導入していきたいですね。
コミュニケーションを何よりも大切にする診療体制
ソフロロジー式分娩法を導入されているようですが、どのような分娩法なのでしょうか。

ソフロロジー式分娩法は、リラックスしながら出産できるように、外来の時点からメンタル面のケアも行う分娩方法です。赤ちゃんとの関わり方や出産時の痛みに対するイメージトレーニングを通じて、気持ちの持ち方を変えていきます。例えば、知らない人と手をつなぐと警戒しますが、家族と手をつなぐときは安心感や愛情を感じますよね。同じ行動でも、気持ち次第で感じ方が変わるものです。この作用を活用し、出産時の練習を繰り返していくことで、出産時の痛みの緩和につなげたいと考えています。当クリニックでは、出産がネガティブなものにならないように、痛みや不安を和らげ、ポジティブな気持ちで出産に挑めるようサポートしています。
設備や入院時の病院食にも力を入れているそうですね。
産婦人科という場所は、どうしても緊張や不安を感じながら来院される方が多いので、当クリニックでは少しでもリラックスできる環境づくりを大切にしています。例えば、産科の入院部屋は全室個室で、ご家族が1泊できるようにしており、広いお部屋だとご家族全員で泊まることも可能です。入院中の食事にもこだわっていて、見た目だけでなく味や栄養バランスも大切にしています。特に、糖質や炭水化物の量を抑えているのですが、これは出産後の体調を考えてのことなんです。血糖値が急に上がると、後で下がった時に体も気分も疲れてしまうので、それを防ぐために低糖質・高タンパクのメニューを取り入れています。さらに、エコーの写真や動画をスマホに共有したり、出産された方にはオリジナルのDVDをプレゼントしたりと、少しでも皆さんに喜んでもらえるような工夫をしています。
患者さんと向き合う際に大切にしていることを教えてください。

コミュニケーションを取ることを何より大切にしています。医師に対して質問するのは緊張される方が多いと思うので、イエスとノーで終わる質問ばかりするのではなく、患者さんの気持ちや気になること、症状など、感じていることを引き出すような診療になるように心がけています。そのため診療の最後には必ず「何か確認しておきたいことはありますか」と質問するようにしているんですよ。その答えをもとに検査をして結果を見てみたり、一つの不安に対して医師の視点から多角的にアドバイスしたりして、不安や疑問に思っていることをできるだけ取り除き、少しでもスッキリした気持ちで帰っていただきたいと思っています。
より多くの人に頼ってもらえるクリニックをめざして
医師をめざしたきっかけを教えてください。

小学6年生の時にテレビで医師の仕事を見て「いい仕事だな」と純粋に感じたことが最初のきっかけでした。その後、中学生の時に職場体験で実際に病院を訪れ、働く先生の姿を目にする機会がありました。特に印象に残ったのは、先生が患者さんのご家族からとても感謝されていた場面です。その光景を見て、「医師って素晴らしい仕事だ」と確信し、この道をめざそうと決めました。医学部に入学後は5年生の時にすべての科を回る実習があったのですが、その中で特に心に響いたのが産科でした。新しい命が誕生する瞬間に立ち会い「おめでとう」というポジティブな言葉が飛び交うあの温かい空間に強く惹かれたんですよね。この経験から私は産科医としての道を歩むことに決め、今ではその選択が本当に正しかったと感じています。
この仕事をしていて「良かった」と感じる瞬間はいつですか?
やはり出産で妊産婦さんやご家族の笑顔に立ち会える時ですね。先ほどもお話ししましたが、出産という大切な瞬間に立ち会えて、妊産婦さんやご家族から感謝の言葉をいただき、その喜びに直接ふれることができたら「この仕事をしていて本当に良かったな」と実感できます。出産では、妊婦さんがリラックスしてポジティブな気持ちで臨むことが、その後の育児にも良い影響を及ぼすのではないかなと感じています。だからこそ、当クリニックでは「母子ともに心身が健康な状態で育児のスタートを切ってもらうこと」を大切なテーマに掲げています。出産が単なる行為ではなく、幸せなスタートとなるよう、これからも全力でサポートしていきたいと思っています。
最後に、今後の展望を教えてください。

今後の展望として、クリニックでは来院される方々の満足度を保ちながら、さらに多くの方に産科と婦人科の診療を利用していただけるように、より皆さんのニーズに合った体制を整えていきたいと考えています。私自身も、設備の導入や先進の医学情報を積極的に取り入れ、より良い診療を提供できるよう努めていきます。また、総合病院では難しい、個人クリニックだからこそできるサポートもまだまだあると思っているので、地域の皆さんの期待に応え続けられるよう、これからも研鑽を積んでいきたいです。