秋本 泰芳 院長の独自取材記事
うじな整形外科 スポーツ・リハビリクリニック
(広島市南区/宇品三丁目駅)
最終更新日:2024/10/18

広島港からほど近い、医療モール3階に2024年8月にオープンした「うじな整形外科 スポーツ・リハビリクリニック」。広々としたリハビリテーション室も備えるのが特徴だ。院長の秋本泰芳先生は、勤務医時代に骨折や靱帯損傷など外傷に対する手術を数多く行ってきた経験豊富なドクター。同院では一般的な整形外科疾患はもちろん、スポーツ障害の診療にも熱心に取り組んでいる。「スポーツをしていて悩んでいることや困っていることがあったら、気軽に相談してほしい」と語る秋本院長。実際に患者の体に触れて、痛み・違和感を確認し合いながらの診療を大切にしている。気さくで話しやすい雰囲気の秋本院長に、力を入れるスポーツ整形外科の診療内容や設備に対するこだわりなど、さまざまな話を聞いた。
(取材日2024年9月18日)
子どもから高齢者まで、スポーツをする人を支えたい
まずは先生が医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

父が医師ですので、幼い頃から医師は身近な職業でした。祖父の代から的場町で開業していて、今は父と兄が皮膚科・整形外科を掲げて診療しています。そんな環境で育ちましたが、実はもともとは工学部に進みたかったんです。航空工学科か宇宙工学科に進んで、ロケット開発に携わりたいと思っていました。ただその場合、将来的に安定してやっていけるかどうか不安に思うこともありまして、医師である父を見ていると、年齢を重ねてもずっと診療を続けています。開業すれば、定年も気にせずに働けますよね。父の姿を見て、私も最終的に医師をめざすように。整形外科の医師として経験を積んだ後、故郷の広島に戻り、開業前の5年間は父と兄と一緒に診療しました。
こちらのクリニックでは、スポーツ整形外科に力を入れていらっしゃるそうですね。
「スポーツをしていたら、こんな症状が出た」「こんな症状があるけれど、スポーツを続けてもいいだろうか」「ケガをしないために、どんなトレーニングをすればいいだろうか」。そうした、スポーツを行う上で困っていることや悩んでいることを、気軽に相談できる場所でありたいと思っています。私は勤務医時代に、脱臼や骨折、靱帯損傷など外傷に対する手術を数多く行ってきました。当院で手術はしていませんが、スポーツ障害の診断や治療には自信を持っています。それに私自身スポーツが好きで、ずっと水泳をしてきましたので、スポーツ選手の気持ちもよくわかるんです。相談に乗ったりアドバイスしたりして、「スポーツをしている方々の力になりたい」という気持ちは強いですね。
どんな患者さんが多くおみえになりますか?

スポーツ少年団などに入っているお子さんたちが多くいらしています。「こんな症状があるけれど、大丈夫でしょうか」と、お父さんお母さんが心配して連れて来られるケースが多いですね。またフィットネスクラブに通っている方など、スポーツをされている中高年の方もおみえになっています。中高年の方の場合、「こんな症状が出てきたけれど、スポーツを続けてもいいでしょうか」といった相談が多いですね。そうした場合、症状を根治させることが難しくても、うまく付き合いながらスポーツを続けられるようお手伝いして差し上げることが大切。適切な治療と理学療法士によるリハビリテーションを組み合わせて、年齢を重ねても長くスポーツを続けられるようサポートすることをめざしています。
実際に患者の体に触れ、不安のない診察を心がける
学童期のお子さんも多くいらっしゃるのですね。

患者さんの中でも、小学生のお子さんがたくさんいらしています。開業前に近隣の小学校の養護教諭にあいさつに伺ったこともあり、学校でケガをしたお子さんが連れて来られることも多いんです。私自身、6歳、4歳、1歳の娘の父親で、子どもが大好き。お子さんも大歓迎です。お子さんを診療する際には、不安を和らげるよう努めていますね。小さいお子さんでも、医療機関に行くと注射などをされて痛い思いをするのではないかと不安を感じているものです。それでまず最初に、「先生はチクンとしないから大丈夫だよ」などと、優しく声をかけるよう心がけています。最初は警戒していたお子さんでも、エックス線検査を終えて診察室に戻ってくる頃には、警戒心が和らいでいるように感じますね。
先生ご自身もスポーツでケガをした経験がおありだそうですね。
高校までは水球をしていて、大学時代は準硬式野球部に入っていました。今も水泳を続けています。私自身、学生時代にケガに悩まされたこともあり、スポーツ少年・少女の気持ちがよくわかるんです。子どもたちを診る際には、将来を見据えてサポートするよう心がけていますね。例えば、サッカーをしている子がケガをした場合、「大人になってもサッカーを続けたいなら、しばらくの間我慢しようね」などと話します。無理をして復帰すると、他の箇所までケガしてしまうかもしれませんし、アキレス腱断裂などが起こると、サッカーを続けられなくなる可能性もあります。もちろん状況に応じて臨機応変に対応しますが、お子さんの場合、基本的に目先だけでなく、先々まで考えた治療を提案するようにしています。
診療の際、特にどんなことを大切にしていますか?

患者さんとよくコミュニケーションを取るよう心がけています。また、実際に患者さんの体に触れての診察を行うことも大切にしていますね。「医師が自分を見ずに画面ばかり見ている」という不満をよく耳にしますが、当院では患者さんにしっかり向き合って診察するよう努めています。手足や腰などの不調を診る整形外科では、実際に触ってみないとわからないことも多いのです。特に初診時には、しっかりと触診を行うよう心がけていますね。また、画像診断を行った際などには、結果をきちんと説明することも大切にしています。例えば、椎間板ヘルニアを発症しているのであれば、椎間板と神経の位置関係、痛みやしびれが出るメカニズムなどを、人体模型や画像を用いて丁寧にわかりやすく説明します。説明の際、難しい言葉を使わないようにも気をつけていますね。
充実の設備と診療体制で、小さな不調も親身にサポート
広々としたリハビリテーション室も備えていますね。

リハビリテーション室は、当院の強みの一つです。広さが200平方メートルほどあり、ウォーターベッドや腰椎けん引装置、低周波治療器、マイクロ波治療器、フィットネスバイク、トレッドミルなど、さまざまな機器を取りそろえています。加えて、現在5人の理学療法士が在籍していますので、たくさんの患者さんにリハビリテーションを提供することが可能です。また患者さんにリラックスしてリハビリテーションに取り組んでいただけるよう、業者さんとも相談しつつ、室内の色使いや天井の形状などにもこだわりました。開放感な空間の中で快適に過ごせるように、壁に大きな鏡も設置しています。
MRIも導入されているようですね。特徴をお聞かせください。
当院では、オープン型のMRIを導入しています。オープン型は狭い場所が苦手な方でも受けやすいのが特徴。従来のトンネル型と違い、永久磁石を使用しているため、故障が少ないというメリットもあります。またトンネル型に比べて音も少ないのですが、それでも気になる方のために耳栓もご用意してます。プライマリケアを担うクリニックとして、最初の診断をきちんと行うことが大切ですので、受けていただきやすいMRIを導入したんです。トンネル型のMRIしかない病院から、患者さんをご紹介いただくこともありますね。MRI検査に関しても、説明をしっかりと行うよう心がけています。クリニックの診療が終わってから、画像を丁寧に確認し、診断結果をカルテに記入。次回の診察日に患者さんにきちんと説明するようにしているんです。
最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

「こんな症状があるけれど、スポーツを続けていいか悩んでいる」など、スポーツをしていて悩んでいることや困っていることがあったら、ぜひお気軽にご相談ください。人生100年時代といわれる今、スポーツを楽しむご高齢の方を応援したいと強く思っています。中には、「これくらいで医療機関に行くのはどうなんだろう」と受診をためう方もいらっしゃるかもしれません。しかし小さな不調をそのままにしておくと、他の箇所まで悪くなってしまう可能性もあります。どこかに痛みなどがあって、スポーツや運動をしている時にその箇所をかばうような動きをしているなら、ぜひ一度ご相談ください。お困りの症状を改善できるよう、誠心誠意お手伝いしたいと考えています。