佃文蔵院長の独自取材記事

こもれび歯科・小児歯科

(広島市西区／高須駅)

最終更新日：2024/10/08

広電2号線の高須駅から徒歩8分。古くからの町でありながら若い世帯も多い庚午に「こもれび歯科・小児歯科」はある。佃文蔵（つくだ・ぶんぞう）院長がめざすのは、子どもから高齢者まで安心して通える歯科クリニック。そのため同院では小児矯正と、痛みの少ない治療に注力している。虫歯と過剰歯で幼少期から歯科治療に通ったことがきっかけで歯科医師を志すようになったという佃院長。過去の経験から、患者を置いてきぼりにしないわかりやすい説明を心がけ、患者が納得してから治療を始めるようにしている。また開業後も勉強会やセミナーに積極的に参加し、研鑽を続けている佃院長。「患者さんだけでなく、スタッフにも満足した勤務環境を提供したい」と語るその言葉に、勤勉で常に周囲の人々を気にかける優しさが感じられた。

（取材日2024年9月12日）

虫歯の多い幼少期を経験し、歯科医師を志す
小児矯正と、痛みの少ない治療に注力
子どもから高齢者まで、安心して通えるクリニックに

虫歯の多い幼少期を経験し、歯科医師を志す

歯科医師を志したきっかけからお聞かせください。

幼い頃から歯科治療が身近だったことは大きく影響していたと思います。親や親戚が医師や歯科医師というわけではなく、私自身が歯科クリニックに通う機会が多かったんですね。虫歯が多かったため、虫歯治療や矯正で歯科クリニックに通院し、過剰歯を抜いたことがあります。そういった経験もあり、高校生で進路を考えた時に、歯科医師になろうと決めました。患者さんの健康に貢献できる仕事は誇らしいですし、今は歯科医師になって良かったと思います。

開業までの経緯を教えてください。

九州歯科大学を卒業した後は、地元の広島に戻り、広島大学病院で半年、大学OBの先生が開業したクリニックで半年勉強しましたね。そこで開業医としての総合的な治療を間近で見ることができ、自分も同じ道を進みたいと思って開業を決意しました。始業前は勉強を教えてもらい、終業後は一緒に一日の振り返りをしてもらい、今思えば院長は大変だっただろうと思います。2014年から7年間勤務した「せいぶ歯科医院」では、院長のおかげで幅広いスキルを磨くことができました。ありがたいです。その後は小児歯科のノウハウを学ぶために「おひさま歯科・小児歯科」で勤務しました。お子さんが怖がらないような工夫や声かけを、たくさん勉強させてもらいました。当時の私は子どもの扱いが苦手だったこともあり、最初はかなり苦戦したんですが、そのかいあって今は小児歯科も看板に掲げられるようになりました。

開業していかがですか？

この辺りは住宅街で、若い世代のご家族から、子育てが一段落ついた方など、幅広い年齢の方が住んでおられます。そのため当院に来られる患者さんの主訴としては、お子さんの歯並び相談や検診から、かぶせ物が取れた、痛みが強いといった緊急性のあるものまで、とても幅広いです。「近くに歯科クリニックができて良かった」と言ってくださる方も多く、皆さんの期待に応えられるように頑張っていくつもりです。

小児矯正と、痛みの少ない治療に注力

こちらで受けられる治療について教えてください。

当院は「家族みんなで通える歯科クリニック」をめざしています。具体的には虫歯や歯周病治療、補綴、審美歯科といった診療を行っていますが、小児矯正には特に力を入れていますね。矯正に関しては、大人になってから「やっておけば良かった」と後悔する人が多いんです。もちろん大人になってからも矯正は可能なんですが、成人してからの矯正は抜歯をしたり痛みが大きかったりと、結構負担が大きくなってしまいます。小学6年生ぐらいまでに行う矯正を第1期矯正と呼びますが、第1期矯正は歯や顎の成長を利用した矯正が可能なので、成人してからの矯正と比べると、体への負担はそこまで大きくありません。また第1期矯正では、生えてくる永久歯をコントロールしつつ、きれいな歯並びをめざすので、歯の生え替わりによって歯並びがゆがむリスクも軽減できます。今の矯正器具は着け外しできるものや、目立たないものがあるので、気になる方は一度ご相談ください。

痛みの少ない治療を心がけていると伺いました。

はい。歯科クリニックが嫌われる要因として、「痛み」と「音」が挙げられます。どちらもゼロにはできないんですが、音の静かな機械を使ったり、痛みの軽減を図ったりすることは可能です。特にお子さんは痛みに敏感ですので注意していますね。麻酔を使う時は、注射針が侵入する痛みを軽減させるために、最初に表面麻酔を施します。麻酔の注射も温度差での痛みが出ないように、薬液は体温と同じぐらいの温度に温めておきます。また、注射する速度が一定でないと痛みを感じやすくなってしまうため、電動麻酔器で一定の速度を保ちながら注射しています。麻酔時のこうした工夫は、お子さんに限らず、大人の患者さんの治療でも同様に行っています。

患者さんと接する上で、気をつけていることはありますか？

患者さんの悩みやご希望に耳を傾けて、患者さんに納得いただいてから治療を始めるようにしています。こちらがいくら説明したと思っていても、患者さんが理解・納得していない場合は「説明されてない」「聞いてない」となってしまうんです。これは私の実体験で、実際に言われた時はハッとさせられましたね。それからは患者さんを置いてきぼりにしない説明を心がけています。歯科医師の私が言うのもおかしな話ですが、歯科治療というのは、大多数の方ができればやりたくないことだと思うんです。その認識を忘れないように、カウンセリングや説明をわかりやすく、丁寧に続けていきたいですね。

子どもから高齢者まで、安心して通えるクリニックに

お休みの日は勉強会やセミナーに参加されているそうですね。

医療は日進月歩ですから、アンテナは広く張っておきたいんです。勉強した内容が患者さんに還元できるというのは、歯科医師としてうれしいことでもあります。それに、これまでお世話になった先生方が常に情報収集していた姿を見てきたので、私もそうありたいと思いました。60代70代のベテラン先生でも、いまだに勉強を続けて、新しい情報をキャッチしているんですよ。私も将来はそんな先生方のようになりたいと思いました。また勉強会に参加することで同年代の先生と知り合うことができるので、新しいコミュニティーが生まれることもあります。お互い切磋琢磨できるので、いい刺激になっていると思います。

今後の展望についてお聞かせください。

当院がめざすのは「子どもから高齢者まで、誰もが安心して通えるかかりつけの歯科クリニック」です。「家族にも通ってもらいたい」と思えるような治療ができるよう、これからも精進を続けていきます。患者さんにいいものを提供できれば、患者さんご本人だけでなく、当院で働くスタッフにもやりがいを感じてもらえると思うんです。患者さんはもちろん、スタッフも満足して働けるような歯科クリニックになりたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

患者さんとのコミュニケーションを大切にしていますので、今抱えている悩みや不安など、気軽にお話ししていただけるとうれしいです。歯科クリニックだからと肩肘張らず、リラックスしてお越しください。安心して治療を受けてほしいというのが私たちの切なる願いですから、症状のことだけでなく、「実は歯科クリニック怖くて」「こういう治療は苦手で」といったことがあれば、遠慮なく教えてください。お子さん連れの受診も歓迎しています。定期的なメンテナンスから歯並びが悪くなる兆候も見えたりしますので、ぜひとも頼りにしてください。