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西村 朝之 院長の独自取材記事

三愛病院附属 陽まわりメディカルクリニック

(さいたま市南区/武蔵浦和駅)

最終更新日:2024/11/14

西村朝之院長 三愛病院附属 陽まわりメディカルクリニック main

「専門性を追求し深掘りするのも大切だが、自分は一つ一つの病気でなく、目の前にいる患者さんのすべてを診たい」と、外科出身でありながら、幅広い診療に従事してきた西村朝之院長。総合診療という言葉が浸透していない頃より、その考えを持ち合わせ、大学病院からスタートした医師人生は、市中病院から離島医療へと思いを駆り立てた。離島では医師は1人。自分の診察、診断がすべてだが、ここでの経験が母体である三愛病院での総合診療部門での診療へとつながり、2024年6月に系列医院である「三愛病院附属 陽まわりメディカルクリニック」の院長として就任した現在に生きている。めざすは「よろず診療所」のような、困った時に誰でもが駆け込める場所になること。そう話す西村院長に思いの丈を語ってもらった。

(取材日2024年9月26日)

浦和エリアの救急を担う三愛病院から地域医療の現場へ

クリニック設立の経緯を教えてください。

西村朝之院長 三愛病院附属 陽まわりメディカルクリニック1

24時間体制の救急病院である三愛病院が当クリニックの母体です。三愛病院が1985年から医療提供を行っている浦和エリアでの開業となりましたが、基幹病院の役割とクリニックが果たす役目というのは少し違うと思うんです。当クリニックはもっと近くで支える「かかりつけ医」の立場から、患者さんを助けていきたいという理念で診療を行っています。大きな病院に行くほどではないけれど診てほしい、困った時に話を聞いてもらい相談に乗ってほしいなど、患者さんのちょっとしたお悩みから、体調不安まで総合的に診察ができる場でありたいと思っています。

外科からスタートし、現在の総合的な診察スタイルになったのですね。

最初は外科の医師をめざし、大学病院での勤務をスタートし、手術、外来を数多くこなしていました。そもそも大学病院とはそういうところなんですが、とにかく駆け出しの頃は一つの臓器ごとに深く深く学んで、治療に生かしていく日々でしたね。自分の執刀で患者さんを治療することに大きなやりがいを感じていましたが、次第に専門を最初に決めてしまって深掘りしていくことに疑問を感じてしまって……。もっと総合的な見地から幅広い診察、治療に関わりたいと強く思うようになっていったんです。今でこそ総合診療部門は一般的になりましたが、当時では少数派だったと思います。最近では外科でも内科でも、総合的に診断を下していく「総合診療部門」は、専門と捉えるような動きも出てきていて、自分の道を進んできて良かったと実感しています。

離島診療での経験が現在の先生につながっているとお聞きしました。

西村朝之院長 三愛病院附属 陽まわりメディカルクリニック2

大学病院から市中病院を経て三愛病院に勤務する前ですが、熊本の離島診療に携わったことがあるんです。医師が自分しかいない離島なら、より総合的な見地から診断し、幅広く治療していく力が求められるのでは? と考えて赴きました。診療所では手術など高度なことはできないので、該当しそうな患者さんは本土の病院に搬送する必要があります。しかし、救急艇と呼ばれる船でしか渡れないので、天候が悪くなってしまうと搬送できません。そのため、本土の病院で診てもらったほうが良い人や、出産を控えている妊婦さんなどは早めに準備して本土に渡ってもらっていました。的確な診断を早めに下すことが何よりも大事で、それには総合的な知見と経験が必要になってきます。毎日の診察でも、診療科関係なく、いろいろなお悩みを抱えた患者さんに対峙してきました。この経験のおかげで相当鍛えられ、今の自分のベースが築けたと思っています。

診療科にこだわらず、総合的な知見から診断を下す

先生が医師をめざそうと思われたのはどうしてですか?

西村朝之院長 三愛病院附属 陽まわりメディカルクリニック3

実は中学校の体育教師をめざして大学に通っていたのですが、サッカー好きが高じて知り合った整形外科の先生が、将来、サッカー日本代表のチームドクターになりたいと話されていたのを聞いて、「もしかして自分も医師になったら、サッカーと関わりながら仕事ができるかもしれない」と思い、進路変更して医学部に入り直したんです。結局、整形外科の道は選ばなかったので夢は実現しませんでしたが、あの出会いがなかったら今の私はいなかったかと思うと、感慨深いです。

診察で大切にしていることを教えてください。

病院では診療科が細かく分かれているので、これは自分のテリトリーではないと思う医師もいるでしょうが、以前、外科部長だった上司に「常に目の前の人に向き合いなさい」と教えられました。離島の診療所や地域医療のクリニックでは、専門じゃないから診られませんとは言えません。目の前の患者さんに寄り添うことを一番に考え、望むゴールに導けるように最大限努力します。それには患者さんとの対話が大切で、現在は初診の方がほとんどなので「西村朝之と言います。よろしくお願いします」と自己紹介から入り、話しやすい雰囲気づくりから診察を始めています。

診断を見極めるためのポイントはありますか?

西村朝之院長 三愛病院附属 陽まわりメディカルクリニック4

たくさん症状があったとしても、「一番つらい症状は何なのか?」をまずはお聞きします。本人の訴えからその原因を探り、症状によって当クリニックで対応できるのか、検査は何を行うかを線引きしていきます。血液検査も、炎症反応を診るだけならすぐ判明しますが、精密なものだと外に出すので時間がかかります。ここでできる検査も限られているため、患者さんのお話や表情を含め、総合的に診察を行って線引きしていくことがポイントです。ここが非常に重要で、早く見極めて診断を下し、その後の橋渡しをしていくことが求められます。こうした判断力、診断力は、離島医療で鍛えられましたね。

系列院のバックアップのもと迅速かつ適切な医療を追求

母体である三愛病院との連携が素晴らしいですね。

西村朝之院長 三愛病院附属 陽まわりメディカルクリニック5

もし、当クリニックでの対応が難しい場合は患者さんのご希望をお聞きした上で、三愛病院へとご紹介していきます。実はカルテなどのデータは互いに共有されているので、わざわざ紹介状を書いて初診予約なんてしなくても、三愛病院の診察や検査の予約を当クリニックで入れることができるんです。急を要する症状の場合は、すぐさま三愛病院へ救急車で搬送し、入院につなげる対応も可能です。

働きやすい職場づくりにも注力されているようですね。

およそ20人いるスタッフはママさんも多いので、フルタイムでなくても無理なく働けるような、風通しの良い職場をめざしています。その人がいないと仕事が回らないという事態にならないように、皆で助け合って業務を行っていて、控室などにホワイトボードを置き、気がついたことや連絡などなんでも書き込んでもらうようにもしています。お互い気持ち良く仕事ができるように、院長である私と事務長が中心となって全員でクリニックをつくり上げていけたらと思っています。

これからどんなクリニックをめざしていきたいですか?

西村朝之院長 三愛病院附属 陽まわりメディカルクリニック6

開業したばかりなので、もっと多くの方々にこのクリニックのことを知っていただきたいですね。将来的には二診制にして、医師も増やしていきたいと考えています。駅からも近く、土曜・日曜も診察を行っているので、働き世代の方々も受診しやすいと思います。ゆくゆくは、離島での診療経験を生かし、なかなかクリニックへ来られない患者さんのところに往診に行けたら良いなと考えています。

最後にメッセージをお願いいたします。

体に不調があれば、すぐに来ていただきたいですね。「どこに行ったらいいかわからない」「ちょっと相談したいことがある」など理由はなんでも構いません。「こんなことで行ってもいいのだろうか」と躊躇したりすることなく、よろず相談所のようにクリニックを利用していただけたらと思っています。予防接種はもちろん、感染症の診断や治療のほか、内科、外科にかかわらず、総合診療を行うクリニックとして、できる限りの診察を行い、こちらで対応が難しい症状の場合は、系列病院や適切な医療機関へと橋渡しいたします。

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